# 53. カラブール・コロニー
カラブール・コロニーは、開放的で、キャンプの人間とも仲が良い。
ゲートキーパーも口和やかで話していて気持ちが良い。
数あるコロニーの中でも異色と言えるだろう。
更にここのコロニーはサハル・リージョンの北の玄関口とも言われていて、船が行き来している。
リンカーンの停留場にもなっているため、直接ここへ来る探索者も少なくはないという。
「ホームポジションが登録されているはずだ。
ビッグフットにも戻れるぞ!」
「あたしはビッグフットには行ったことないけどね!」
一同、がくんと肩を下ろす。
「さて、俺達は、サハル・リージョンを抜けて、北にあるイースタン・リージョンに向かう。
船は、ヌサンタラ大陸(Nusantara Continent)」までしかないので、そこからは陸路になる。
目的地はヤマトだ。
知っての通り、ヤマトはドクターの生まれ故郷でもある」
「ヤマトにはまだあたしの家があるんだよ。着いたらご馳走するよ!」
「やったぜ!」
とエヴィ。
食に関しては彼の右に出るものはいないだろう。
「それとネイト、ちょっと相談なんだけど…」
「どうした?」
「北半球に向かうにつれて、季節が変わる。今こちらは暴風季だが、向こうは雨季だ。
キャシーのバイクでの走行は危険かもしれない」
「確かに…、そうだな」
M.A.C.S.やバギーはある程度の防水対策が施されているが、キャシーのバイクにはそういうものがなく、雨風をモロに受けてしまう。文字通り雨が振り続ける雨季でバイクによる長距離の移動は非常に危険な行為なのだ。
「そこでだ、バイクはM.A.C.S.に積んで、キャシーをあたしのバギーに乗せて行くのはどうだい?」
なかなか良い申し出だった。
キャシーのバイノクスをバギーに装着したら索敵の効果も上がる。
サーマルセンサーやオービタルサイトの情報がバギーに備え付けられているディスプレイに表示されるため、視認しやすいのだ。
「わかった、そうしよう。
キャシー、それでいいな?」
「うん、オッケーだよ!」
「昼がまだだったな。
ドクターの加入祝いも兼ねて、ダイナーへ行こう」
一行はダイナーへ向かい、皆それぞれ食べたいものを注文する。
「ここにはラブタ(豚の亜種)のステーキがあるんだな!
俺はそれにするぜ!」
「私はニュートリプレートね!」
「あたしはグリーンフードをお願い」
「俺はどうするかな…、ジェルヌードルを頼む。
あと今日は、ここに一泊するのでアルコールは解禁だ!」
「やったー!」
合成アルコールではあるが、それでも十分酔えるものだ。
「俺はキュリィ割りだぜ!」
皆口々に料理を頬張る。
ふと、ネイトがドクターに質問をする。
「ドクター、ランクはシルバーランクだったな。
どこでランクアップしたんだ?」
「ああ、それは、サハル・リージョンに来てからだよ。
ダーファス・コロニーでランクアップ試験を受けたんだよね。
他のメンバーもそこでシルバーランクになったよ」
「今他のメンバーはどこに?」
「さぁ、知らないねぇ。
あたしはシルバーランクになってすぐに探索者を引退したからね。
だからシルバーランク-(マイナス)なんだよ。
アシストグループもその時に抜けたんだ。
キャンプを転々としていたけど、彼らに出会わなかったので、イースタン・リージョンに戻っているのかもしれないね」
「そうか…。
参考までに聞きたいんだが、在籍していたアシストグループの名前は?」
「鳳凰衆(Phoenix Clan。ほうおうしゅう)って言うんだよ。
戦闘系のアシストグループでね、HLNMをメインに狩っていたんだ。
だから怪我人が多くてねぇ…」
「なるほど、色々聞いて済まなかった」
「いいのよ!」
その後、皆は会話を楽しみながら料理を食べ、合成アルコールを嗜んだのであった。
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