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配信の視聴者数とかで召還する精霊やら獣で世界を守るラノベっぽいの

 


 季節が移り変わるのは、暫しの間において早いモノだ、木の葉が落ちる新緑の季節にて、

 俺は妹と邂逅していた。


「お兄ちゃん、ワタシは数日間、家の中で引きこもります」


 そう言って、某鶴の恩返しように、絶対に覗けない感じで、自室に引きこもっていた妹との久しぶりの邂逅だった。


「あ、やば、手が震えるぜ」


 なにせ最愛にして至高に無双な妹様と、ひさしぶりに会えるのだ、シスコンすぎる病気持ちの俺には、嬉し恥ずかしい心境を分かってほしい。


「おーい、佳代ー、元気かー?」


 言われたとおりの定刻、お菓子とクッキーを持って、妹の部屋をゆっくり開くと、パソコンデスクに腰かける、メガネを掛けた妹の姿。


「それで? 今回はどうった?」


「好調だよ、ゲンチョウカヤは正常軌道、無双神楽を撃退、次の予測邂逅までの猶予を作れたよ」


 なんの会話かは、秘密にしておこう、妹は陰ながら世界を守る世界系の登場人物のような聖人、いや聖女様なのだから。


「で、なぜに? お前が此処にいる?」


 そうだ、みない振りをしていたのだが、居た。


「えみりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」


「やあ、エミリ様、だぜ?」


 ドヤ顔で、妹の部屋でスナック菓子を食べながら、ベッドでパソコンをしているらしい、くつろいだエミリに問うた、問いに説いたい!


「おいおい、どうして俺が妹に会う前に、お前が先に会ってるのかな?」


「どうでもいいじゃん? ケチイツキ、

 ていうかさあ、人気ライトノベル作家で、人気動画配信者で、人気ユーチューバー的なワタシって、もう芸能人みたいなモンなのよ?

 ワタシとまともに関わりたいなら、一時間で六万くらい詰んでくれないとねえ、もう樹とワタシは生きる世界が違うんだから、ねんねん、よろよろ」


「テメエ、金よこせってかあ!」


 笑いながら、最近いろいろと景気と運が良いエミリは、鼻高々、

 世話焼き幼馴染のキャラクター付けも忘れて、シャルロットのように「おっほっほ」って高笑いしている。


「あはっは、お兄ちゃん、エミリさん、さっそくで悪いけど、コラボ配信してくれないかな?」


 さて、場面は変わって、某配信サイトの俺のコミュニティーだ。


「おお、なるほど、なるほど、敵はシャルロットか、てかアイツも配信始めてたのか?」


「うん、お兄ちゃんがいろいろしてる間に、始めてたみたい」


 さて、なぜにイキナリ配信をしているかというと?

 どういうシステムか知らないが、無双神楽を撃退するゲンチョウカヤ、配信に来てくれる視聴者数が関係しているのだ。

 某元気な玉のようなシステムで、沢山の人の意識が一点に集まるのが重要らしいが、概要は不明、神秘のベールに包まれているのだ。


「おい佳代、この視聴者達の「八月はフルパワーは嘘だったのか?」ってのは、なんだ?」


「ええと、実は視聴者を集める為の嘘で、八月は本気で配信するって言ってあったの、

 でもほら、ゲンチョウカヤの無双神楽の対処で、配信する実際時間は少なかったの、それでも一日平均して四時間はしてたんだけどね」


「コイツら、ゴミじゃね?」


 言いながら、俺も視聴者を集める。

 ちなみに、佳代のコミュ人数が六十万人で、俺が三万人、エミリが六万人だ、佳代強過ぎ問題である。


「だが、コミュ人数ほど、リアルタイム視聴者数が違わないのが、面白い所だよなあ」


 そうなのだが、動画も沢山あげて、非アクティブな動画主体で配信はみない視聴者も集めている佳代は、視聴者は二万人ほど。

 俺は動画は余り上げなくて配信メインなので、三万のコミュ人数で五千人も集めている。

 そしてエミリは動画もガンガンあげて、配信もやっているが、他の動画サイトでもやって、視聴者が分散しているのが八千人ほどだった。


「で、佳代? このイルミナードってゲームを、俺はすればいいのか?」


「うん、これが最近、すごい人気で、人を集めるには一番見たい、なの」


 そういえばエミリは家に帰った、

 まあお隣さんだが、配信機材が、本格的にゲーム配信するなら家のモノを使いたいとか、音質が超重要とか言っていたな、バイノーラルなんたらの。


「まあお兄ちゃん、このイルミナードは色々な、自由度が比類なく高いゲームなんだけど、配信だと、検問ってのが人気なの」


「ああ、検問か、某インターネットチャンピオン、改めヒーローの配信を見ていたから、それは分かるぜ」


 そいつの名は、秋野九流、俺の親父である。

 コミュ人数一千万人、外宇宙に存在が仮想されている、スマイル電波から、「配信いつも見てるよ」的な電波を受けて、某国の宇宙局を震撼させたりする。

 妹の佳代が、ゲンチョウカヤで世界を守っているなら、親父はさらに上位の構造体で、全宇宙を守っている、まあその事は語るまい、次の機会とす!


