表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/41

とある少女の思い出 〜side-K〜

久々の紅葉サイドです。


また駄文です。

慣れないことはヤるもんじゃあねぇなぁ……

 



 ……あら、何ここ


 ………暗い、暗いよ…


  * * * * *


「んじゃあさ、お前うちに来いよ」

「は………?」


 あれ?これは……


「は?とか言うなよな……」

「え、いや、そうじゃなくて…」


 あの人との、大切な思い出。


「じゃなくて?」

「いいの……?」


 私は覚えている。

 あの人の名前を、顔を、声を、優しさと暖かさを。


「いいに決まってんだろ、ってか俺が来いっつってんの、拒否権なんかねぇ」


 口が悪いし、性格も悪い。………見た目はいいケド。


「あ、ありがと……」


 不器用なあの人の優しさって分かったのはまだ先の話だったな……


  * * * * *


 あ、あ、また真っ暗。


 どうして私からあの人を奪うの………


 もう、こんな世界なんか、潰れればいいのに。


  * * * * *


「炎熱様っ、今日はどちらへ?」

「あぁー、んー、適当だな」


 ……分かってる。これは思い出で、現実ではない。


「適当ってなんですかっ!?ちゃんと決めないとまた変なとこに行くことにっ!」

「大丈夫だって、俺が居るんだから」


 ……分かってる……分かってるけど…


「そ、そうですね。炎熱様は私を守る義務がありますからね!」

「好きでやってるだけだっての……」


 ……なんで、こんなに辛いの?


「私も好きですよ、炎熱様」

「いきなり何言ってんだよバーカ」


 ………あの人は、私を覚えていないのに。


  * * * * *


 なんで私だけがこんな辛い思いしなきゃいけないの……?


 あの人は楽しそうなのに……


 なんで、なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで………


  * * * * *


「おい!おいッッ!!」


 これは………いつ…?


「バカ!起きろよ!」


 私があの人との思い出で覚えてないことなんて無い。はずなのに……分からない。


「なんで!なんでだよ!」


 ……怒っているの………?


「お前は、お前は俺が守るって言っただろうが!」


 あぁ、怒られてるんだ。

 忘れたいから、忘れたのかも。


「……ごめん……ごめんな………」


 ………?

 わけがわからない。でも、あの人の表情は私が見たこともないような表情で、ひどい自責の念に囚われているように見えた。


「好きだよ……俺は、お前しかいらないから…」


 ……そんなの嘘。嘘に決まってる。


「だからさ……勝手に死ぬんじゃねぇよ…」


 は……?

 私は、私たちは死なない。いや、死ねない。


「置いて逝くんじゃねぇよ紅葉!」


 ……あはは…嬉しい。

 こんな時なのに、幻想なのに、こんなのはただの夢で、まやかしなのに。あの人に初めて名前で呼ばれた。


  * * * * *


「おーい、起きて起きて」


 誰……?

 あまり揺さぶらないでよ……


「紅葉さん、早く早く」

「ん、んん……ここは……」


 見慣れない景色に見慣れない顔。


「何言ってんの、本部でしょ、会議中でしょ」

「あぁ……なんだ、花蓮ちゃんか…」


 これが現実、か。


「なんだって何よなんだって!人が折角起こしてあげたのに!」

「いや、なんでもないよ。ただすごくいい夢見てたからさ」


 そう、夢。あんなのはただの夢なんだ。


「まぁいいけど、どんな夢?」


 興味津々に他人のテリトリーに踏み込むんだから……




「私の、この世界で一番大好きな人の夢」



でも、夢は夢でしかないってこと……

次話から物語は加速します(大嘘)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