# 79. 修行
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朝早く、まだ街が静けさに包まれている時間帯に、エヴィは《青龍飯店》へと向かった。
昨晩の出来事が頭をよぎる。
たった一杯のチャーハンが、自分の中の何かを大きく揺さぶった。
あの味を自分も作れるようになりたい。
彼の思いは募るばかりだった。
屋台の前に立つと、既に暖かな湯気が立ち上っている。
屋台の奥からは包丁のリズミカルな音が響き、香ばしい油の匂いが漂ってきた。
屋台の暖簾をくぐると、昨日の男が既に厨房に立っていた。
エヴィが入ると、彼は手を止め、ちらりとこちらを見る。
「おう、来たか。
挨拶がまだだったな。
わしは、ベベダ(Bebeda)という。
料理の道に入ってもう40年ほどだ」
「40年か!すごいんだぜ!」
エヴィは目を輝かせ、思わず身を乗り出した。
「オレはエヴェン・ダリスってんだ。
エヴィで良いぜ!」
ベベダは軽く笑い、頷く。
「よろしくな、エヴィ。
まずは皿洗いからだ」
「了解だぜ!」
エヴィは腕まくりをして、洗い場へ向かった。
とはいえ、この屋台はそこまで昼くない。ほんの数歩歩くだけで、すぐに洗い場へ到着する。
水桶の中には、昨日使われたらしい皿が積まれていた。
スープの名残が器の縁にこびりつき、箸の跡がついたどんぶりがいくつも並んでいる。
「手早く、綺麗にな」
ベベダの声に、エヴィは無言で頷き、早速仕事に取り掛かる。
最初は単純作業だと思っていた。
しかし、皿を洗いながら気づくことがいくつもあった。
食べ残しの具材やスープの量、麺の残り具合。
それを見れば、客の満足度や好みがなんとなく見えてくる。
追加注文の形跡がある皿もあれば、ほぼ手をつけられていない皿もある。
「なるほどななんだぜ…」
エヴィはぼそりと呟く。
料理とは、ただ作るだけではなく、客の反応を見極めることも大切なのだと気づかされる。
一方で、ベベダはその間も手を止めることなく、次々と食材を捌いていた。
包丁の音が心地よいリズムを刻み、鍋の中では香辛料の香りが広がる。
エヴィは皿を洗いながらも、その動きを注意深く観察した。
肉の切り方、野菜の扱い方、火加減の調整。
彼の手際の良さに、ただただ感心するばかりだった。
ベベダがニヤリと笑う。
「次は食材の下ごしらえを覚えてもらうぞ」
エヴィは料理の基礎を学びながら、自分の目標に向かって一歩ずつ進んでいくのだった。
「了解だぜ!」
エヴィは勢いよく返事をし、洗い場から立ち上がる。
手を拭い、まな板の前に立つ。
「包丁は握ったことあるか?」
「まあな!肉を切るくらいならやったことがあるぜ!」
エヴィは、ラブタの丸焼きのことを思い出していた。
「ほう、じゃあやってみろ」
ベベダは塊肉をエヴィの前に置いた。
それは新鮮で、脂の乗りが良い上等な肉だった。
エヴィは包丁を手に取り、慎重に刃を入れる。
「難しいんだぜ…」
実際にやってみると、思った以上に肉が動く。
力を入れすぎると刃が滑るし、弱すぎると切れない。
それに、今まではナイフを使ってきていて、包丁を握るのは初めてだったからだ。
「包丁はな、ただ握るだけじゃ駄目だ。
食材に合わせて角度を変え、リズムよく動かすんだ」
ベベダはエヴィの手元を見ながら、的確なアドバイスを送る。
エヴィは何度も切り直しながら、少しずつ感覚を掴んでいった。
料理の世界は奥が深い。
だが、その一歩を踏み出した今、エヴィは確かに前へ進んでいた。
彼の修行は、まだ始まったばかりだった。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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