# 70. 悠生郷(ゆうせいきょう)・コロニー
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一行は、ようやく悠生郷・コロニーに到着した。
ヌサンタラ大陸のトランヴィニア・コロニー以来の久しぶりのコロニーである。
高い壁で囲まれたそのコロニーは、キャンプとは違った重厚感がある。
ゲートキーパーに止められる。
「止まれ!
探索者だな?ライセンスカードを提示してもらおう」
皆ライセンスカードを見せる。
「よし、カードには問題ないな。滞在理由は?」
「俺達はサハル・リージョンから来た探索者だ。
ヤマトへ向かっている。
HoMEに寄って換金を行いたいのと、日が傾いてきたので宿に泊まるつもりだ」
ゲートキーパーは少し考えた後、
「…良いだろう、通ってよし!」
と言って通してくれた。
ビークルを駐車スペースに停め、一行はコロニーの中へと入っていく。
「まずはHoMEだな。
シュートダウントラッキングシステムの記録が溜まっているはずだ」
雑踏をかき分け、一行は、これも久しぶりのHoMEへたどり着く。
「お疲れ様です。換金しますね。ライセンスカードをお預かりします」
ライセンスカードを預け、換金処理を行う。
「合計、14,800ヴェルになります。
それでは、エクスプローラーズ・オブリュージュ!」
ライセンスカードを受け取り、
「せっかくだ、クエストも受けよう」
とネイト。
対話式パネルに行き、ライセンスカードをかざす。
「カクニンシマシタ。ブロンズランクノ クエストヲ ヒョウジ シマス」
ちょっと変わったのを受注したいなと、ネイトは考えていた。
リストアップされているクエスト一覧を見て数分考える。
「これなんかどうだろう?」
と、ひとつのクエストを指差して詳細を表示する。
「レトロゲームの修復依頼?」
「そうだ、戦闘系のクエストが多かったからな。
たまにはこういうのもいいだろう」
「面白そうだな!」
とエヴィ。
「あたしは今回パスしておくよ。コロニーを見て回りたい」
「私もー!戦闘無いなら出番ないしね!」
「わかった、二人はコロニーの散策してくれ。
俺とエヴィで受注する」
「了解だぜ!」
クエストの内容を再確認し、受領ボタンを押す。
「ピピッ…ジュリョウシマシタ。
エクスプローラーズ・オブリュージュ!」
クエストの内容は以下の通りだ。
【ブロンズランククエスト】
クエスト概要:レトロゲームの修復依頼
ターゲットモンスター:無し
タイプ:該当なし
討伐推奨ランク:ブロンズ-(マイナス)
討伐賞金:100,000ヴェル
他報酬:ゲームマシン(データのみの提供)
非常に変わったクエストと言えよう。
このクエストは、まず最初に依頼人に詳しい内容を聞くらしい。
ネイトとエヴィはコロニーの外れにある、小さな建物に住んでいる依頼人を訪ねた。
「クエストを受注したのだが」
年齢にして50を少し過ぎたくらいの初老の男性だろうか、
「おお、そうかい!
あのクエストを受けてくれるとは…!
何でも聞いてくれ!」
その後ネイトらはクエストの詳細を聞いた。
40年ほどゲームを見守ってきたその男性は、あるレトロゲームの復刻について悩んでいた。
基盤はあるのだが、ROMデータが一部破損していて、データを正常に読むことができないらしい。
バックアップデータがコロニーから10キロほど離れたところにある廃墟にあり、ネットワークから隔絶されていてオンラインでアクセスすることができないとのことだ。
バックアップデータを取りに行きたいが外は危険なため、クエストとして発注したということだった。
「わかった、行ってこよう」
とネイト。
「よろしく頼むよ」
こうしてネイトとエヴィは、10キロ離れたところにある廃墟へ向かった。
M.A.C.S.の操縦を開始して20分後、特に何事も無く、バックアップデータがあると思われる廃墟に着いた。
「ここだな…」
M.A.C.S.のマッピングデータとも座標は一致する。
「エヴィ、中に入ってバックアップデータを回収してくれ。
俺は外を見張る」
「任しとけ―!」
エヴィは建物の中に入っていった。
ネイトはレーダーを注視して、いつ何が起こっても良いように構えていた。
数分後、エヴィが出てくる。
「出力が足りない。
ストライカーにケーブルを繋いでエネルギーを送るぜ!」
「了解だ」
エヴィはテキパキとエネルギーケーブルを繋いで再び廃墟に入っていった。
やがて、またエヴィが出てくる。
「回収終わったぜ!」
「よし、戻ろう」
エネルギーケーブルも回収し、二人は悠生郷・コロニーへと急いで戻った。
時刻は夕方6時を周り、太陽が完全に沈み始めた頃である。
「HoMEへ行ってから、データを届けよう」
二人はHoMEに入り、クエストカウンターに着いた。
「お疲れ様です。
クエスト完遂おめでとうございます。
ライセンスカードををお預かりします」
ライセンスカードを出し、報酬のヴェルを受け取った。
「その他報酬なのですが、これは直接依頼人にお尋ねください!
それでは、エクスプローラーズ・オブリュージュ!」
再びコロニーの外れにある小さな建物に入って男を訪ねた。
「これがバックアップデータだ」
「おお、ありがとう。
これで復刻できる…。
ちょっと待っておくれよ」
男はデータをROMに書き込み、丁寧に基盤にROMをハンダ付けする。
「この時代のゲーム基板はまだハンダというものでROMを基盤に取り付けていたんだよ。
これで、取り付け完了だ。
起動するぞ!」
暗い室内に、モニターの明るい色が灯る。
ゲームが起動し、タイトル画面が表示された。
「そう、これだ!
やっと蘇ったぞ。ありがとう!」
男は少し涙ぐんで、追加報酬を払う。
「追加報酬は、このゲームのROMイメージだ。
あんたらのパーソナルハンドヘルドコンピューターでも遊べるが、筐体があったほうがより楽しめるぞ。
今データを転送しておいた。
可愛がってあげておくれ。」
二人はパーソナルハンドヘルドコンピューターにデータが転送されていることを確認し、その場を後にした。
「報酬額の割には簡単なクエストだったぜ!」
「あの男にとっては、大金を払ってでも蘇らせたい大切なものだったんだろう」
「そうだな!」
「キャシーたちと合流だ」
すっかり夜になってしまったが、キャシーたちとダイナーで合流することにした。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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