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食堂と親切な先輩

と感じた自分がバカでした。


「ここどこ、迷った」


やはり、方向音痴はそんなにすぐ直るものではないなあ。地図読めないからといって放棄するのは愚策だった。そう思いながら学生証を取り出し、テレポート機能使えないけど、地図は開けれるので現在地を確認することくらいは出来る。


(流石にガイド機能を求めるのはちょっと高望みすぎなのかなあ、にしても学園にある技術は本当に乙女ゲームをそのまま現実にした感じがする。)


単純にここをゲームの世界として見てはいけないってずっと頭の片隅に置いているが、テレポート機能やポイント制が自分にここがゲームの世界だと改めて自覚させているようにしか感じ取れない。たとえ、集めた情報で既に限られた自分が持っているゲーム知識より余裕で上回っている部分があるとしても。確実に《Save Me》の構造、設定そして機能を投影している部分が多い、この学園がその最もたる証拠だ。


もういろいろ考えてたらお腹すいた、そういえば朝から何も口にしてないのよね。


地図とにらめっこして四苦八苦しながらやっと一時間後に最初の目的地にたどり着いた。主校舎はまるで18世紀のヨーロッパ宮殿を連想させるような外観で、中に入るとロビーに関しては外観と同じく豪華絢爛、まるで観光客になった気分だ。けど、食堂に向かう道中他の場所は意外に質素な造りをしていた、高価な装飾品は見当たらず天井や壁には絵が画れてるわけではなくドアから覗く教室のつくりも元の世界とそんなに大差はない。一気に親近感が湧いてきた。


そして、三階にある食堂はさっきまでの苦労は何なんだで言うようにすぐ見つかった。壁に食堂のプレートがご丁寧に表示されていた。


(でもこんな教室1個分の部屋でこれだげの生徒がいて席足りるの?確かに食堂の量は多いけど、やはり校舎内のは便利で利用者数も多いはず)


疑問を持ちながら、扉を開く。そこには広々とした別空間が広がっていた、見たところ三階建てで、一階の机はすべてアリストンを使用し、遠くにはバイキング形式で様々な料理が並べられていた。お昼時間ではない為がまた人は少ない。上の階はどうなっているがも気になり、階段まで近づくその時、後ろから呼び止められた。


「これ以上は登れないよ、特別枠の新入生さん」

「えっと、どちら様ですか?」


後ろを振り返ると、ニコニコ笑っている男子生徒がいた、ライトブラウンの短髪で身長は175cm前後。なんか見覚えがある顔だよね、私に印象あるということはゲーム関連のキャラクタに間違いない。問題はどの役割を持っているのが全く思い出せない。


「僕はフォームで二年生だ、以後お見知りおきを」

「私はジェネルです、こちらこそ」

「ここで立ち話するのは他の生徒の邪魔になるから、よかったら一緒にお昼はどう?」

「そうですね、お腹が空いてたところです」


フォーム先輩の後ろについて、バイキングの所に向かう。


「ポイント使ったことある?」

「まだありません、これから使ってみるつもりです」

「じゃあ、僕が教えるよ。新入生へのサービスだ」

「ありがとうございます」

「そんなに複雑な物ではないから、すぐ慣れるよ。ほらあそこにあるレジで料理にかかるポイント計算した後、学生証をレジ台にある黒い長方形にスキャンすれば支払い完了だ。足りない場合は赤く光るから」

「それはとても便利ですね」


(大学見学の時にある食堂とほぼそっくりシステムじゃない)


料理は各国特有な料理を取り添え、綺麗に陳列されていた。気が付いたらいつもより多めに取り、合計で12ポイントも使ってしまった。それから、フォーム先輩と向かい合わせに座り、これでやっとご飯が食べられる。料理を口に運び、ゆっくりと味わう。出来立てには及ばないが、十分に美味である。


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