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アーケード【プレイランドキング七条店】

 翌2015年2月15日。

 私は京都駅からすぐの『プレイランドキング七条店』通称『7キン』の下の階で、約束の午後までパチンコを打って時間を潰していた。

 釣果はそれなりに、早めにゲームセンターに入って練習していると、ひょっこりとトモカが本当に現れた。

「ほんとに来るんすね」

「いや、もともと今日来る予定で」

「すごい偶然っすね」

「そっちが知ってたのかと思いましたよ」

 私は昨夜のことを話した。

 三すくみ、そして、浅瀬について意見を求めると、あまり気のない返事が返ってきた。

「我々はそうゆうのを壊す立ち回りをしているので」

「はあ」

 出鼻をくじかれた思いでいると二人のプレイヤーがそこに合流した。

 カネトモさんと地獄さん。どちらも前作家庭用時代から風に聞く孫権、呂布使いの強豪だ。

 聞けばトモカは以前京都にいたことがあり、その二人とは身内同然とのことだった。

 挨拶も早々に対戦が始まった。

 トモカは名古屋ではめったに使わない曹操を使っていた。

 曹操は基礎スペックが低い代わりに、空中からの急降下技を持つキャラクターだった。決して強くはないが、画面端での制圧力と、職人好みする性能で強豪と呼ばれる使い手は多い。トモカもその一人だった。

 私は付け焼刃の三すくみを意識しながら彼らと戦った。

 わかったことがいくつかあった。

 まず浅瀬は飛ばれると台無しになるということだ。いかに三すくみを意識していても飛びを通されたら地上戦にならない。三すくみはある程度の対空の技術があってはじめて成立するということ。

 次に三すくみはリーチの長いキャラクターが圧倒的に優位だということ。呂布などの自キャラよりリーチの長い相手に置き技を振ると、簡単に外から殴られる。そのためリーチの長いキャラクターに置き技を置くのはリスクが高い。しかも相手はそれを利用して走ってくる。向こうは技の先端間合いで攻撃を出していればそれでいいのだ。

 Gは三すくみという概念を言語化した。

 だが言語化する際にそぎ落とされた、読み合いの妙がある。読み合いなんて運ゲーだと弁天が言ったのを思い出した。

 私はまだ言葉にできない感覚を、言葉にしないまま大事に抱え、そのもやもやでしばらくやってみようと思った。

 対戦の方はというと、さすがにズタボロにされていたが、私は一度だけカネトモさんに勝つことができた。カネトモさんは温和な笑顔で「負けちゃいましたよ」と私に話しかけてくれた。

 彼ら二人とは初対面だったが、トモカさんの知り合いということもあってすぐ打ち解けた。私たちは戦いながら喋り、喜びの声を上げ、悔しそうに悲鳴を上げた。それはアリババや一社で私たちが普段していることだった。

 私は敵わなくても楽しかった。

 7キンの午後は、強さのみをもとめ濁っていた私の心を浄化した。

 気付けば前作PS3版から一年が経っていた。

 私はすっかりアーケードに染まり、そこで彼らと交流する中にこそ喜びを感じていた。


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