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過酷な世界で生きる  作者: バトルマスター幸恵
第一章 過疎村編
12/23

第11話「変質」


何時間ほど経っただろうか、もう時間も分からないくなってしまった。

俺は今アリアと一緒に森を走っている。

さっき村の方から物凄い爆音と爆風があったのが気がかりだ。

二人とも生きていると良いんだが...。

いや、生きていると仮定して動こう。

俺はそう考えたい。


それに森を抜けた先の町、レオスまで移動することが出来れば、駐屯している騎士を呼べるかもしれない。

そうすれば二人を助けられる。

俺はそう思い走り続けていた。


「ちょっとまって...【純氷よ】」


アリアが氷刀を作り出し、俺の前に出る。

その時だった。

目の前の草むらが動き、悪夢がのっそりと出て来た。

悪夢は攻撃を待ち構えるという特殊な魔物だ。

だが、異様に興奮しているようで、今にも俺達に襲い掛かりそうだ。

多分黒の神に何かされているのだろう。

見ると、かぎ爪が変色していた。


まずい。

俺は反射的にそう思った。

殺意を感じる。

一切容赦のない殺意。

恐らく攻撃を待ってはくれないだろう。

俺は自分の頭を回転させ、出来る事を必死で探した。

そして一つの言葉が浮かんだ。


【何も出来ない】と。

俺の背筋に脂汗が滲む。

俺はアリアに頼るしかない。

その瞬間だった。


アリアが突撃した。

悪夢は迎撃するためかぎ爪をアリアに振るった。

その刹那、彼女は回った。


かぎ爪をいなしただけではなく。

その勢いを利用して回ったのだ。

遠心力をのせて斬りつける。

それは美しさすら感じる攻撃だった。


俺の足元に悪夢の首が飛んでくる。

悪夢は堅牢な魔物だ。

だが全身が固い訳じゃない。

首と胴体の節。外骨格の無いポイント。

それをアリアはピンポイントで狙ったのだ。


「すごいね...アリア...」


「ええ...鍛えたから...ね......。」


アリアは肩で息をしている。

当たり前だ。


さっきまで俺と全力で走り、悪夢の襲撃を警戒し対処する。

そして彼女の魔法は第五等級。

固有魔法では無い。

つまり魔力の消費は相応に存在するのだ。

魔力は生命力。使用すれば疲れもするし、体調は悪くなる。

今日だけで彼女は相当な数の魔法を使用した。

精神的にも肉体的にも苦しいはずだ。


俺も何とか戦闘に加わるなり、警戒するなりしてあげたいのだが正直何も出来ていない。

好きな子が目の前で戦っているのに何も出来ないのだ。

なぜ俺はこんなに無力なんだ。

もっと俺に力があれば。


「ねえアリア...少し休憩を...」


休憩をしよう。

そう言おうとしたその時だった。

ガサガサと何かが急速に近づいてくる音がする。

草木を掻き分けるような音だ。


瞬間俺は気づく。

近づいてくるそれは悪夢などという生半可な物では無い。

異常の生命体。

それが急速に近づいてきている、と。

草木の間。

その完全な闇から、ゆったりとした足音が聞こえてくる。


森全体が静かだ。

先ほどまで悪夢や、それに影響された弱い魔物。

そして野生動物の音など数多の音が聞こえていた。

それが嘘のように静かなのだ。


俺がそう感じた瞬間だった。


「クルト...!」


アリアが俺を突き飛ばした。

見える世界がスローになっていく。

彼女も俺と同じものを感じたのか、顔は焦りで満ちていた。


まずい。

何かとてつもなく嫌な予感がする。

ためだ。

そこは。その位置はダメだ。


「ゴフ...」


俺の目の前でアリアが口から血を噴き出した。

胸を手刀で貫かれている。

そこから血がじんわりと広がっていた。


瞬間。

手刀が抜かれ、立つ力を失ったアリアが俺の方にもたれかかるように倒れてきた。


......は?......え?......意味が......分からない。

理解が......出来ない。

意味が分からない。

ええ......?


