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銀色のプレート【PS4】

 ディレイ大剣の習得はそれほど難しいものではなかった。

 失敗しても技が出ないか、最速で技が出てしまうか、というだけなのでリスクはないに等しい。そのため実戦でも思い切って試すことができた。

 問題はこの技をどう活かすかだった。

 私は初め2Bを使った。2Bは鋭い下段技で、夏侯惇の主力牽制だ。

 ディレイ大剣でガードの上から相手を離したあと、相手が技を空振った場合、この2Bを置いておくと自動で差し返しになった。また大剣をガードした有利状況で走って間合いを詰めてくる相手にもこの2Bは刺さる。

『ディレイ大剣後2B』の連携は三すくみの『置き』と『差し返し』の二つの手を同時に出せるのだ。

 もちろん弱点もある。

 ジャンプ攻撃や下段無敵のついた6Bなどといった行動、あるいは様子見からこちらの2Bを差し返す。微歩き2Bなどと言った高等テクニックもある。

 だが試合の展開が早くなればなるほど、この2Bは刺さった。

 対処法を知らなければ、この連携を潜り抜けるのは不可能に思えた。

 これによる大きな副産物もあった。

 ディレイ大剣ガード後の、相手の牽制技の空振りを2Bで刈り取っていたら、少しだが差し返しのコツが掴めたのだ。

 それは大剣ガード後だけでなく、2Bを先端あたりでガードさせたときや、逆に自分が牽制技を先端付近でガードしたときなどにも起こった。

 私は双方の技の硬直時に、相手を見ることを覚え、様々な場面の空振りに対応できるようになったのだ。

 攻撃が届くか届かないかの見切りは、がむしゃらにやってきた経験から、自然と身についていた。

 そして、ディレイ大剣と差し返し、この二つの武器を手に入れた私の前に新たな試練が立ちふさがろうとしていた。

 家庭用『恋姫†演武』の発売である。


 2016年1月28日。

 待ちに待った家庭用『恋姫†演武』が発売された。

 これでゲーセンに行かなくてもトレーニングモードができる。

 私の喜びはまずそこだった。

 次いで目を反らしてはいけないのがランクマッチだった。

 二年前、私はランクマッチで自身を付けて、アーケードへ赴き、辛酸を舐めた。今度はアケで学んだものをランクマにぶつける番だ。

 私は戦った。

 最初のうちは興味本位で買った雑食ゲーマーとも当たるが、そのうちこのゲームを真剣にやりこんでいる者としか当たらなくなる。前回はその壁にも到達していなかった。

 だが今回は違う。私は勝率を70%以上維持し、段位を上げていった。

 7段ほどで壁にぶち当たった。このあたりから全国にいる猛者たちと当たる。

 目標は段位のプレートが銅から銀色に代わる11段。上級者への壁だった。

 私の差し返しは精度を上げていた。2Bだけでなく、遠BやEX大剣といったリターンの高い差し返しも出来るようになっていた。それは猛者たちと戦ったからではない。実力で勝てる相手と多く戦って身に着けたものだ。

 猛者たちはこのゲームでうかつな空振りなどしないから、差し返しの練習にならない。だが家庭用に群がってきた数多の初中級者たちの中には、不用意に技を置くプレイヤーが多かった。私は彼らとの実践の中で腕を磨いた。

 ジーコとは比べ物にならないが、私はあの日見たきれいな夏侯惇に、ほんの少しだが近づいていた。

 数か月後、私のプレイヤーネームの横には銀色のプレートが輝いていた。

 勝率は56%。

 ずいぶん落としたが、それでも前回よりは高く、なにより無差別級で得た勝率だ。

 数字が全てではない。同じ相手に何度も勝ってもぎ取ったポイントもある。

 だが、シドたちに勝ち越せはしないにせよ、日に何度も勝てるようになってきたのもこのころだった。

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