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精霊星の物語 ~精霊島の物語~  作者: uki yoe
第一部 精霊島の物語
27/65

白銀龍の背に乗って

空の王者、白銀龍。

バビと俺は彼女の背に乗り、コルニアの空を舞う。

レスリーと一緒に空を飛ぶことはもう二度とない。

そう思うと、どうしても感傷的になる。

ぐんぐんと高度をつけ空高く舞い上がる白銀龍レスカリウス。

大きな翼に風を受け、空を舞う。

時速で100kmほども出ているだろうか。

そんな速度であっても俺の体に風圧は感じない。

こんな所にも身体能力の向上はものを言っているのか。


空から見下ろす、コルニアの美しいこと。

体で感じるコルニアの風と空気。

大地の匂いが大気に混ざる。

レスカリウスの背に胡坐をかいていると、なんだか日本の家の縁側で、気持ち良く日向ぼっこをしている気分になってくる。

いつまでもこの素晴らしい大地がここにあらんことをと切に願う俺であった。




悠然と空を舞うレスカリウスが俺に問う。


「ユーキよそなたは何故、自分の力で空を舞おうとは思わぬのだ?我に気を使う必要はないのだぞ」


レスリーよ何故、今それを俺に聞く。

気分よく風に吹かれているところだぞ。


「いやあレスリー、だって俺ジャンプしか出来ないだろう。俺だって本当は自由に空を飛びたいよ。ハハッ、別に気を使っている訳じゃないんだぜ」


不思議な沈黙。

どしたのレスリー。

不安になるよ。

どったのバビ?

何か言って。


「飛べるぞ?ユーキ」

「パパっ、空飛べるよ!空を飛ぶ事とジャンプをする事は違うと思うよ」

「!っんがんん!」


意表を突く答えが返ってきた。

なんですと?


「パパ、僕に力を分けてくれた時の事覚えている?」

「あ…ああ、俺の土石素がドカンと弾けた時の事だよな」

「うん。あの時パパは、僕とママに力を流してくれたよね。周りが全部常盤色に染まって、あの時のパパは凄かったよねぇ。世界が全部土属性になったみたいだった」

「バビ、ユーキは精霊王を呼ばれる存在なのだ、そのくらいの力があってもおかしくはないぞ。尤も、今は随分とその力も大人しくなっているようだがな」


えへ、なんだか照れるな。


「それでね。多分、あの時のパパ、浮いていたんじゃないかと思うんだ」

「……え?」

「そうだな、我もそう思うぞユーキ。あれだけの素体の放出だ。体が軽くならない訳がない。そなた、何かしら自覚がなかったか?」


何、その浮く自覚って。

素体って体が軽くなるのものなのか?


自覚って言っても、あの時…俺は……バビのいた世界樹に手をやって、世界樹の出す土石素に俺自身の土石素を合わせた訳で……。


「そういえばあの時、やたらと膝に力が入らなくて、世界樹に体を支えてもらっていた様な気がしていたな。もしかしてあの感覚、状況的には浮いていたって事なのか?」

「うん、そうだと思うよ。パパ、浮いていたんだよ」

「おかしいと思ったのだ。そなたが何故、風の力のみで空を飛ぼうとしているのか……そなたは素体で体を軽くすることを知らなんだのだな?」

「シラネ」


おーい、サフィ。

俺、飛べるらしいゾ。

あの練習は一体なんだったんだ?

俺の貴重な時間を返せー。


「サフィーは何で素体を使うと体が軽くなるって教えてくれなかったんだろう」


恨みがましく、ごちる俺。


「てっきり我は、そなたがどうしても風属性のみで宙を舞いたかったのだと思っておったぞ。あそこまで風の力に固執するのには何か訳があるのだろうとな、サフィもそう思ったのではないか?」


あん?そういえば風を使って空を飛べるかとサフィに聞いたのは俺だった。

そんでもって、空を飛ぶ練習をしてくれとサフィにお願いしたのも俺だった。

俺のせい?

あの時、何でサフィにお願いしたんだっけ?

そうか、俺は今の今まで空を飛ぶには風属性でなくてはならないっていう、頭でっかちの固定観念があったのだ。

急速に、思考の回路の焦点が定まって来る。


「パパ空、飛べるよー」

バビの声が俺の気持ちを押し上げる。

ジャンプと飛ぶは違う……。

素体を使って浮いていた俺……。


「つまり、空を飛ぶのに風属性、関係ないの?」

「そう言っているだろう。ユーキ」

「パパ、体浮かせるのは、僕たちが力を合成するのと一緒だよ。パパが息をしている事と一緒なんだよ。僕達が浮いているのを見て。ね。そうでしょ」


ねぇ見て、と風を受けながら一生懸命説明をしてくれるバビ。

小さくて、優しくて、一生懸命で、ジーンと来た。


フヨフヨ浮いているバビ。

このフヨフヨ、素体の色。

そっか。

パシッと額を叩いて合点する。

ラーンやテネアが風属性でもないのに浮いていた理由。

もっと深く考えておくべきだった。

素体って、軽くなるモノなんだ。

思いつかなかったなあ。

空を飛ぶのは風の力ってイメージだったものな。

そうだ…、ではレスリーはどうなの?レスリーが飛んでいるのは何の力なんだ?

翼だけ力ではこうは飛べまい。。

そういえば浮くときに助走とかしていなかったな。

翼を動かすより先に浮いているものな。

こりゃやっぱり素体の力だ。


「じゃあ、レスリーも時空間素の素体が持つ浮く力でもって浮いているっていう解釈でいいの?」

「浮く力、と言っていいのか?ユーキ、実際に軽くなるのだ。軽くなって浮くのだ。我が浮くのは時空間素の素体を我の体で増幅させているからに他ならない。空を飛ぶ時だけではないぞ、我はたいがいが我が身に時空間素を纏っている。そうでなければこんなにも軽々とは空を舞うことはかなわんだろうな。ドラゴン族の全てがそうだ。我らは素体を纏い、ほんの少しの力で空を舞っているのだ。因みにだが、そなたらを乗せているこの力はまた別だぞ。この力は空間魔法だ。我の背にそなたが乗る時は、そなたの足場となるよう空間魔法で空間を固定させておるのだ。我の背に乗っているそなたらは我の空間固定魔法で固定された足場の上におる。そなたらまでを素体の浮力で飛ばす事は難儀だからな」



――――――――――――――――――――――――――――――



次回サブタイトル予告です。

~親子の情景~

お楽しみに。

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