# 54. 海洋船
翌日、4人は海洋船乗り場に集まった。
既にビークルは海洋船に積み込んであり、出発を待つだけとなっている。
「海かー!私初めて!」
「俺も初めてだぜ!」
「結構酔うから気をつけることね」
海洋船「ウェーブランナー(Wave Runner)」は、サハル・リージョンとイースタン・リージョンを結ぶ船で、M.A.C.S.などを載せて行き来している。
海のモンスターが出現する可能性があるため、タレットや迫撃砲が設置されているのはトランスポーターと同じだ。
向かうは、ヌサンタラ大陸の南東端にあるコロニーだ。ここから500キロほど、途中リージョンの境界線をまたぎ、本格的にイースタン・リージョンへと入ることになる。
コロニーでよくある「検問」は、リージョン間では存在しない。
地理的特性で分けているだけであって、何かの支配下というわけではないからだ。
「よし、乗船しよう!」
一行はウェーブランナーに乗り込んだ。
「地面が揺れる」ということを経験したことのないドクター以外の3人は、わずかに揺れる船でバランス取りに手こずっていた。
「まだ出発していないのにこんなに揺れるのか…」
「ふふっ、動き出したらこんなもんじゃないわよ」
と、さすが経験者のドクター。
やがて汽笛が鳴り、ウェーブランナーはヌサンタラ大陸へと進み始める。
「ポーン!
本日は、海洋船『ウェーブランナー』にご乗船誠にありがとうございます。
当海洋船は、カラブール・コロニーを出発し、500キロほど北上した所にあるヌサンタラ大陸南東の『トランヴィニア・コロニー』へと参ります。
途中、サハル・リージョンからイースタン・リージョンに入ります。
移動時間は約14時間。気候の影響で多少揺れますが、航行に支障はございません。
では、良い船旅を。ポーン!」
ウェーブランナーはスピードを上げ、16ノットほどまで上昇した。
それに伴い、波を乗り切るたびに揺れが顕著になる。
「結構揺れるね―!」
「うっぷ、きついぜー!」
「こ、これは…」
ドクター以外は、初めて乗る船の揺れに対応しきれないでいた。
ドクターは慣れたもので、
「私はレストランに行って軽くなにか食べてくるわね」
と、その場を後にした。
ウェーブランナーは、リンカーンやトランスポーターと違って飲食は有料である。
ドクターは300ヴェル(ワイン1杯付き)を支払い、少し手の込んだ料理を頼んだのであった。
「やっぱり、船旅で食べる料理はこれね!」
ドクターが注文したのは「シーシェパード・プレート(Sea Shepherd Plate)」だった。
数少ない海洋生物が生息できる領域の生物を活かしたシーフード料理である。
魚介類はもちろん、海藻などを使ってサラダのように仕上げられているそれは、まさにシーフードの定番料理と言えよう。
300ヴェルは、ワイン1杯30ヴェル分を差し引いても、レストランで出される料理一品分にしては若干高めである。
これは、生息領域が限られているためと、陸揚げ高が制限されていることと、鮮度を保つために冷凍庫が必要という手間もあり、船旅は一度出向すると補給ができないことも手伝って、若干高めの値段に設定されているのだ。
やがて、キャシーもレストランにやってくる。
「この揺れに結構慣れたよー!」
と、さすがファイタータイプ。バランス感覚が良い。
「私は塩漬け肉を食べようかな!
少し塩分が欲しくて」
240ヴェルを支払い、塩漬け肉が運ばれてきた。
「うんうん、美味しいねー!
水も美味しい!
ビッグフットじゃこんなに美味しい水なんて無かったよー!」
船旅での楽しみは、食事くらいしかない。
なので、お金を払ってでも食事にありつきたいと思うのは至極当然のことなのだ。
続いてネイトがレストランに入ってきた。
「揺れにも少し慣れてきた。
途端に腹が減ってな…。
俺はマリンスイーツを貰おう」
「スイーツなんて、女の子みたい!」
「たまには甘いもの食べたくなるんだよ」
「そうなんだー!」
配膳されたマリンスイーツとコップ一杯の水。
ネイトはまず水を飲んだ。
「水美味しいな。
ビッグフットじゃこんな美味しい水はお目にかかれなかった」
「それ私がさっき言ったよ―!」
と、一同笑いながら食事を堪能していた。
エヴィはと言うと…。
「OEPP!きついぜ―!」
と、この揺れに適応でずに一人苦しんでいた。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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