# 47. 名もなきキャンプ
あれからエンカウントはなく、数時間が経過しようとしていた。
「あれかな?
見えてきたぞ」
と、前方に巨大なテントが見えてきた。
テントと言うよりは、サーカス団が使うようなビッグトップ(Big Top)のようだった。
テントの外には、大きな木箱がいくつも置いてあった。
「変わったところだねー!」
「こういうのは初めて見るぜ!」
ビークルを停め、エントランスゲートを通り、中へ入る。
「広い!」
「こんなところもあるとはね」
外から見たときより、中は広く感じた。
屋根の部分がところどころ破けて、空が見えている。
そこら中からいい匂いがしてきたり、子供達がキャッキャと騒ぐ声が聞こえる。
そこへ住人が話しかけてくる。
「ようこそ、我々のキャンプへ!」
「補給をしたいんだが施設はあるか?」
「はい、ありますよ。入口入って右手奥がそうです」
「きゅ…キュリィはあるか!?」
「はい、それもありますよ。バー『エノドロア』にて承っております」
「それは助かるぜ!
ネイト、俺はキュリィを買ってくる!補給は頼んだぜー!」
と、走ってバーへ向かっていくエヴィ。
「やれやれ…。
まずは補給だ。その後、バーに行ってエヴィと合流しよう」
補給は、スタッフがしてくれるようだった。
助かったとネイト。あんな重い物、素手で持ち運びたくないと思ってたからだ。
「4台合計、1,200ヴェルになります」
各自支払いを済ませ、エヴィの分はネイトが支払い、補給はスタッフに任せ、一行はエヴィのいるバーへ向かった。
「ここか」
バー「エノドロア」と書いてある。
キャンプの名前はないのに、バーに名前があるとは不思議なものだ。
カランと、ドアが開き、ネイトらはバーに入っていく。
「おーい、こっちこっち!」
とエヴィが手招きをしている。
もう食事に手を付けているようだった。
全員席につくと、
「キュリィはどうだったんだ?」
「ああ、おかげさまでキュリィカートリッジと炭酸リキッドを買えたぜ!」
キュリィは、サーバーからそのまま出てくるのではなく、カートリッジの中で粉末状になっているキュリィの元を、炭酸リキッドで混ぜることによりキュリィができる。
必要な分だけ作ることができるので、無駄がないというわけだ。
エヴィ以外の3人はメニューを見てオーダーする。
「俺はグリーンフード(Green Food)を頼む」
「私はバランスミール(Balance Meal)をお願い!」
「あたしはメトロプレート(Metro Plate)ね」
グリーンフードは、環境負荷を抑えた植物由来の栄養食で自然に近い味と食感を追求している。
バランスミールは、主食・タンパク質・野菜がバランスよく組み合わされている。
メトロプレートは、調理不要で、そのまま食べられるといった特徴を持つ。
ネイトは割とグルメで、キャシーはファイタータイプで消耗が激しいのか栄養価の高いものを、ドクターは急患が出たときにもすぐに食事を終えられるために簡単なものをチョイスしている。
エヴィはというと、バイオビーフバーガー (Bio-Beef Burger)を食べていた。これは、脂質やカロリーをコントロールした培養肉を使用したバーガーである。
「やっぱ肉だよな!」
とエヴィ。
と、マスターが話しかけてきた。
「お前さんたち、どこに行くつまりなんだい?」
「俺達はビッグフットから来て、ここから北にあるカラブールを目指している。船に乗るつもりなんだ」
「なら、重砂(Heavy Dune。じゅうさ)に気をつけるんだな」
「重砂?」
「そうだ、この先北100キロ先を行くと、トリリウム反応の起こらない砂漠地帯に着く。そこではM.A.C.S.が動かないので、『トランスポーター』と呼ばれる乗り物で重砂を渡るのが常套手段なんだ。迂回することもできるが、その砂漠地帯は幅600キロもある。とてもじゃないが、迂回しきれない。『トランスポーター』に乗るのが懸命だろう」
「なるほど。
情報をありがとう」
「重砂か…」
「ドクター、何か知っているのか?」
「知っているというわけではないんだけど、マスターの言った通り重砂ではトリリウム反応が起こらない。
だけど、あたしのバギーやキャシーのバイクなんかは圧縮水素を動力源としているから、その影響を受けないんだ。『トランスポーター』も確か圧縮水素を使っていたはずだよ」
「今回、俺とネイトの出番はなさそうだな―!」
とエヴィは残念そうに言った。
最近、彼は戦闘に参加できないことが多いからだ。
「キメラ VX シーカーを撃ちたいぜ!」
食事を終えた一行は、暗くなりかけていた空を見つつ、今日の宿泊先へ向かうのであった。
「明日朝の集合時間まで自由行動だ。各自休息を取ってくれ」
皆それぞれの場所に散っていった。
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拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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