二人きりの、庭園
サン・ジュスト公爵邸、
薔薇園。
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セレスティーヌは、ラファエルと、二人だけで、
ベンチに、座って、いた。
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「ラファエル様」
「うむ」
「お返事、申し上げます」
ラファエルは、しばらく、答えなかった。
それから、深く、頷いた。
「お聞きします」
セレスティーヌは、扇を、閉じた。
「私、貴方を、お選びすることが、できません」
ラファエルの、金の瞳が、わずかに、揺れた。
しかし、彼は、深く、頷いた。
「うむ」
「ラファエル様、貴方、私の、人生で、最も、敬愛する、男性の、お一人、です」
「うむ」
「貴方の、知識、貴方の、お人柄、貴方の、夢、すべて、私、お慕いしております」
「うむ」
「ですが、私の、心、ヴィクトール様の、もとへ、向いて、おります」
「……、ふっ」
ラファエルが、軽く、笑った。
「セレスティーヌ嬢、ご決断、感謝、いたします」
「ラファエル様……」
「お聞き、する前から、わかって、おりました」
「ラファエル様」
「貴方の、頬」
ラファエルが、軽く、自分の頬を、軽く、指で、撫でた。
「私の、お顔、見ても、紅潮、なさらない」
「……、ラファエル様、ごめんなさい」
「謝らないで、ください」
ラファエルが、軽く、微笑んだ。
「私、申し上げた、こと、お忘れに、なりませんように」
「うむ」
「私、貴方の、ビジネスパートナーで、生涯、お支え、致します」
「ラファエル様、本当に、それで、よろしいので」
「それで、よろしい、です」
ラファエルは、立ち上がった。
「私、貴方の、夢の、半分を、生涯、背負います。それが、私の、貴方への、愛、の、形、で、ござる」
セレスティーヌの、目から、涙が、
ぽろり、と、
こぼれた。
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「ラファエル様」
「うむ」
「ありがとう、ございます」
「いえ、こちらこそ」
ラファエルは、深く、礼を、して、
薔薇園を、
去って、いった。
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その、後ろ姿を、
セレスティーヌは、
長く、
見送って、
いた。
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——、ラファエル様、
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——、本物の、
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——、紳士、
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——、私、
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——、貴方を、
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——、生涯、
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——、敬愛します、
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