# 37. コロニーの夜
コロニー入口のゲートキーパーにライセンスカードを見せる。
この前来たときはアイアンランクで、しかも自前のM.A.C.S.で乗ってきたから怪しがられていたが、今回はブロンズランクだ。特に足止めされること無く中に入ることができた。
M.A.C.S.とバイクを駐車し、コロニー奥へ進む。
相変わらず道路に流れ込む雑踏がすごい。
ここへ来た目的は、目撃報告のあったコロニーというというのもあったが、タバーンと呼ばれる宿屋兼酒場へ寄って情報を仕入れるためだ。酔いが回れば口も軽くなるはずだとネイトは考えていたのだ。
時間的にも夜なのでそこそこ賑わっているはずだ。
「腹減ったぜ―!」
とエヴィ。
リンカーンで散々食べただろうというツッコミはしないことにした。
人をかき分け、目的の場所につく一行。
【Adventurers Inn】
「よし、ここに入って情報収集だ。飲み食いは構わないが、目的を忘れるなよ」
「よっしゃー!」
カランと、ドアに取り付けられているベルが鳴る。
中はとても賑わっていて、会話や飲み食いする人々で溢れかえっていた。
酒やタバコの匂いが入り混じった空気が流れ込んでくる。
「いらっしゃーい!
空いているところに座っとくれー!
あとで注文取りに行くよ!」
ここの酒場は、飲み物だけ注文をして食べ物は自分で取ってくるというバイキング形式だ。
エヴィは意気揚々とこれでもかと言わんばかりに更に大量の肉を乗せている。
「やっぱ肉だよな!肉!」
「私はスープね」
「俺は腹いっぱいだから、エールだけでいい」
「飲み物のご注文は?」
「ああ、エールをみっつお願いする」
「毎度あり―!」
エールを片手に、目星をつけていた探索者風のパーティーに声を掛ける。
「あんたらに聞きたいことがある」
「…さあて、どうだかな」
「ドクターマッセイという20代くらいの女性を探している。何か知らないか?」
「さあな、俺の記憶は、どうも喉が渇いていると曖昧になるんだ」
「なるほど」
ネイトは店員を呼び止め、
「彼らにエールを。支払いは俺がする」
「毎度あり―!」
「お、気前がいいじゃないか」
エールをぐいっと飲み、
「ははっ、やっぱり探索者は話が早いな」
「さて、さっきの話の続きなんだが…」
「そうだな、俺は直接は知らないんだが、知っているかもしれない人物なら知っているぞ」
「と言うと?」
「あそこの、隅にいる探索者だよ。キホリって名前の吟遊詩人なんだが、コロニーやキャンプを転々として詩を吟っているらしい。奴なら何か知っているんじゃないか?」
「わかった、ありがとう」
「こちらこそ、エールごちそうさん!」
ネイトは、席を立ち、隅に座っている吟遊詩人に声をかけた。
「キホリだな?俺は探索者のネイサン・バーグウェルだ。ちょっと聞きたいことがあるんだが」
と、店員を呼び止めエールを頼もうとしたところ、
「私は飲みません。聞きたいこととは何でしょうか?」
対価を求めない探索者もいるんだなと思いながら、話を続けた。
先程と同じく、ドクターマッセイを探していること、彼女はここより南西にあるキャンプで目撃情報があり、更に南へ行ったところにあるアイネリンド・タワーへ向かったことを伝えた。
「その方なら知っています。HoMEに連絡したのは私ですから」
「そうだったのか!情報をありがとう」
「いいえ、たまたま見つけたものですから。まずは、ここから南西にあるキャンプを目指してみるのが良いでしょう。彼女はヒーラー職で戦闘には直接参加しません。なので、ドライビングライセンスもファイティングライセンスも持っておらず、バギーで拠点を転々としているようです」
「特徴はわかるか?髪の色とか…」
「フードを被っていたので髪はよくわかりませんでしたが、若いふうに見えましたよ」
「そうか、ありがとう」
と、ネイトはお礼を言い、キャシーとエヴィのところへ戻った。
「どうやら、彼女が南西のキャンプへ寄ったのは間違いないらしい。戦闘を避け、バギーで拠点間を移動しているとのことだ」
「じゃあ、まずは南西のキャンプだな!」
「そうだな、キャンプはここから南西に60キロほど進んだところにあるらしい。今日はもう暗いし、飲んでることもあって、出発は明日からにする。各自適当に楽しんだら休むように。明日朝ゲート前に集合だ」
「わかったよー!私はもう寝るね!」
「俺はもう少し楽しんでいくぜ!」
「俺も眠いので寝る。ちょっと調べたいこともあるしな。マスター、部屋を頼む。3部屋だ」
「へい、一部屋200ヴェルになりますぜ。毎度あり―!」
そうして、夜は更けていくのであった。
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