表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5.


 レイカは、失神してしまった。スキルを使いすぎたのが原因と思われる。

「ここは…」

 何なの?キラキラと何もかもが煌びやか!私の寝ているベッドすらもなんだか豪華。私があと4人くらい寝ることが可能なんじゃないかと思うくらい広いんですけど?

 転がっておく?記念に……。などと馬鹿なことを考えていると。

「よかったレイカ。目を覚ましたんだな」

 と、ジェラード様が仰った。良かった。転がっているところを目撃されなくて…じゃなくてここはもしや、王宮ですか?調度品とか煌びやかですけど、なんだか湿度が……。

「レイカが言いたいことはわかる。王城の中もカラッカラだ。国民もカラッカラだというのに、王族だけが潤っているのは(湿度)おかしいだろう?」

 王族だけが金銭的に潤っていたりもしますけどね…。黙っておこう。


「それで、あの土地はどうなりましたか?」

 私は食い気味に聞いてしまった。

「あー、土地は一時的には潤ったんだが、やはり太陽の力は強いな。今は完全に干からびてしまっているよ」

「それでは永続的に農業…というわけにはいきませんね。ここはひとつずっと日陰となるような場所から灌漑設備を作るほかに方法はありませんね。農地付近では水の温度が上がるでしょうから、私の『氷創造』で氷を投入し、温度を下げましょう」



 その日から灌漑設備を作る事業が始まった。

 普段、仕事の無い方が仕事にありつけるとあって、労働力は十分。灌漑設備は私が考えているよりもずっと早く完成しました。


 私は灌漑設備の完成式典にも参加することができ、内心は「他国の人間なのにいいのかな」と思っていたのですが、皆様に歓迎され灌漑設備の先に氷をどんどん作っては放りこんでいきました。

「レイカ、あんまり頑張るとまた倒れることになるんじゃないか?」

「大丈夫じゃない?」

 と、全く根拠のない返事をした挙句、また、倒れてしまいました。



~ジェラード視点

 今はレイカがいるから氷を作ってもらえるが、未来はどうなる?この国は将来的にちゃんとやっていけるのだろうか?今だけの幸せだろうか?俺は王太子としてそれが気になる。国民だってその辺はわかっていると信じたい。


「ジル、どう思う?もし、この国からレイカがいなくなったらどうなるだろう?」

「そうですね。せっかく作った灌漑設備や子供達のためのプールなんかは無駄になってしまいますね。殿下がレイカ嬢と婚約してはいかがでしょう?そうすればレイカ嬢はこの国にいるでしょうね」

「レイカのことは憎からず想っているが、スキルのために想っているわけではない。その事はレイカに伝わるだろうか?」

「今のレイカ嬢は「自分の存在価値は『氷創造』というスキル」だと思っていますからね。キチンと伝えないと難しいでしょう」

 そういうのは苦手なんだよなぁ。



ジェラード様は自分の気持ちに気づいたみたいだけど、レイカちゃんはどうなのかな?なんとか国を良くしたい!って必死なのはわかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