「具体的に言うと、エリア規制で逃げてきたプレイヤーを、橋の隅っこで待ち伏せして、橋の上で狙い撃ちにする、そういう戦法を検問って言うの」


「なるほどなー、確かに、橋とかの狭い道で、逃げ場の限られた、視界の開けた場所で蜂の巣にされれば、相当に有利だわな」


 ゲーム内で、ゴテゴテした武装で、ライフル装備の佳代と出会う。


「さて、お兄ちゃん行くよ!」「おおよ!」


 そんな感じで、久々に妹と遊んでいたのだった。

 だが、そんな平穏を打ち砕くのが、黄金の魔女である。


「あうっ、やられちゃったよぉー」


「また奴らか、クソが!」


 検問プレイが被るのは、実は希少だ。

 ぶっちゃけると、検問プレイはロマン追求型で、もっと他に上手いプレイの仕方があるのだ。

 しかも開幕から検問して、エリア規制する前からやっていたので、お前ら必死すぎだろ的な視線を浴びるのであれば、被るのはほぼありえないのだが。


「シャルロットのチームも、初めから検問しかする気がないかのようなプレイだな」


「うん、この人たちも、検問に狂う検問厨、つまり、私たちのライバルだよ!」


 そんな場所に、一筋の矢のような銃弾が舞い降りた。


「あ! コイツは!   誰だ?」


 遥か彼方から、銃弾が飛んでくるのだ、そんなトキと同時にスカイプが成った。


「やあやあ、エミリちゃんだよー、樹に佳代君ーげんきっしってるぅううう?」


 配信してる感がありありと分かる、クソゴミ屑のようなテンションで、うざいエミリがそう言っていた。


「てか、そういう事は、この攻撃は、エミリ! 貴様か!」


 まあ俺も人の事を言えない、視聴者を意識した語り口調なわけだが、ご愛嬌だ。


「というより、エミリさん、その武器、超長距離スナイパーライフル、いえ、固定設置型の新型銃、ですね?」


「さっすが、佳代ちゃんは物知りだね」


 俺は会話を聞きつつ、エミリの配信ページを開く、するとそこは祭り状態だ。

「ルクレティアーマークⅢ最強伝説!」とか「五十回命中でドラゴンルクレティア」とか、頭悪そうなコメントが雨あられと流れている。


「てーかエミリ! そんなクソ超絶ロマン武装で! だから今まで出会わなかったのか!」


 俺が攻略ページで、そのルクレティア系列の武器の事を調べて分かった事だが、

 この武器はぶっちゃけ、マップの端からマップの端まで届く、

 しかし、設置できる場所がまずは限られる、さらに倍率スコープが大き過ぎて、まず遠方じゃないと指向性が悪い、

 その他にも欠点だらけの、超遠距離専用の最強無双武器なのだった。


「あっはっは、ロマン武器がロマンを捉えて炸裂するのが! 一番配信向けだよ! 検問マンの君たちと、同じで、ね!」


 またもエミリの、射程距離的に20キロは軽くオーバーする、地平線の彼方からの銃弾の矢が炸裂する。


「そうか! 視界の開けた橋で検問する俺達と、障害物があると駄目なルクレティアの射手は、相性がそもそも良いのか!」


「うっふふ、それも考慮して、エミリちゃんを誘っていたのでしたよ、お兄ちゃん♪」


 妹が可愛くネタばらしする、ああ可愛いな! よおおおおおおおし! お兄ちゃんも頑張っちゃわないとなああ!


「まあ、そんな神回があり、それでも勝てないシャルロットの神配信よ」


 二時間の枠で、向こうの視聴者が二十万、こっちが、三人合わせて十八万だったのだ。


「魅力値全振りのような、姫プレイが受け受けだったみたいだよ、シャルロットに調教されたい萌え豚が多すぎたのが敗因よ、アイツに挑むには早過ぎたね」


 こっちに帰ってきたエミリも、なんだか落ち込んでいた。


「まあ、いっか! 楽しかったしな!」


「うん! これは訓練だよ! ライバルが居るとモチベーションが上がるって、シャルちゃんの言うとおりだったもん!」


「そうか、俺は佳代の全配信、動画として挙げられている六年前からの、総計3004時間全部見ているが、

 流石にマンネリ、ライバルが居なくて刺激が無いって言われて、俺も妹の好敵手に成る為に、今までやってきたって面もあるんだが、

 やっと見つかったか、ライバルって奴が」


「うん、正直な話、シャルちゃんは、、、恋のライバルでもあるし、張り合いがあるよ、、」


 妹の声が小さ過ぎたので、俺のマナ妹用に開発された聴力でも捉えられなかったのだが、最後の方は、果たして何を言っていたのだろうか?

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