表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

プロローグ

 この作品は、2019-2025年の地下アイドル文化を記録した現代民俗学的青春小説です。コロナ禍を挟んだ6年間で、「推す」という行為はどう変質したのか。SNS、バズ至上主義、承認欲求の商品化。一人の女性ファンの視点から、時代の断絶を描きました。この作品は、失われた「応援の形」への鎮魂歌であり、同時に、現代を生きる若者への問いかけです。


 ライターの火がチェキの端をあぶる。白鳥澄華が燃やしているのは、かつての推しが、『今日も来てくれてありがとう』と書き記した笑顔のツーショット。飴細工が溶けていくようだ。もう誰の目にも留まらない存在だと澄華は悟る。江藤真梨の顔がぐにゃりとゆがむ。笑顔は嘘だったのか。指がきれいに合わさらず、ピーナッツの形に間延びしたハートが溶けていく。澄華の黒目は前ではなく、床に向けられている。映える写真が撮れないのは最初から分かっていたと言いたげな虚ろな顔だ。それも徐々に溶けていく。澄華はSNSのアカウントを抹消した。

「さよなら、承認欲求にまみれた世界」

 みずみずしい果物の皮から汁を出すように、声なき声を絞り出した。


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