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無口な少年の描いたセカイ  作者: 遥野 凪
プロローグ
7/26

未知との遭遇、扉は開かれ

大変遅くなりました……

少しボリューム薄めですが楽しんでください

見知らぬ土地で見知らぬ人に会ったとき、どう対応するのが最高の答えなのか。

高校までに何度も何度も転校を繰り返したが、それでも答えは見えてこなかったし、見つからなかった。分かった事は、キャラを殺せばなんとかなる。という捨て身の解答だけ。しかし、そんなことをしていて、果たして自分の中にキャラは残り続けるのだろうか……。


*****

あれから駆け続け、流れてく窓から見える空模様は、相変わらず暗いが、そんな事は気にしない。静かな廊下で、響く足音。そして、空気中を震わせる息遣い。2つの音の中でたった1人走り続けていたのがつい数分前。

……永遠に上の蛍光灯だけが灯された奥に、微かに映える扉が見えてきて、ペースを落としつつ、ゆっくりと肩で息をする。

そのまま、その場で再び足を止め、俯きながら、息を整えた。

(やっぱり、運動不足かな……)

呼吸が大分落ち着いて、顔を上げると、眼前に足元の色よりも、色を取ったような純白の扉があった。少し上には【白虎棟】と書かれていた。

(ここが言ってた場所かな)

入学してまだ1ヶ月も経ってないし、ガイダンスの際に一度しか聞いていないが、校内図は完璧に覚えていた。正確には、白虎棟しか覚えていなかったのだが。……それに、教室を出て殆ど一本道なので、渡り廊下で曲がらない限りは着く。

だから、着いたことを誇るのも自慢げに思うのも馬鹿の考えかも知れない。だけど、白虎棟の存在には形容し難い気持ちが溢れた。

白虎棟……名前では想像がつかないが、よく言う図書室だ。ただ、1つの棟を丸ごと図書室にしてる感じなので、図書室というよりは図書館に近いけど。とりあえず、この学校で図書館があって、凄く嬉しかった。恐らく、高確率で学校に図書室はあるだろうけど……多分、この学校で最後の感動になると思うが。

(にしても、開いてるのか?ここ……)

ここで告白する。学生生活も義務教育から数えれば10年目になるけれど、学校という建物はあまり好きじゃない。まぁ、学校が好きな人とか愛してる人の方が、恐らく少ないかもしれないが。

単純に学校自体が好きじゃないとかもあるけれど、最重要理由として、いい思い出がない。

はっきり言うが、学校に行く理由が全く判らない。さっぱりだ。

じゃあ、高校進学するなよと意見が飛ばされそうである。しかし、あくまで学校は好きじゃない。1mmとして学校なんて好きじゃない。

人多い、他人と一緒。そして、何より面倒臭い。……色々と怒られそうだけど本音なんだからしょうがない。どちらかと言えば学校は嫌い。人付き合いしなきゃいけないし、同じ服を着なければいけない。そして、やはり面倒臭い。……結局はそれ。

なら、どうして通信制とかを選ばなかったのか。と聞くと思う。その理由は、とても単純で馬鹿げている。ただ、その理由と図書室には因果関係みたいなものがある……。

(とりあえず、開いてるのか……?)

白い扉に備え付けられたすりガラスからは、中の様子はイマイチ分からない。雨も降りそうだし、何よりまだ白虎棟のガイダンスで、説明されてない。ここまで来たけど、正直開いてない気がする。

(まぁ、開いてなかったらその時はその時でいいか)

そんな気持ちで扉に手をかけて手前に引いた。



「……黒縁眼鏡キター!!!!!!!!!」

その言葉のせいで、向かっていた経緯が頭の中で流れ込む。

たった1人、この目の前にいる人は間違いなく問題人間と悟った。開けるがいなや、いきなり黒縁眼鏡と叫ばれたのだ。間違いなく普通の、一般人ではない。

「………………」

勿論、返事はしない。いや、出来ないに等しい。はっきり言って、厄介な人と遭遇してしまった気分に浸されている。どうしようもない、貧乏くじ中のハズレくじを引いた。当の本人はと言えばとてもきょとんとした顔で、なぜ返事をくれないの?みたいな顔で見てくる。しかし……。

(……どう返せば満点なのか分かりません)

状況はと言えば、ドアノブを右手で握ったまま仁王立ちする男子生徒と、鞄を持っている大人しそうな女子生徒が、視線を限りなく合いそうで、漸近線の如く交わらないようなばったり遭遇。相手が動かないから下手に動けない。けど、相手は相手で恐らく次のアクションを待ってるように思えた。

しかし、均衡はいつか破れるもので、先程のきょとん顔をふんわりとした笑顔に変える。その場の空気も一触即発みたいな感じから、ほんわりとした感じに変わる。表情で空気変えるなんて……というか、表情って、こんな豊かになるものなのか。

