変身と吸い込みと
遅れましたが新年明けましておめでとうございます。
今年もこの作品共々がんばっていくのでよろしくお願いします。
そのまま翌日が経過した。悠斗の気絶がそのまま眠りにつながったからだ。
悠斗はジュースのおかげでやけに火照った身体を起こす。
周りを見渡すが特に人もなく窓からは朝日が差し込んでいる朝だ。
悠斗は居間の中央からおもむろに立ち上がるとドアからも差し込む光に近づいてみたがそこで異変があるのに気付いた。
「光の当たり方がおかしくないか。」
よく目を凝らすと少し分かる。光がドアの方向から出ているのではないということが。
つまりドアの周りから光がでているということだ。
悠斗は近づくにつれて次第にはっきりとその正体が分かった。
「なにこれ。」
かばんが光っている。まさにその通りである決して比喩ではない。
悠斗は恐る恐るかばんの中身をのぞきこみ中身をぶちまけた。
カンペは予想していたが予想外のものが出てきた刃渡り20センチ程度の小型ナイフが白い金属の柄ともに転がったからだ。
悠斗はまず注目したものを手にとった。ナイフだ。
悠斗はナイフの柄を取り外しながら見つめる。
―称号 鑑定―武器限定 を適合しました―
もはや慣れて親しみすら持てそうなくらい聞いたこの無機質な声を聞いた瞬間、脳裏に情報で埋め尽くされた。
=メトラ・カトラ=
武器種 ショートナイフ
概要 基本的なナイフとおなじ形状を模しているがスペックが極端に違う。内包された能力によって死角がないといえる。
綺麗な柄が特徴。
内包能力 『挙動直結』 :剣筋をそのまま動作に繋げる。
「……」
大量に示しだされる情報に驚く悠斗だが無言でその情報を目視する。
一通り頭に入ったと思うとその脳裏に浮かんだ情報が掻き消えた。ON、OFF機能がついているようだ。
改めてメトラ・カトラと記述されたこのナイフを眺めそのまま納める。
さてと一息を入れた悠斗は本題に移ることにした。
光り輝くカンペである。というか直視できない。
光の加減でなんとかポイントを把握し掴むその瞬間、「うあっづ!!」燃えた。何か知らんが燃えた。
思わず手から取り落とす悠斗。そしてあらかた燃え尽き灰が残ったかと思ったが違った。
「本…なのか?」
カンペがそのまま本になっていた。呆れるほど分厚い革表紙の辞書といってもおかしくはない。
そのまま本を取り読もうとする。すると
―称号 鑑定―書類限定 を適応しました。
再び起こる脳内に浮かぶ情報。どうやら同じようなのが複数あるようだ。
―醜悪な猪でも分かる簡単世界観から称号まで―
分類 解説書
作成者 不明
概要 この世界についてに事が収録されている本。網羅してないところは多分ない。
再び読み終わると(と言っても1分も掛からなかったが)消える情報。やはり鑑定―武器限定と大元は同じようだ。
悠斗は改めて本を表紙と裏表紙を見るが表紙に何か書いてあったが(不思議にタイトルだと読み取れた)作者らしきものは書かれてはいなかった。
このカンペ→分厚い本(丁寧に燃えるという演出付き)へのマジックとでもいうのだろうかこれは該当者は1人しか居ないがまあいい
「情報がこれしかないもんなあ。」
怪しさ満載だがこれしか情報しかないので仕方なく読み始める。
この本の1ページ目を捲る。すると
「うおおおおおおおおああああああああああ!」
悠斗は本に飲み込まれた。まさしくブラックホールが悠斗にだけ働いたかのごとく。
そして空っぽになったこの家(バーツの家でバーツが居たのだが)には持ち手がなくなった本が転がり落ちた。
話が長引きそうなので分割。次回は解説回になると思います。
新獲得称号
~~~限定―鑑定/~~~リミット・ジャッジ
設定された物質を鑑定することが出来る。
これは鑑定、つまりなにかをデータ化して見ることが出来ます。
データ化されたものはかなり簡略化されていますが信憑性はあります。
弱点はその分割されたデータしか取り扱えないと言うことです。
今年もよろしくお願いします。