プロローグ 後編
「うわっ!なんだこれ!?」
いきなり金縛りに遭ったかのように体が動かなくなると、足下にアニメなどでよく見る魔方陣らしきものが浮かび上がっていた。
「っ!(どうなってんだ?動けない!)」
慎吾達も座ったまま、動けないでいると魔方陣から光が出てきて全身を覆うように光り輝いた。
「(ま、まぶしい。何も見えないっ…!)」
そのまま慎吾の意識は闇の中に落ちていった。
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「うっ…!」
意識が戻ると慎吾は真っ白な天井を眺めていた。所々に細かい金色の細工がしてあり、いかにも高そうな造りの天井だ。
周りを見渡すと同じようにうめいている者や、まだ意識を失っているものなどがいるが、見た感じC組のクラスメイト達は全員この場にそろっているようだ。
「ここは…?」
龍介が起きたようだ。
「分からないわ… まだ、みんな今起きたばかりだから、誰も状況把握できてないみたいね」
C組の学級委員長の佐倉 美咲さんだ。彼女は生まれてこの方慌てたことがないと言われ、いつも冷静沈着に物事を把握している。
だんだんと皆目が覚めてきたようだ。最後まで気を失っていた、小柄な西尾君が目を覚ますと同時に頭の中に声が響いてきた。
「はじめまして。異世界の皆様。突然このような場所にお連れして大変申し訳ないのですが、どうかお聞きください。もともと魔物と人族、魔人族には同じくらいの能力を授けていたはずなのですが、最近その均衡が崩れかかっているのです。そこで異世界から呼んだ皆様方にこの世界の均衡を取り戻していただきたいのです。」
声の主は一方的に言いたいことを言うと、こちらが質問するまもなく静かになった。
日頃から異世界系のゲームをしてる慎吾はこのようなシチュエーションの場合もあったので、すぐに状況を把握することができた。
おそらく、これは異世界へ召喚もののテンプレだ!
ここまで考えたところで慎吾は再び光に飲み込まれることになった。