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入学式前日

ついに明日が入学式、これでヒロインも攻略対象も全員学園のどこかにいる。いよいよ本戦が始まる。


私が残りの11日間していることと言えば、学園で憩いの場となる場所を探し、フォンの尾行と令嬢観察だ。順追って説明しよう。


まず憩いの場だ、結論から言うとあっけなく失敗した。こんなに広い敷地を持っている学園でまさかと思うかもしれませんか。実のところ、新入生の立ち入りできるスペース自体限りがあり、その上で人目の付かない静かな場所プラスポイント消費もないとなればほぼゲーム攻略上に現れるところばかりでした。しかも、私にはヒロインのようにイベント起こす際、他人を寄せつかない固有結界なんで持っているはずもなく。もし、イベント発生時発見されず見届けるのは構わないけど会うことになればこの上なく気まずい。


次に、フォンの尾行だ。こっちも微妙でしかない。なんとかフォンの高確率出現ポイントと時間を悪友との会話を思い出し判明することが出来、早速行ってみたけど。毎日張り付いて、会ったのはたったの2回程度。少なくとも半径10メートル以上離れているところからさりげなく覗く感じで、元々ジェネルの目は元の世界で近視になっている自分と違いとても冴えている。フォンに関してはそれはもうレーダーなみの実力を発揮している。だから、離れていてもはっきりとフォンを捉えることが出来る。ずっと二次元で見ていた人物が三次元になるのはとても不思議な気分だった。アイスグリーン色の長髪にライラックを思い浮かぶ瞳が寂しげに俯き、すらっとした長身。現実離れした美貌だ、そして脆そう。

だが全くときめかない、悪友と鉛筆画の展示で見た作品の方がよほどときめいた。自分でもわかる目が死んだ魚のようになっていることを。だが体は脳と反発し呼吸が乱れる、1回目に比べれば大分ましではあった。代わりに新たな記憶も触発することは無かった。キッカケが足りないのかもしれない。


最後に令嬢観察だ。一緒に住んでいる分、比較的に簡単に進めれた...

と思うかもしれないか。基本全員部屋にいない時間の方がいる方より長い、行動が謎に包まれている。このまま他人として過ごすには今後起こりうる先決された未来を知っている私には無理だ。だから、私の持っているコミュニケーション能力をすべて駆使して話しかけた、無茶苦茶緊張した。だって、今までこんなに美人がたくさん周りにいないのよ。男子だけがかわいいきれいな子に話しかけれないじゃないんだよ。ちくしょ!

悪友の評価はゲーム内で表現された行動からではなく彼女達自身の立場から行動元を分析している。まさに、乙女ゲーム中毒者であるからこそ辿り着ける境地だと感心する。しかし、ゲームとして彼女達はあくまでもヒロインと攻略対象の推進剤としての役割しかないため、人間像を完成するには素材が足りなさすぎる。

もちろん、私も別に彼女達のことをこの短い時間で全部把握しているわけではない。けど、ゲームとの違いは一目瞭然だ。生きている人間であることをひしひしと感じさせた。例えば、シャルルは高圧的な態度は接しづらい、けど他人への批判と要求は自身が完璧にこなしている前提から来ている。そのために、普通枠への軽視が全く減らない、本当に王族と貴族の鑑である。


(ゲームでは純粋に普通枠を毛嫌いしているとしか描写してなかったと悪友は言ってた。納得するだげの理由はやはりきちんと持っているのよね。認めることはできないけど)

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