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# 7. 初報酬。そしてクエスト受注へ

HoMEに着いた二人は、さっそく換金所へ向かった。

こちらは賑わっており、少々並ぶこととなった。


十数分後、彼らの番になった。


「お疲れ様です。換金しますね。ライセンスカードをお預かりします」


ライセンスカードを渡すと、慣れた手つきでキーパッドコンソールを叩き、カードと討伐の照合を行った。


このキーパッドコンソールは、使用者それぞれに使いやすくインターフェイスをカスタマイズして配置することができ、音声またはタップ操作でインターフェイスにアクセスできる。

犯罪対策のため、エマンジェンシーモードが搭載されており、違う人物が操作しようとするとコンソールがロックする。

血の気の多い探索者が、カウンターを乗り越えて操作しようとしたことが過去にあったらしい。なので、必要な機構と言える。M.A.C.S.のディスプレイにも使用されている技術だ。


「ベルノイド3体と、ゾ・ミ進化種が2体ですね。

 合計で1,400ヴェルになります。」


「ヴェル」というのは、通貨の単位で、暦が新世紀歴に変わった年と同じくして、WUC(World Unification Conference。世界統一協議会)が定めた通貨だ。

完全に電子化されており、探索者ならライセンスカードに、メタルセルの住人なら、在住カードに現在持っているヴェルが記録されている。


カードにはDNAコードが保存されており、カード保持者でないと使えないようになっている。

探索者登録時にキャシーがDNAコードについて聞いたが、在住カードにも似たような仕組みがあるのを、当たり前過ぎて、そして生まれたときにカードを発行したため、すっかり忘れていたというか、小さすぎて覚えていなかったためである。


ともかく、初めての報酬を受け取った。

戦闘時に消費した残弾数は残り7割といったところだ。満タンにしても、200ヴェル程度だろう。

レンタル料金として、140ヴェル取られたが、残り1000ヴェルほどは大事に貯金することにした。


「M.A.C.S.買うんでしょ?お金稼がないとだね!」


「そうだな、これからクエストをたくさんやらないとな。

 ・・・そうだ、クエストはどこで受ければ良い?」


ネイトは受付に、クエスト受注場所を聞いた。


「あちらになります。対話式パネルが並んでいるのですぐわかりますよ」


「わかった、ありがとう」


「エクスプローラーズ・オブリュージュ!」


この、「エクスプローラーズ・オブリュージュ」は、フランス語の「ノブレス・オブリュージュ」から引用したと思われる。「それではまた」「お元気で」などのような感じで使われているが、実際の意味としては「調査隊としての責務を全うしてください」という感じだ。

電子メールの最後に「best regards」と書いたりするが、探索者の間では、「エクスプローラーズ・オブリュージュ」を略した「E.O.」で締めくくる場合が多いそうだ。


二人はライセンスカードを受け取り、クエスト受注所に向かった。

クエスト受付所も混んではいたが、対話式パネルがたくさんあるので、それほど待たずに順番が来た。


「ライセンストカードヲ カザシテクダサイ」


ネイトとキャシーは、言われた通り、ライセンスカードを対話式パネルにかざした。

パネル上部にあるスキャナーカメラがそれを検知したようだ。


「カクニンシマシタ。アイアンランクノ クエストヲ ヒョウジ シマス」


パネルには人探しから物資の調達まで数十件のクエストが表示されている。


「いっぱいあるね。どれにしよう?」


「そうだな・・・」


人物探しは、到達可能なメタルセルがビッグフットしかない時点で受領できない。

仮に受けたとしても、対象者が死亡している可能性がある。そうだった場合、遺体を動かすのには抵抗がある。

生存していたとしても、逃げ出している可能性もあるので、戻りたくないと抵抗することもあるだろう。


とすれば、物資の調達が良いのではないだろうか。


「物資の調達をリストアップ」


パネルの表示が切り替わり、物資の調達についての詳細なリストが表示された。


「えーと、鉄鉱石400キログラムに、銅鉱石1トン、ボーキサイトが200キログラム・・・」


鉄鉱石は、ガラバド変異種を倒すことにより得られることは、パーソナルハンドヘルドコンピューターの資料からわかっていた。

だが、どこに生息しているのかまではわからなかった。


銅鉱石は、壊れたM.A.C.S.や機械などに使用されている電気ケーブルから得ることができるが、そんな泥棒みたいなことはしたくない。


残るはボーキサイトだが、「外」に出たときに、廃棄場があったのを確認している。

メタルセル建築時に使用されて破棄されたものや、毎日大量に排出されてまだ未処理のものがそこにあるかもしれない。


「よし、これにしよう」


と、ネイトが「ボーキサイト200キログラム」を選択した。

というのも、借りているレンタルM.A.C.S.に積み込めるのは200キログラムが限界で、必然的にそのクエストを選択せざるを得なかったためである。


アイアンランクのクエスト報酬は、どれも通っていて、大体800ヴェルほどだ。


ちなみに、一般的な食事の提供は、1食あたり40ヴェル程度で、

800ヴェルは1週間弱の食費に相当する。

(レーションを買えばもっと安くなる)


「ピピッ・・・ジュリョウシマシタ。

 エクスプローラーズ・オブリュージュ!」


クエストはパーソナルハンドヘルドコンピューターに転送され、いつでも確認ができるようになっている。

受領してから完了するまで期間が設定されていて、今受けたクエストの場合だと2日だ。

それ以上経過すると、クエストが破棄される仕組みとなっている。

クエストによってはペナルティーを支払うことになるため、クエスト選びは慎重にならなければならない。


こうして、ネイトたちは初めての報酬を受け取り、クエストも受注した。

2日以内にボーキサイトを200キログラム集め、納品しなくてはならない。


「今日はこれくらいにして、明日からクエストを進めよう」


「わかったよ、今日はここでお別れね!」


キャシーはどこか行きたいところがあったらしく、早々にHoMEを出ていった。

ネイトは特にすることもなかったので、他のクエストを調べたり、パーソナルハンドヘルドコンピューターの資料を漁ったりしていた。


読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマーク・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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