「もしかして、利用客だったりする?」

相手は当たり障りもせず、穏やかに声をかけてくれる。耳にざらつかず、大人っぽいクリアボイスを口にする。厄介な人というよりかか、まともな人なんだろうと思う。ただ……。

(……さっきの発言は何だったんだ)

ただ、黒縁眼鏡発言は尾を引くようにしつこく残る。そりゃあ残りますよ。扉開けたらいきなり黒縁眼鏡キター!!!!!!!!って……1人内心で、悶々としていた。目の前の人はといえば、返事が返ってこない事を気にしないようにこちらを見ている。

(まず…………誰だよ、この人は)

顔を見て、多くの言葉が駆け巡った。……何故か?

目の前の人は多分、美人カテゴリーに入るんだろうと思う。いや、その人は恐ろしい程に端麗だった。そう、綺麗とか端麗とかじゃ足りない、それ以上のもの……それを言葉として伝えられないのだ。

立っているだけなのに恐ろしい程の存在感。日本人らしい艶やかな黒髪は背中の半ば辺りまであり、不釣り合いに映る銀縁丸眼鏡さえも、その人が身につければ、たちまちお洒落グッズに変貌を遂げていた。

その奥で見えない光を見つめるような少し薄めの、でも灰色ではない黒い瞳。くっきりと描かれた瞼。繊細に整え、強く凛とする眉。筋が通り、計算されたかのような高さの鼻。ほんのりと色づいた桃色づく頬。微かに開けたままの薄桜色の唇。

そして、その全てに花を持たせるが如く、透き通るような白い肌。綿雪みたいに白い肌。日本には熟語が山より多くあるが、この人をどう表せばいいのか。いや……その言葉を知らないだけかもしれないが、美人という言葉で片付けられないような人なのだ。睡蓮のように、百合のように……端的に的を射止めた言い方をするとしたら、掃き溜めに鶴なんて言葉だろうか。

その人は、まさにその鶴のように……そこにいるのだ。

外見だけで圧倒的な気迫がある彼女は、見たところ、同級生という感じはしなかった。さっきの発言……黒縁眼鏡ではない……からもどこか人との接し方が慣れているというか、肝に座っている。決して、冷静沈着とか、落ち着いているという感じではないが、どこか新入生とはかけ離れている。……制服も随分、慣れた感じで着こなしている。

「……やっぱかっこいいぞ。タイプどストライクとかこれは神様の悪戯!?」

……きっとこの変な発言がよくないんだろうと思う。ボソリと聞こえてくるその呟きは、意図してないように見えるので、本当は言うつもりはなく、心の声がいつの間にか出ているみたいな……というものだろうか。

そして、思えばこの人しか話していない……そろそろ何か言葉を出した方がいいかもしれない。

「……誰ですか」

ただ、コミュニケーション能力も対人スキルも壊滅的なので出た言葉は初対面に向かって、ぶっきらぼうな一言のみ。

(これは、嫌われるのも友達出来ないのも当たり前だな……)

心の中で深く反省。もう少し、まともに会話をした方がいいと分かってる。が、頭で分かっているのと出来ているは別問題。

……だと思いたい。

「それは、私への質問でいいのかな?」

ただ、この人は声を変えずに聞き返してきた。きっと、人付き合いで苦労する事が殆どない人なのだ。静かに頷くと、なるほどね……とわざと小声で口にしていた。

「……さぁ、どうする私。シンプルにストレートで挑むか……それとも思いっきりスライダーで行くか……はたまた、虜にする為にツーシームで返すか……」

(………………。)

なんでそんな野球の球種で質問の返答を、考えるのかさっぱりだったが、とりあえずは会話できてるみたいだ。大人以外で話したなんていつぶりだろう。………………ほんの少し考えただけで心が寒くなった。

(……そういえば)

確か、この学校は学年ごとに何か装飾品みたいなのがあったんだ。……成績上位者や役員などに、1年生はピンバッジ、2年生からネクタイが渡される。少し2年生はダサいが生地はかなりいいらしい。そして、3年生には確か……。

「……やっぱりストレートよね、カンビレード・マース…」

3年生にはネクタイピンが渡される。そして、その人には白銀のネクタイピンを身につけていた。

(この人、すごい人……なのか?)

疑問符と共に、この人はとても真っ直ぐに目を見つめてきた。まるで引き込むように見つめ、そして時を止めるかのように宣言した。





「ようこそ、衣ヶ丘大学白虎棟……図書棟へ!!」

急いで書いたので凄くミスが目立ちます……

推敲もまともにしてませんし……


これから現実がかなり忙しくなるので更新がギリギリになるかもしれません……


最後に序章 完結してません……本当、すみません


今度こそは自己紹介してもらいますから許してください

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