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情報圧倒的不足

溜息をしながら、実家では決して手に入らない超高級なふわふわ布団に埋もれる。


「ああ、ふかふかベット最高。思考放棄したい、でも二週間後に入学が控えてるから、早く何が対策を考えないと、まずは攻略者やこの体の両親にばれないことが最優先だわ。思い出せ、悪友がこのキャラについてどう説明していたのが」


“ねえ、聞いてよ!昨夜やっとフォン様の全エンド揃えられたの!!!もう、特にハッピーエンドは甘々でスチールも超華やか!!!

でもね、ライバルキャラの婚約者結構好きなんだよね、よくある高飛車キャラじゃなくて元気よく周りよりもフォン様一途な子なの、纏わりつきすぎてうざかられてるけど。他のエンドもちょっとあれだけど、でもハッピーエンドであそこまで病むとは想像もしなかったわ、ストーリー中では全くそんな気配感じさせなかったの、主人公を薬で行動力を奪い、八つ裂きして綺麗に包装し、フォン様に送ろうとするとか、深淵投入するとき完全に狂っていたわ。しかし、そのギャップも意外にいいのよね。


『私を見ないあなたに、あなたが見る人をプレゼントとして送るの。

ほら、こんなにもあなたを愛しているのよ!』


ああ~私もあんな風に愛されたいわ!”

“それをいいと感じるあなたにゾクッとするわ。その婚約者になんであそこまでぞっこんすることができるの。フォン様確か設定ではプレイボーイでしょう。いろんな女の人にその気にさせて、周りにおいて。実際、全く興味がなく、乙女心弄ぶだけの女だらしじゃん。”

“もう、わかってないな~そこがいいの!顔良し、頭よし、礼儀よし、身分よし、異能も強いその上なんとなく憂いを感じさせる美少年。もう最高じゃん!!”

“いや、その説明だと攻略対象全員当てはまるよ。しかも、このゲームに限らず、あなたが前に遊んだゲームのキャラにもほぼ当てはまるからね。”

“違うよ、全員それぞれ個性的で私の愛だもん。それにこのゲームだけ見ても攻略対象全員に果てはまらないからね。エンジェルの.......”


ずれていく回想を止め、テーブルに置いてある日記に視線を向けじっと見つめる。


「思ってるより悪友の言ってること覚えてたのは救いかなあ。まとめればフォン様、元気、典型的なライバルキャラではない、あと最後は狂って深淵。全然情報足りないじゃん、終わった。

 まあ、この日記見ればなんで最後豹変するのが理解できそう」


この日記は異世界に来て、部屋で目覚めてから今の体の持ち主に関する情報を探ろうとした時、とても親切にテーブルの上に置いてくれたのよね、まるで遺書のように。見ないわけがなく、内容は恋する少女が自分の好きな相手に関することと気持ちをぎっしりと書いてる。それだけ見たら普通じゃんと感じるかもしれないけど、問題は好きな相手の行動を一緒にいるときほぼ随一に時間帯に分けで書かれており。さらに、前日と違う行動をするとその理由を推測し、最後に彼への愛を心込めて綴られていた。日記の日付を見ると3か月前だから、つまりこのような日記が大量に存在しているというわけだ。そして、一番最新の日記はどう言葉に表せばいいのかとても複雑な感情が混ざった内容である。でも、最後まで自分を欺いて、相手が自分のことが好きだとか自分しかふさわしくないとか思い込んでる乙女ゲームによく出る悪役な子達よりもよほど見透かしているのよね。結局自分を欺けれないからそれで逆に耐えれなくなったのかなあ。


「もう一回内容思い出しても重いわ~自己洗脳でしかない。ここまで続けれるだけでも尊敬でしかない。私には一生理解できない愛情だね。まいったわ、絶対ばれる。演技なんで学校の学園祭をしのげれる程度で十分なんだよ、憂鬱だわ」


ここまで考えで、眠気が一気に襲ってきて、抗う気力もなく眠りに落ちた。

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