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3.


 馬車を牽く馬も途中に熱くてバテテしまうそうなので、私が『氷創造』で氷を作ってあげた。喜んでくれたようで、私の顔にすり寄ってくれた。お互いに熱いです。

 もちろん馬車を操る御者さんにも氷のおすそ分けをしている。感謝されてなんだか嬉しい。

 私達3人が乗っているのは天井がある客室のような感じだけど、長い間外に会ったのか、なんだか車内が熱い。なんなら鼻血でも出そう。

 氷で冷えるかと思ったけど、すぐに蒸発をしてしまって現在の車内は蒸し暑い。

「どなたか風魔法を使える方とかいないのですか?この馬車の窓を開けても……」

「「それはいけない!」」

 ジェラード様とジルに止められた。なんで?こんなに蒸し暑いから。換気しようと思ったのに。

「レイカ様、一気に熱風が入ってきます」

 熱風…風…馬車の窓に予め格子状の氷を設置した状態で窓を開けてはどうだろう?左右の窓同時に。

「蒸し暑い風が入ってくるでしょうか?」

「恐らく…。水蒸気で焼く調理法があると聞いた事がある。最悪俺達三人蒸し焼きだ」

 誰の陰謀なの~?なんでこんなに熱いのよ?


「サンドサウス王国の王宮に着くまで、我慢大会だな」

 とはいえ、カラダの水分が失われたりするのはいけないので、口に含めるサイズの氷を常に口に含むようにしていた。



 かなり消耗し、意識も朦朧としているけど、なんとかサンドサウス王国の王宮に着きました。

 ジェラード様も乗る馬車ですから、そこは日陰とかに置いておいてもらいたいものです。このアイスノース王国からサンドサウス王国の王宮へと来る間で快適にジェラード王太子様が過ごすことができるように。


 帰ってきて早速サンドサウス王国の陛下に謁見することとなりました。

 ジェラード様について行くだけなんですけれども、結局は共にあの熱い馬車での旅を体験した3人で陛下の御前へと行くこととなりました。

「陛下、只今戻りました。アイスノース王国の王太子はかなり悩んでいるようでした。やはり令嬢の性格に難があるようで…。その証拠がこの女性です。彼女は極寒の中、着の身着のままで家から追い出されました。アイスノース王国王太子に売り込んでいる令嬢の妹君です」

「初めまして。レイカと申します。申し訳ありません。家を追い出されたので、家名がありません」

「うむ。何ゆえ、レイカ嬢は家を追い出されたのだ?」

「私のスキルが原因です。私のスキルは『氷創造』。アイスノース王国で氷など珍しくも何ともありません。一歩家の外に出れば存在するのです。対して姉…元姉のスキルは『炎創造』。暖かく過ごせるので重宝されています。ただ、元・姉は自分に利がある人間にはスキルを使いますが、普段は使わないので、使用人は手をかじかませて洗濯をしたりしています。それが『性格に難がある』なのでしょうね」

「ほう、レイカ嬢のスキルは『氷創造』なのか。我が国に物凄く役に立ちそうだ。力を貸してくれるだろうか?」

「私で良ければ喜んで!」

「それにしても…『炎創造』とは危険だな。今まではレイカ嬢が近くにいたから大丈夫だったんじゃないか?いなくなった今、炎が暴走をしているのではなかろうか?」




蒸し焼き…道中怖いよ~‼

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