寮に入居
マークを二回タップした瞬間、マップが矢印に変わり道を案内してくれた。方向音痴の自分にとってありがたい。歩いてる際、さっきまで見る気力もない景色は自然に目に飛び込む。一番目立つの遠くからでも見える大きな鐘だ。まるで新品のように金色に輝き存在感を主張している、ゲーム内で最終告白する場所の一つで、確かそこが主校舎だったはず。にしても自然豊かな学園だね、歩いてきて植物しか見当たらない。
マップの情報によると、最大入居者数は5人で、清掃は寮担当する管理人がしてくれるらしい。そして辿り着いた寮の外見はどっちかっていうと別荘であり、三階建てで外壁は乳白色に統一され屋根はオレンジ色。最近無意識にオレンジ系統の物に目を引かれがちである、ジェネルの外見に影響されていることは否定できない。
扉をノックする、すぐに開き女性が一人現れた。茶髪のセミロングに片眼鏡をかけていで、笑い目で年齢はおよそ25歳前後。服装に関してはシンプルなネイビーのロングドレスを纏い、右腕に白紫のスカーフをおしゃれに結んでいる。
「新しく入居する学生さんですね、自分はこの区域の寮管理者と清掃員を担当しているセリミュです、よろしくお願いいたします。」
「初めまして、私は新入生のジェネルです。こちらこそよろしくお願いいたします、セリミュさん」
「ジェネルさんですね、では先に部屋を案内します、ついてきてください」
「はい」
寮のインテリアは外見のシンプルさとは裏腹、とても豪華に内装されていた。天井には明かりをつけずともキラキラ輝くシャンテリア、広々としたリビングそれから高級革ソファー。ジェネルの家で耐性をつけていなければ、もう田舎者が上京した感じで好奇心と落ち着きのなさを露わにしすぐ疑われるでしょう。そして、二階に上がり部屋が3つあって、そのまま一番奥の部屋まで向かう。
「こちらがジェネルさんが住む部屋となります、上の二つ部屋とこの階での他の部屋はすべて今後新入生が入居する予定になっています、明後日から同居人とお会いすることが出来ると思います」
「そうですか、案内ありがとうございます」
「では、ご自分の学生証をドアノブにかざしてください。正門と自動的に連結しています。今後はカードのみで寮の出入りすることができます。」
言われた通り学生証をドアノブにかざす、機械質の声が響く。
「入居者 ジェネル 認可」
「問題なく登録できたようですね。入学テストでお疲れでしょう、私はここら辺で失礼いたします。もし、何が問題がおありのようでしたら、部屋に置いてある私の連絡先もしくは校則本では寮関連のルールも書かれてますので、そちらをご参考にしてください」
「分かりました、ありがとうございます」
中に入ると、部屋自体はジェネルの部屋と比べれば狭い、でも正直逆にこれが落ち着く。軽く見回ると、一人暮らしにとって十分すぎるスペース、生活設備はキッチンを除き全部備えている。ベランダもあって、風景を一望することが出来る。これこそまさに実家にいるとき思い描いた理想な一人部屋だ。いや、それ以上だ。




