# 93. 4日経過して
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お陰様で、4000PVを突破することができました。
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少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
トレーダー・ハブから出発して、一日平均、180キロほどを走行して、4日が経過した。
オービタルサイトをフル活用して、エネミーとのエンカントを極力回避しているため、走行距離は多少増えたが、戦闘になって怪我人やM.A.C.S.の故障が出るよりは遥かにマシだ。
かなりの距離を走破している。
移動中、いくつかの小さなキャンプを経由して補給を行い、センサーでは捉えにくい地中型のベルノイドと何度か交戦したが、ネイトの副砲、キャシーのジェットハンマーで難なく撃退した。
夜は、エヴィの作る料理が何よりの楽しみだった。
キャラバン隊が言っていたように、ここまで来るとかなり寒い。
ヒーターをオンにしておかないと、吐く息は白くなり、寒さで体が震えだす。
その寒さの所為なのか、サバイバーやレイダーの反応はほとんど無かった。
「見えてきた、あれだな…」
と前方に人工物らしき建物が見えてきた。
サハル・リージョンのダーファス・コロニーほどではないが、それでもかなり広いことがこの距離でもわかる。
近づくにつれ入口が見えてくる。
《Welcome to OROPPAS Colony》
「オロッパス・コロニー…」
「ようやく着いたわね」
エントランスにてゲートキーパーに止められる。
「探索者だな。
ライセンスカードの提示と、滞在理由を述べよ」
「俺達はヤマトから来た。
ここから東北にある港町からゲヘナ・リージョンへと向かうつもりだ。
長距離を移動してきたため疲労が蓄積している。宿をとって体を休めたい」
「よいし、良いだろう。入れ!」
一行はビークルを駐車スペースに停め、コロニーの中へと入っていった。
ここのコロニーの主要施設の熱源確保は、小規模なトリリウムジェネレーターから得られるエネルギーを使用しているが、そうではないところでは圧縮水素を燃料とするストーブを使っているようだった。
メタルセルでは密閉空間であり空気汚染を最小限に留めるため、許可された一部の場所以外は火気厳禁だったが、コロニーではそのような制限はない。
フラックスヒートのような高効率の発熱機関があればよいのだが、コロニーにそういうものは求るのは無理というものだ。圧縮水素を燃料とするストーブが限界だろう。
ここでも農耕をしており、密閉されたハウスの中で野菜や果物を育てているようだった。
その他にも、できるだけ外に出なくてもいいように外気を遮断した通路が作られていたり、広場などの広いところでは、熱誘導式ヒートフィールドを展開して一定範囲内の気温を安定させるなどの工夫がなされているようだった。
「外にいるのに温かいねー!」
「そうだな…。知恵が集まってできたコロニーなんだろうな」
ここはコロニーだが、HoMEが無い。
シュートダウントラッキングシステムの換金を行えないが、無いものは仕方ない。
リンカーンの停留所になっているのがせめてもの救いだ。
ビークルの補給を済まし、ダイナーへと向か…おうとしたところに、呼び止められた。
「ちょっといいか、お前たちに頼みがある」
女性だった。
彼女の態度はどこか不本意そうで、明らかに「頼りたくないが仕方なく頼る」といった雰囲気を漂わせていた。
「俺達は腹が減っている。
ダイナーで食べながらでいいなら聞こう」
「それでいい」
ネイトたちとその助成はダイナーへ入った。
そして料理を注文し、話の本題に入った。
「頼みというのは何だ?
というか、まずお前は誰だ?」
「すまない。紹介が遅れた。
私はベルダ・ベス。探索者でランクはブロンズ+(プラス)だ。
クラスはアサシンで、超接近戦等を得意としている」
「アサシンか…」
「で、頼みなんだが、私はここのコロニーに長くいすぎた。
ここにはHoMEが無いので、探索者はほとんど来ない。来ても補給だけしてすぐに何処かへ行ってしまう。
だから、入口を見張って、お前たちを見つけたんだ。
どこへでも行く。頼む、仲間に入れてくれ」
「なにか深い事情がありそうだな…」
ベルダは、深くため息を付き、何かを決意したようだ。
「私は…、私は、以前ドミニオン・シンジケートの工作員だった」
「なにぃ!?」
とエヴィが驚く。
「昔の話さ…。
ある時、ヘマをやらかしてな。追う側から追われる側になったのさ。
命からがらヤマトまで逃げたんだ。
でも、ドミニオン・シンジケートの人間は門前払いとなる…」
だろうなと頷くネイト。
殺されてもおかしくはない状況だっただろう。
「困っていたところに、鳳凰衆というアシストグループが手を貸してくれて、クエストを一緒に遂行することを条件に、探索者登録を手伝ってくれたんだ」
「鳳凰衆…」
ドクターが思いを巡らす。
彼らが手を貸すのはよっぽどのことだろう。
彼女の力量を見込んでのことだったに違いない。あるいは別の…。
「鳳凰衆は男ばかりのアシストグループだ。
クエストの遂行だけで探索者登録を手伝うとは思えないわ。
なにかされなかったかい?」
「ああ、登録を手伝う代わりに関係を迫られたよ。
上手く言い逃れて逃げたがね。
あんなゲス野郎共に私の身体を触らせないよ。
そして私は、どこのアシストグループにも所属せず、ここのコロニーまで後退して、アサシンとしてドミニオン・シンジケートへ仕返しを始めたのさ。
この前大規模掃討作戦があっただろう?
あの後からドミニオン・シンジケートは散り散りになり、イースタン・リージョンではほぼ壊滅状態になったそうだ」
ベルダは更に続ける。
「私は、ドミニオン・シンジケートを潰したい。
でも、私ひとりでは無理なのはわかっている。
一緒に潰してくれる伝手もない…」
「俺達は、ドミニオン・シンジケートに直接の恨みはないから、潰すと言ったような大事になることはやらないぞ」
「…そう…だよな。
他を当たることにするよ。済まなかった」
と、ベルダが席を経とうとした瞬間、ドクターが彼女の手を掴んで言った。
「ドミニオン・シンジケートを潰すことはしないけど、奴らに困っている人たちを助けることならできるわよ」
「なるほど…。
仕返しすることしか考えていなかった。それは盲点だ。
潰すのはもっと大きな組織に任せるとして、私はドミニオン・シンジケートに困っている人々を助けよう。
それなら仲間に入れてくれるか?」
「私はオッケーだよ。近接が増えるのは大歓迎だしね!」
「オレも問題ないぜ!
鍋を振る力も入るってもんだ!」
「あたしも反対するところはないわ」
「…満場一致だな。ベルダ、お前を俺達のアシストグループ『スパークルスプリングス』の仲間として迎え入れる。
登録するからライセンスカードを出してくれ」
カードをハンドヘルドコンピューターでスキャンして、アシストグループに登録する。
「アシストグループ登録人数、5名、と。
改めて自己紹介だ。俺はスパークルスプリングスのリーダーをやっているネイサン・バーグウェルだ。ネイトでいい」
「私はキャスリン・ウェスレイだよ。キャシーでいいよー!」
「オレはエヴェン・ダリスってんだ。エヴィでいいぜ!」
「あたしは、ドクターマッセイ。皆からはドクターって呼ばれているわ」
「私は…、ベルダ・ベス(Bellda Beth)。ベルダと呼んでくれ」
「よろしくだ。
皆、今夜はベルダの加入記念パーティーだ!
好きなだけ飲み食いしていいぞ!」
「そうこなくっちゃな!」
こうして宴は始まったのである。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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