校則
シャワ浴びで一息つくと、テーブルの上にある本の表紙を見る。でかでかと“ディスフィデス学園校則——第158版”で書かれていた。
(このコンクリートのような書物が校則なのが、凶器でしかない。しかも、改版数多すぎない。学園内に問題ありすぎるでしょう)
校則を開く、最初のページに書かれている内容から今後の学園生活を更に心配してきた。
【前書
学園にいる皆様へ
この本の内容は歴代の校長により学園の変化に合わせ自ら定められた校則である。
第一から第十条の校則は絶対遵守。
第100条までは推薦遵守。
その後は潤滑な学園生活送る為ご参考に閲覧してください。
第158代校長 アンタイ より 】
(校長代替わりするたびに校則も更新されるのか、それでこんな分厚い本になったわけね。まあ、最初の十ヶ条さえ守れば学園にいられるから、あとは必要な部分から先に見よう。)
目録を飛ばし、十ヶ条ページを確認する。
【校則第一条から第十条(絶対遵守)
第一条 姓に誇りを持ち、心に刻め。口では名のみ紹介せよ
第二条 他国の文化を理解せずとも、基本尊重せよ
第三条 学園支給の個人証明カードは完全に粉砕されない限り、再発行はない
第四条 学園内の全てポイント制を採用している
第五条 偽装者と侵入者を発見した場合、速やかに騒ぎを起こせ
第六条 生徒は特殊の理由で許可を得ない限り外出禁止
第七条 校舎付近での異能戦闘は許可ない限り使用禁止
第八条 学園内に関する技術は許可する分以外流出伝達禁止
第九条 寮の外見改造を禁止
第十条 異能は生まれ持つ祝福であることを忘れず
#以上の校則は学園全員に適用します
詳細説明は別ページにで記載しています、疑問ある際そちらをご参考に】
(補足の学園全員ということは学生のみならず、先生から学園関係者であれば誰もが守らなけれならないということだね。他にも、いろいろ気になる部分あるけど、一体どうやって技術漏出を防いでるのだ?制約がそれともまた呪い)
そこまで考えてから、知らないジェネルの記憶が再び脳に浮かぶ。ジェネルの斜め左に自分が立っている視覚で、場所は屋敷の会議室。書類が二枚テーブルに置かれている。一つは個人証明カード申請書、もう一つは黙秘書。既にジェネルはそれぞれの書類にサインをしているところだ、問題は詳しい内容を確かめることが出来ない。近づき見たくでも文字がぼやけている、サイン終えた瞬間回想は終了する。
前も記憶が曖昧でぼやける場面はあった、でも支障が出なかったから気にせずにいた。今回は違う、違反した後どんな罰を与えられるかを知りたい。私個人として違反する気はさらさらない、だがもし不可抗力の場合に落ち、どんな結果待っているのがを的確に把握したい。
(困ったなあ、記憶を見直すことはできないし。もし校則に載っていればめっちゃ助かる)
記憶回想を何度も経験したおかげが、最初みたいに意識無くすことがほぼなくなっていた。少し休憩し、校則内で第八条に関連する説明を一字一句見ていく。ありがたいことに付録で黙秘書のサンプルを見つけた。与えられる罰は記憶喪失、個人証明カードを持たない人に予め設置されていたキーワードを喋ったり文字にした瞬間もしくは学園外で関連技術が登録なしで使用した場合、学園にいた時の記憶は全て抹消される。
(学園関連のみの記憶喪失なら許容範囲内だね)




