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# 349. ニャーガムでの過ごし方-ネイト/ドクター編

この度はご愛読ありがとうございます。


お陰様で、24,000PVを突破することができました。

引き続き、一生懸命執筆していきますので、もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。

少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)

ネイトは宿の自室に戻り、あるプログラムを組むのに勤しんでいた。

それは、きたるエヴィとアマリアの結婚式で、来賓者の自動移動やホロムービーを撮影するためのベストなムーブタイムラインの算出、鐘楼に合わせたBGMの選出、宗教都市ということもあり、神様にご報告という意味合いも含めて、実際の僧侶への参加のお願い、などなどと準備を進めていた。

式場には旗なども飾るが、多分誰も気づかないと思うが、エヴィとアマリアの出身地にちなんだカラーを選択した。

また、多少のゲン担ぎの意味も含めているが、式場に散らす花も選んだ。花の種類はカサブランカで、花言葉に「純粋」「祝福」といった意味を持つめでたい花である。そしてワンポイントカラーとして、ブルースターもセレクト、この花の花言葉は「信じあう心」であり、これもまた荒廃した世界でふたり(とエッダ)が手を取り合い助け合って生き延びていくというのにぴったりの花である。


ネイトは結婚式を演出するのは初めてのことであり、そういうサービスに頼んでも良かったが、頼んだ店の色が濃く出てしまうことを避けて、可能な限り自分で調べ、演出を考えた。


式場の予約も忘れてはいけない。物事をお祝いするチャーチはたくさんあり、正直言ってどこにしたら良いのか見当がつかなかった。が、あるチャーチに飾られているステンドクラスを気に入り、その場所を押さえたのであった。


こうして、結婚式の構成を少しずつ形作り、ほぼ出来たところでドクターに見てもらった。


「…と、こういう段取りで行きたいんだが、どうだ?」


「そうね。大方は良いと思うわ。ただ…」


「ただ…?」


「ライティングがちょっと甘いわね。もっと二人を目立たせるように追従ライトをいくつか用意したほうが良いわ」


「ライトか、なるほど。色や角度を変えて3個くらいあればいいか?」


「そうね、それくらいで十分だわ」


「来賓者にホロカメラはまわっているの?」


「ああ、それま問題ないはずだ。全員、指定された場所に送っている。普段外に出っぱなしな探索者もその時ばかりは室内にいてくれるはずだ。それと同時に合成する衣装も選んでもらっている」


「準備万端ってわけね」


「ちょっと聞きたいんだが…」


「なに?」


「ドクターにはマーキーという子供がいるじゃないか。つまり結婚しているということだよな?式は挙げなかったのか?」


「そうね、式は挙げなかったわ。マーキーを産んですぐに、『ベビー用品代を稼いでくる』と言って、無言の亡骸で帰ってきたわ」


「そうか、済まない」


「いいのよ」


「でも、式に参加したことは何度かあるわ。バーチャルじゃなくてリアルだけどね。大勢の来賓者がチャーチ内の椅子に並んで、静かに新郎新婦を見守っていたわ。その後に披露宴というものがあって、場所を変えて、新婦が何度解消を変えて、さながらファッションショーのようだったわ」