「クルト...言うのが遅れてごめん、ずっと...好きだったよ」


俺が呆けていると、アリアは残りの生命を振り絞るように小声で言った。

次第に冷たくなっていく。

その時、目の前でアリアが人から物に変わったのを俺は直感した。

なんの感慨もなく。あっけなく、彼女は死んだ。


「やあ...久しぶり...なのかな?」


アリアの背後から声がした。

俺はそれを覗き込むと、そこには中性的な、女性にも男性にも見えるような姿の人に似た何かが赤みかがった、黒い髪をなびかせ、目の前にいる。


それは、黒い神だった。

右手にはベットリと血がついている。

脳が目の前の現実をゆっくりと理解していく。

同時に大量の脂汗が全身から吹き出た。


「あ...ああ...あああああああああああああああああ!」


死んだ...死んだ!死んだ!死んだ!死んだ!

アリアが死んだ...。

いや...違う殺されたんだ。

こいつに。


「なんで...なんで!なんで...!」


苦しい。

頭が痛い。

呼吸が出来ない。

俺はそんな感覚に陥っていた。

【死んだ】その言葉と彼女がお腹が貫かれてた映像が俺の頭の中で反芻(はんすう)する。


「うーん...ごめんね」


黒の神が何かを言う。

俺の耳には入っていなかった。

俺はアリアの温かみを確かめるように、彼女の肉体を抱いた。

アリアの筋肉質でありながらしなやかなで、柔らかな肌は、もう既に固く、冷たくなっていた。

その事実は俺の頭に、アリアが死んだと言う事を残酷に叩きつけていた。


「どうして......なんで.........」


全身から力が抜けていくのが分かる。

俺はアリアに助けられた。

なのに俺はアリアを助けるどころか、何もしてあげられなかった。


それどころか俺は完全なお荷物だった。

もしアリアが疲れていなかったら?

いや、そもそも神に関わって居なければこんな事には成らなかったんじゃないのか?

ああ...俺が居なければアリアは生きていたのか?


なんで...なんでアリアなんだ。

なんで...俺じゃないんだ。

どうして死ぬ必要があったんだ...。



「理由ねえ...友達を助けるためかなあ...。」


黒の神は言った。

俺の耳にその言葉が飛び込んでくる。

その瞬間、脳が煮沸するような強烈な殺意と憎悪が生まれた。


俺はずっと平和に生きたかった。

そう望むのは間違いだろうか。

俺は彼女に頼った。

それは間違いだったのだろうか。


いや、そんな訳はない。

間違いは目の前のこいつだ。

この神の存在そのものが間違いなのだ。

アリアが死んだのも、父さんがボロボロになっていたのも、戦争も。

この世全てはこいつが悪い...!



そうだ、こいつだったんだ。

こいつは戦争を起こすのは自分だと言った。

ならこいつを殺してしまえばいい。

なぜ気づかなかったのか、疑問に思う程簡単な事だった。

早くそうしておけばよかった。


俺はふと空を見上げた。

満面の星空。

見る者を引き付けるような、そして戻れなくするような、狂おしいほど美しい星空だった。

今日は寒い。冬だ。

誰もが温かみを求めて苦しむ。

そんな残酷で綺麗な季節なのだ。


ああ...俺の中にどす黒い何かが溢れ出てくる。

目の前が真っ赤になっていく。

でも、嘘のように俺は冷静だ。

頭はいつもより冴えているかもしれない。


ふと俺は黒い神を見る。

多分こいつには自分の分身体のような物を作り出す能力があるのだろう。

キールの一件や、アリアが殺したのにここに居る事が証拠だ。


「なあ、お前この星にはいるんだよな...?」


努めて冷静に俺はそう言った。


「ああ。」


黒の神はニヤリと挑戦的な笑みを浮かべた。

俺のやろうとしている事を察したらしい。


俺に決定的に無い物。

それは魔力だ。

俺には魔力が足りない。

だったらどするのか?

