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6.


 実は…信じられない事ですが、先ほどジェラード様が『私の事を大切に思っている。これからも俺と一緒にいてほしい』と言われました。

 これは、所謂告白というものでしょうか?そんな自意識過剰になってはいけません。

 ジェラード様が必要としているのは私の『氷創造』というスキルです。

 このスキルと共にこの国を豊かにしていきたいのでしょう。うん。間違いありません。私なんかを好ましく思う殿方がいるとは思えません。


 翌日、ジェラード様にあったので、

「ジェラード様には私の『氷創造』というスキルが必要なんですよね!わかりますよぉ、なんせ年中水不足ですもんね。私で役に立つことなら何なりと!」

 と、私がジェラード様に言うと、何故でしょう?ジェラード様の侍従をしてらっしゃるジルが頭を抱えていました。


 今日は灌漑設備やら各地の井戸にやら、氷を作って放りこむという作業です。

 ジェラード様もジルも私が倒れやしないかと私を見守っているようです。

 大丈夫です。ここ最近毎日のように使い込み、倒れ…という事を繰り返しているうちに一日に使えるスキルの量も増えたようです。それと制御も上手くなったもので、あまり人がいないところの井戸には氷の量を少なく、逆に人が多い所の井戸には氷を多くなどの制御が出来るようになりました。

 前まではせいぜい氷で蝶を作るとか、その程度だったんですけどね。アイスノース王国ではスキルを使う機会がありませんでしたし。

 

 ジェラード様から国中に氷の蝶を飛ばすことはできないだろうか?という相談を受けた。ジェラード様からの依頼だし、受けたいのはヤマヤマなんだけど、あの女の子との約束もあるし悩むところです。

 幼い子との約束は破ると大変なことになります。一体どうすれば?せめて、あの女の子の許可が得られれば…。でもどこの誰かもわからないし。

「あの子なら、私の家の近所に住む女の子ですよ。アンちゃんです」

 ビックリ発言はジルより。

「昔は今よりも素直でもっといい子だったのに……」

 と、なんだか昔から知っている感じです。だからこそ私に近づけたのかな?

 

 そんなわけでアンちゃんの許可も得られて、国中に氷の蝶を飛ばす計画ができました。国中の皆が幸せな気分になるんだったらあの蝶を飛ばしてよ!ってアンちゃんからもお願いされてしまった。

 とはいえ国中となると結構なスキルの力を使うのでしばらくスキルを使うのを自粛です。

 

 カランと井戸の底に桶がつく音が聞こえて、なんだか貧しい気分になります。

 そんな時、光り輝く氷?の蝶が羽ばたいているようです。空気もなんだか澄んで、スッキリと気分も浮上しました。氷の蝶は太陽の光で解けてしまいましたが、その澄んだ空には大きな虹がかかり、さっきまで沈んでいた心もなんだかどこかへ行ったようです。


 そんな国民でいっぱいのサンドサウス王国の一日となりました。



 いろいろ悩めるレイカちゃん。結局ジェラード様の気持ちは伝わらずかな?

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