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無口な少年の描いたセカイ  作者: 遥野 凪
プロローグ
4/26

鍍金刻印の天才

中々進みません…そして、結構 過去が多くなります…

話がついていけないかもしれないです

書いてて分からなくなりそうですから


「汐宮」

呼びやすい名字は入学前から多くの大人に呼ばれた。その度に気だるさやめんどくさいという感情を殺して優等生ぶる…そうしていれば大人は何も咎めない。大抵、呼ばれる時は面倒事なのは重々理解したハズだが、断らない。これ以上、「敵」を増やさないために。中学の時の戒めの一つである。

「なんですか…安野先生」

入学前に生徒が先生の名字を覚えているのは不審に思われているかもしれない。彼も自身の名前が呼ばれたことに驚いていた。

「どうして、名字を?」

「………。」

いつか覚えなければいけないのなら早く覚える。ただ、知りたいから知る…そんな思考を言わなくてもいいと思い、無口に徹する。これも戒めの一つである。彼もそこまで気に止めず話し出した。

「君の事は いくつか聞いたよ… なんでも中学から成績上位だったようだね。もちろん、ここでの入学試験でも優秀な成績を収めたようだ。」

成績優秀なだけでプレミアムのような刻印がつく。ただ、この一声を聞いた時から自分の中で何を言われるかは予測していた。

「君に、新入生代表をしてほしい」

やっぱりな…心の中でそう呟いた。



1週間があっという間に過ぎる。もう、クラスでは友好関係が築いていた。たった1週間で何があったんだと言いたいぐらい。ここまでくると、高校生になったって変わることって特にないんじゃないかなと思う。朝学校に行って、4時間授業受けて、昼休憩があって、また2、3時間授業受けて、夕方 家に帰る。中学校での生活の延長にしか感じない。変わったことといえば、科目数が増えたり、クラスメイトが電車通学や自転車通学がいる事ぐらいだ。1週間経ってもなお、授業の一部は内容説明とか自己紹介などでクラスメイト同士、周りの友達らしい人と喋っている。それを見て注意する先生もいれば、気にも止めない先生もいる。その様子を無心で眺めていればいつの間にか時間は過ぎるのだ。もちろん、お喋りな人達と自分とでは時間の感じ方は全く違うので、そこは不服だけど。そのうち、授業が始まれば少しは落ち着くだろう。大体、やる事全てをきちんとこなしていれば何も言われない。中には高校デビューと称して、脱陰キャとかしてる人もいるけどする気も起きない。なぜそんなことする必要があるのか理解できないし、自分はしない。そして、静かに3年間が過ぎればと思っている。今はなくても、3年もあれば嫌でも見つかるだろう…したいこと見つけて、それに見合う進路を決めればいいのだ。無理して友達を作らなくてもいい。それが自分で決めた最も効率的な考えである。既に、入学式前から壁を作った自分にとってはクラスや学年単位の行動ばかりが嵩む毎日で面白くなかったが、無口をつき通せば何も無い。過去の戒めを生かして高校では必要最低限に存在すればいいじゃないか。そう思っていた。


新入生限定の行事が結構減ってきた今日の午後は担任が気だるそうに黒板に書き始める。学級…文化…保健……

「じゃ、今から委員決めるから適当に手挙げろよー」

担任はとてつもなく面倒くさがりである。多分、料理も掃除もズボラなんだろうなと思ってる。当然、こんな適当だとブーイングは飛び交う。

「仕事内容ぐらい説明してくださいよー」

ガリ勉キャラみたいな奴が切り込み隊長の如く意見を言う。

「え、めんどくさい」

それは言っていいのかと思ってると、続々と喚き出す

「先生、それ仕事放棄!!」

「仕事分からなきゃ出来てないって…」

「マジ、そういうの無理だからちゃんとして」

「俺、委員したくないんだけど」

「いるよね、そういう奴」

口々に話している。のんきだな…と思いながら窓越しの空を眺める。

「あーもう、うるさいな、お前ら……ちょっとは静かにしろよー」

「先生、説明してくれますか?」

「え…めんどくさいってばー」

何も動きそうにないので鞄の中から小説を取り出して読み始めた。相変わらず、クラスメイトと先生はどんぐりの背比べ状態で、停滞前線である。


「はぁ…明日のHRで絶対 委員決めるから考えておけよー」

そう言えば、さっきまで委員決めの時間だったな…なんてぼんやり考えていた。いつの間にか二時間経っていたが、埋まっているのはほんの数個しかない。結局、先生が妥協したらしく黒板には委員ごとに活動時期などが書いている。

「……本当は今日までに決めるつもりだったんだが」

ぼそりと聞こえた声には明らかに苛立ちがこもっていた。まぁ、早く決めたらそれだけ楽だと思う。

「分かってるだろうけど、明日の俺の授業でちゃんと本文写し見るからしっかりやっとくことー 」

各地からブーイングの嵐が吹きすさぶ。いつもはけだるそうに済ます終礼が長かったから覚えている。

「文句言うなー じゃあ、起立ー 礼ー」

「「「さようなら!!!!!!!!」」」

帰る時の挨拶が一番大きいのはどうかと心の中で突っ込んだ。自分はいつもの通り、ショルダーバッグに荷物をまとめて教室を出る。

「汐宮」

担任から珍しく呼ばれた。丁度入口のところで立ち止まってしまったので他の人の邪魔になってしまった。慣れない口調で謝罪を並べて担任の元に向かう。多分、面倒くさい感じの呼び出しだろうなと思いつつも表情では無垢な感じを振る舞う。あくまで無表情で。

「なんですか?」

当たり障りのない言い方なのかは三者に回れないので分からない。担任はと言えば、来た自分を暫く放置させた。少し苛立ったが、よく見てみるとクラスメイトの帰りを待ち望んでいるようだった。全員が帰るのを確認できると、担任は言いにくそうに言ってきた。

「…お前は何を目指してるんだ?」


次は汐宮の回想螺旋になるかもしれないです。

因みに終点は決まってます…

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