その解を俺はもう既に思い浮かんでいた。


この世界の魔力とは循環している。

俺達人間は生きているだけで少しずつ魔力を消費し、その消費分を大気から吸収している。

魔力とは吸収するものなのだ。

それはつまり体内に入れるという事である。


俺は知っている。

恐らくこの世界で最も魔力を含んだ物体を。

それはカーミラと邂逅した時、取っておいた灰と、黒の神から流れ出ていた宇宙色の液体である。



これを飲み込めば相当の魔力を得られるのではないかと俺は推測したのだ。

こんな事をすれば俺の体がどうなるか分からなかった。

だから俺は思いついてもやらなかった。

だが、もういい。もうどうだっていい。

俺はその二つを飲み込んだ。



液体はドロリとした粘液性であり、俺の喉は不快感に襲われた。

俺の体は明確に何かが変わった訳では無い。


だが、俺の体は嘘のような高揚感に包まれていた。

体が温かい。

熱めのお風呂に使っているような心地いい温かさだ。

全身は絹のように軽い。

羽が生えたような気分だ。



今の俺ならなんだって出来る気がする。

俺は手を黒の神へ向けて構えた。


魔法はイメージで出来る。

それは理論上の話であり、都市伝説だ。

だが、俺はそれを聞いた瞬間。ある事を思いついていた。

もしかしたら出来るのでは無いかと、俺は想像したのだ。

それは俺の知っている中で、ほぼ唯一と言っていい。

惑星ごと消し飛すことが可能な物体だ。


四つの水素原子核が衝突と融合を繰り返し、一つのヘリウム原子核に変わる。

核融合反応の大連鎖による推定、1600万度の熱エネルギー。

それは人間が初めて実感する事の出来た原初の温もり。

知性の集合体である、火より先に存在した。

超越的で、厳しく、優しい。

そんな温かな球体。


つまるところ...