「なるほど、披露宴か」


「でも、エヴィとアマリアから皆へのお返しという意味もあるから、エヴィの料理やアマリアの踊りを披露するのも良いかもしれないわね」


「アマリアはともかく、エヴィにはなんて言おうか。料理を作ってくれと言っても、相手は遠隔だ。食べられない」


「ミュージカルキーボードレスシンセサイザーに対応する楽器を用意してみては?一切の練習をしなくても、その場のノリで演奏できるわよ」


「そうか、それにしよう。あとは、エヴィとアマリアの衣装なんだが…」


「リアルかバーチャルで迷っているのね」


「そうだ。リアルだと着替える時間がもったいない、がバーチャルにすると実際に式場に来てくれた来賓者に対して失礼だ…」


「それは昔ながらのリアルでいいんじゃないかしら。新郎新婦が着替える時間は来賓者同士が話せる絶好の機会よ」


「なるほど、そうか…」


「あと、少なくともあたし達は全員正装で参列しましょう。ここならレンタルならいくらでもあるし、たまには『そういう衣装』を着てみるのも経験よ」


「そうだな、そうしよう。ドクターはどういう衣装にしていたんだ?」


「今は廃れてしまって無いんだけど、当時はHoMEの正装というものがあって、それを着て参列していたわ。でもそれがあまりにも旧現代文明時代の軍服を連想させるものだから、あっという間に無くなっていたわね。その後は適当なレンタル衣装屋で、新婦より目立たない格好で参列していたわ」


「なるほど…、そういう事もあったんだな」


「あとは、新郎新婦二人の軌跡を描いたホログラムムービーを作ったりしたわね」


「ホログラムムービーか…、戦いか料理くらいしか無いな…」


「だからね、代わりにニッキ・ヨズンのあの画を飾ってみてはどうかしら?オリジナルの画像データはあたしが持っているわ」


「なるほど、それは良い考えだな!」


ニッキ・ヨズンはデジタル画家だが、描いた画はコピーすると細部から滲んでいき、いわゆるブロックノイズが発生しだして、見た目が少しずつ劣化していく。AIで補間する方法もあるにはあるが、オリジナルの画像を復元することは難しい。なのでコピーの浅いものほど価値が上がり、オリジナルを「譲渡」するとかなり高額の取引となる。

デジタルなのにコピーしただけで劣化するのは変な話ではあるが、コピーするファイルのヘッダー領域に「このファイルはどういうファイルなのか」という情報が書かれていて、厳重にプロテクトされたその区画にコピー情報も一緒に保存されるのである。「劣化あり」と記されていれば画像はコピー時に再エンコードされて劣化していくという仕組みだ。「コピー」は、バーチュフレームに投影するという行為もコピーと見なされる。なので、ドクターが持っているオリジナルを投影する分には劣化が少ないが、3回目、4回目のコピーとなるとかなり劣化しだす。また、コピー可能な回数も決められるようになっていて、この絵画の場合は2回となっている。ハウスにあるのはリコが受け取ったコピーで、1段階目のコピーということになる。


ネイトは、ドクターと一緒になってカメラアングル等の調整などを行っていった。ここをこうしてみてはどうかなど、あーでもない、こうでもないと、思いついては調整し、かなりの時間を費やしていた。これはまるで、キャシーとアシストグループの名前をつけるときのようであり、ネイトもそう感じていた。


数時間後、


「ふぅ、結構出来てきたな。あともう少しだ」


来賓者の位置、エヴィとアマリアの移動、ライトの位置、カメラの位置、様々なバーチャル装飾品、サウンドなど。

エヴィとアマリア、スパークルスプリングスのメンバーと、そして神父はリアルで存在している。メンバーには既に「◯日後に、正装でチャーチに集合のこと」と連絡してある。エヴィにも同様の連絡をしてあるが、未だに結婚式のこととは梅雨ほども思っておらず、派手な格好で来るかもしれないが、新郎新婦の正装はこちらで用意しているので着替えてもらうだけだ。


それから、夫婦の証である「指輪」も準備し始めた。

サイズやデザインに関しては、もう色々と感づいているアマリアに直接聞いて調整し、式当日までに完成している手筈で進めてある。


「楽しみー!でもエヴィはまだ気づかないのは笑えるね!」


全く同感であると、ネイトとドクター。


更にドクターは、


「我が子が旅立つようだわ」


と思っていた。


式はいくつか配置してあるカメラによって、ホログラムムービーとして記録、メディアを新郎新婦及び希望者に手渡すこととなっている。これにも著作権が絡むため、コピープロテクトとコピー回数が設定される。

こうして、式の準備が着々と進んでいったのである。



読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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