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無口な少年の描いたセカイ  作者: 遥野 凪
プロローグ
3/26

微熱、消え失せし春の騒めき

この話はなかなかスローペース

彼はとてもマイペースです


…本文はこちら!

イヤホンの外では様々な音が行き交う。犬の吠える声、雀のさえずり、それから初老の会話とか。自宅からは学校まで近くはないので、最寄りの駅まで歩いていく。あと数分近くはこの調子で歩く。

自転車で行くことも可能だけど、敢えて歩くことを選んだ。ここ、爲賀(するが)市は都市化が進む中で置いていかれたような街で、山が近くにあり、田舎っぽい印象を持ちながら信号が無駄に多いのである。特に北本区は、小学校は駅の北口側にある咲洲(さきしま)小と南口側にある桧島(ひいじま)小。中学に至っては、山のふもとにある爲賀中しかない。一応、高校も爲賀高校があって、多くの場合は階段方式でそこに行く。わざわざ遠くを選ぶ場合はこんな辺鄙な街から出たいんだと思う。見上げれば空に届きそうなぐらい近く見える。因みに進学した高校自体、通学方法は特に指定はない。不安だったことの一つの通学方法だったが、多くの人は通学定期を発行していた。その証拠であるが、入学式前の登校日時に申請手続きでかなり時間がかかったことは記憶にも新しい。

「おはよう!」

後方からの挨拶。振り返れば着慣れない制服の子が楽しそうに笑ってる。再び前を向き、進み出した。


オハヨー ユッキ

めがさめればクマのモカがいつでもいてくれた。

「おはよう、モカ」

ほかのひとはあさがきらいだってよくいうけど、ぼくはすきだった。ゆめのなかみたいにぼんやりしたかんじがすきだった。だからぼくはむかしからすきだった。 そして、モカはいつもはなしてくれる。

キョウハ ガッコウ イク ?

そっか…きょうはにちようじゃないんだ…。とけいのはりは7のところにいる。

「ねぇ、モカはなんでがっこうこないの?」

モカ オルスバン ユッキノカワリ シテル

「じゃあ、きょうはぼくがする!だから、モカがいっていいよ!」

ソレハダメ モカハモカ ユッキハユッキ ダカラ

モカのほうがぜったいぼくよりもたのしいはず。モカはいつだってやさしいから。ぼくなんかよりがっこうにいくべきなのに。

「ゆうきー、朝ごはんできてるわよー」

「いまいくー」

………なんでいきてるんだろう。

ユッキ ヨンデル

そんなのいわれなくてもわかってる

「うん…」

あさごはんがさめたらおいしくないし、ちこくするかもしれない

ユッキ イクッテ イッタヨ

いったよ。いわなきゃおこられるから。けどさ、ぼくおもうんだ

「……ね、モカ 」

ぼくはがっこういっていいのかなって

ユッキ ハヤク イカナイトダメ

がっこうはすきだけど、みんなはぼくを。

「……ぼくさ、がっこういき―」

ユッキ?

……モカ

「………なんでもない。 たべてくる」

モカならわかってくれるっておもったのに…


七駅ぐらい挟んで学校の最寄り駅 丘ノ駅に着く。反対側はいつも混んでいる。もちろん、爲賀方面からの人はあまりいない。駅を降りれば住宅地が立ち並んでる。そこからまた数分歩くと着く。流石にここまで来れば衣ヶ丘大付属の制服が目に付く。中学が一緒とかで入学してまだ数日しか経ってないのに何人かの登校が目立つ。足早に歩き、目的地まで急いだ。


ロッカーで校内履きに履き替え、教室に向かう。1年生はクラスが9つに分かれているがその中で6組が自分だ。複雑な校舎作りなので一歩間違えれば大学の方に入りそうになる。少し迷ってしまったがなんとか、教室前に到着することが出来た。中の様子的にはもう既に到着しているクラスメイトがいるみたいだ。恐らく、1ヶ月経てばこんなことも無くなるのだろうが。静かに扉を横に動かし、教室に入る。ある人はちらりと見て、またある人は指差し、またある人は気にも止めない。これが高校なんだと改めて実感させられる。多分、多くの学校やクラスでは、主にいくつかのキャラに分かれる。それは教室に入ったその瞬間に分かる。もっと言えば多分、生まれた時にタイプとか決まってるんじゃないかって思う。

「おはよう!!」

まず、こうやって誰振り構わず挨拶して来る。指差してきた男子高校生はどうやら興味があるらしい。

「いやー同じクラスになったって運命やない? あー俺 智! 近藤智(こんどうさとる)!!」

良い意味で明るいキャラ、悪い意味で厚かましい。そして、馴れ馴れしい。

「………。」

迷わず無視。

「智、アイツに挨拶したって無駄だって…」

聞こえるように言ってくるのはちらりと見てきた女子高生。女子は何考えてるか分からないから余計怖い。恐らく、女子からすれば男子が何考えてるか理解できないのだろうけど。

「縁さん、それは違うやろ?」

名前同士で呼ぶ感じから幼馴染み辺りかもしれない。

「ああいうのはほっとけばいいのよ… 智、馬鹿だし。」

「うっさいわ!!」

元気だとつい客観的に思ってしまう。同じ歳のはずなのにそれ以外全部違うみたいな感じ。自分の席に座り、見向きもしない女子高生は隣だと気付く。 流石に隣の人ぐらい挨拶すべきかと思ったが、いつかは自己紹介することになるからしなくていいかと思い、しなかった。相手もそういうのに興味無いように見えた。去るもの追わず来るもの拒むの精神で生きてるのだから。

全然進まなくてすみません…

今回は祐希以外にも複数名登場しました。


さて、今後どうなるのか 作者の凪も予測不明です

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