「太陽。」


俺は小さい太陽を右腕に作り出したのだ。


全身からすべての魔力が無くなっていくのが分かる。

俺の魔力量では体を犠牲にしても決して使用できない。

というより、この世界の誰もこんな事出来はしないだろう。

でもなぜだろうか...俺はできる気がする。

今はただ...温かい。


「星ごと消え失せろ。」


俺は出来る限りの恨みをのせて、そう言った。

俺の視界が急速に狭まる。

最後に俺の目に映ったのは、小さな太陽としか形容できない物体だった。

それは黒の神に向かって飛んでいく。

当たらなくとも星ごと破壊するだろう。

俺はそう確信し目を閉じた。





―――――


黒の神に小さな太陽が飛ぶ。

それは星を破壊するエネルギーを持った物体であった。

地面には気絶したクルトと、絶命したアリアが転がっている。


「久しぶりに力比べと行こうか、わっちゃん。」


黒の神はそう呟いた。

その瞬間。両腕と太陽は接触した。

周囲の夜は昼になる。

そう感じるほどの高温と眩い光だった。


するとゆっくりと太陽が縮小していき、ついにはかき消える。

気付くと黒の神の両腕は無くなっていた。


「全く...流石だね、わっちゃんは...。」


黒の神はそう呟くと、周囲を警戒しているのか周りを見回した。


「ああ...ミラ姉か...この体じゃ厳しいね」


そう言うと、空間が歪んだ。

その歪みから、宇宙色の液体が垂れはじめる。

それはいつしか黒の神の全身に纏わりつく。


神の体はゆったりと変異していき、12歳程度の中性的な子供とも言える姿から、次第に身長が伸び顔つきが変わる。

いつの間にか少し中性的なものの、大人の男性に見えるような体つきと顔になっていた。

両腕は既に回復している。



その瞬間、空間が割れた。

黒の神による歪みとは違い、ガラスが割れたようである。

そして、そこから現れたのは白髪の老婆。

クルトが多腕の神と呼んでいる神。

カーミラであった。

花のような装飾がなされ、一部が綺麗な黄金で装飾されている。

フルプレートアーマーを着ていた。

基本的な甲冑とは違い、シルエットがドレスのようだ。


「ミラ姉......久しぶりだね」


黒の神は少し気まずそうだ。


「てめえ...やりやがったな...」


怨嗟の籠った。

低い唸るような声でカーミラが話す。


「そう...だね...。わっちゃんのためだから」


黒の神はカーミラを睨む。

眉間にしわを寄せ、覚悟を決めたような表情をしていた。


「自分で何やったか分かっているのか...?なあ」


諦めに近い怒り、そんな人間らしい感情が読み取れる。


「ミラ姉はさ。私たちの事...嫌い?」


優しく黒の神は言った。


「.........」


カーミラは黙り込む。

それは静かな否定だった。

カーミラは別に黒の神が嫌いでは無かった。


「ねえ。また三人で楽園へ戻らない?」


「.........だめだ。」


少しの沈黙の後カーミラはそう言った。

少しだけ迷ったのだ。


「そう...振られちゃったね」


黒の神は少しだけ俯いた。



「これ以上クルト・モウアに手をだすな...分かるだろ...?」


カーミラは言う。

その言葉はある種の願いのようであった。



「「......」」

長い沈黙が生まれた。


するとカーミラは後ろへ手をやり煙草とマッチを取り出した。

彼女が着ているのはフルプレートアーマー。

当然ポケットなど存在しない。

何も無い所から煙草を取り出したのだ。


そして、当たり前だがこの世界に煙草もマッチも存在しない。

カーミラが使用したのは摩擦マッチ。

塩素酸カリウムと硫化アンチモンを頭薬に使った物である。

そんな物まだ発明されていないのだ。


カーミラはその煙草に火をつけ、甲冑の隙間に差し込み、吸った。


「ミラ姉...。まだそのまずい煙草......吸ってるんだね...。美味しい?」


「いや...まずいさ。」


「そっか...。」



「「......」」

また沈黙が生まれる。

そして、カーミラは告げた。


「私は...そこガキを生き返らせる。」


カーミラの言うガキとは黒の神により殺害されたアリアである。

それはつまり、黒の神との対立を意味していた。


「そっか......じゃあ.........戦う......?」

黒の神の顔色が歪んだ。

嫌だったのだ。


「なあ...今のお前には一体どこまで見えてんだ?」


「それは......秘密だけど......。」



「「......」」

先ほどよりは短い沈黙が生まれる。

するとやれやれと言いたそうな様子で未知なる神は口を開いた。



「ねえ、ミラ姉。分かっているんでしょ?自分がもう...まともに神の姿に成れないってさ」


神の姿。

それは人間の姿を逸脱し、強力な力を得るという物だ。

この世界で言う、第一等級である。

現在二柱の状態は第二等級と言えるだろう。

そして第二等級と第一等級には絶対的な差が存在するのだ。


「うるせえな...それが何か関係あるのかよ?」


カーミラはまた、どこからともなくアンプルを取り出した。

カーミラはそれを割り、中の赤い液体を飲み込む。

するとゆっくりとだが確実に肌に張りが戻っていき、そしてわずか数秒でもう老婆とは言えない20代程度の見た目に変わった。


「ミラ姉は......頑固だね...」


黒の神はうつむいた。

すると彼の左の白目はゆっくりと宇宙色に変わり、液体が垂れた。


「少しだけ魔力を削らせてもらうとしようか...」


そうして黒の神とカーミラの戦いが始まったのだ。




―――


俺はゆっくりと目を開ける。

どうなった...?

俺は今どこにいる...?


どうやら俺はベットで寝ていたようだ。

周囲を見回すとそこには、年季の入った、木製の机に椅子。

そして、少しボロが着ている部屋だった。

恐らく宿だ。


「という事はここは...レオス...か?」


さしずめ爆音を確認するため、村に向かったところ俺が倒れていた。

そして俺が子供と言う事もあり、とりあえず宿に置いた。

そんなところだろう...。


俺がここに居るという事は俺の作戦は失敗したらしい。

灰に成って死んでいないのが、不思議だ。

というか、そもそも俺はあの太陽を作り出す魔法なんて使用できなかったはずだ。

だが、あの時は不思議と出来る気がしたのだ。



ああ...でも、もう別にいいか。

ふと外を見ると、まだ日は落ちているようだ。

いや、違うな丸々24時間経ったのだろう。


ああ...みんな殺された。

殺されてしまった。

俺のせいだ。


一年前、アリアと知り合って数十日、悪夢と出会った。

思い返せばその原因は解明されていなかった。

それに騎士の一件は不自然さを俺は感じていた。

この二つについて、もっと調べていけばあの惨状は防げたかもしれない。



俺は知能であの黒い神に負けたのだ。

ああ...俺にはそれしかなかったのに、俺は頭脳担当だったのに...。

負けてしまった。

良い様にされてしまったのだ。

それだけは、そこだけは劣ってはいけなかったのに。


俺の価値は知能しかない。

運動ができる訳でも、コミニケーションが得意な訳でもない。

何も出来ない。

唯一可能な【考える】という事で俺は負けたのだ。

俺はもう何も持っていない。

みんな死んだから。


その時。

俺の頬に一滴の涙が右目から落ちた。

俺は...泣いているのか?

俺は悲しいのか?


そんな事を思い、俺はベットから立ち上がった瞬間だった。

俺の視界が落ちる。

俺は気づくと膝を付いていたのだ。


立てない。


ああ...なるほど。

俺は自分で思って居るよりも悲しんでいるようだ。

やっとわかった。

俺があの神に出し抜かれる理由が。


これが......感情が邪魔なんだ。


なぜだろうか...今の俺は感情を完全に消すことが出来る。

そう直観した。

自身がある訳ではない。

生まれた瞬間から息を吸い方が分かるように、どうやれば出来るのか分かるのだ。


俺はゆっくりと立ち上がった。

もう既に膝の震えは無くなっていた。


「なんだ。立てるじゃないか」


とりあえず外に出よう。

状況を知らなくては...俺は一歩一歩ドアへ向かってあるく。

なぜだろう。

異様に長く感じるのは。

なぜだろう。

ドアに近づく事に自分の事やアリアの事に関心が無くなって行くのは。

なぜだろう。

一歩を踏み出すごとに、父さんと母さんの顔が思い出せなくなっていくのは。


「もう...どうだっていいよな」


数十分ほど歩いている感覚がある。

この不思議さ、気分の悪さ。

しかしドアに近ずく事にそれも無くなっていく。

少しずつ気分が良くなっていく。

俺の体に得体の知れない高揚感がまとわりついてくる。


「私は......何をしたいのでしょうか...。」


私の口から漏れる。

自分はこんな声だっただろうか、自分はこんな口調だっただろうか。

もう私には分からない。

ただ、今はとても気分がいい。


熱を持った体。

はち切れそうな頭。

もう何も考えられない。

でもそれでいい。

こんなにも気分が良いのだから。

間違いなはずが無いのである。


ああ...思い出した。

そうだ。

「私は...楽園へ。」


そうしてついにドアにたどり着いた。

ゆっくりとドアを開ける。


そこには昨日まで住んできた。

私の家...正確に言うと寝室があった。

いつぞやカーミラにあった場所だ。


「...え?」


俺の口から漏れた。

体の熱が急速に冷めていくのが分かる。

頭がスッキリとしていく。

俺の記憶は戻っていく。


そしてさっきまであった得体の知れない、俺の体にまとわりつくような高揚感はもう既に無くなっていた。


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