# 30. 砂の海
「行こうか」
地上に出た一行は、ビッグフット東部より80キロ先にある砂漠地帯を目指して走り始めた。
地上世界には、季節というものがある。
昔は色々とあったのだが、この時代の季節はだいたい「雨季」「乾季」「暴風季」「大雪季」の4種となっている。場所によって、雨季と乾季しかないところもある。雨季といっても、恵みの雨ではなくいわゆる酸性雨であり、対策を怠ると、あっという間に腐食してしまうので注意が必要だ。
現在は乾季であり、空気が非常に乾いている。また暴風季に差し掛かろうとしているためか、風が若干強い。
ベルノイド数匹と戦った程度で、3時間程度で目的の砂漠地帯に到着した。
見渡さん限りの砂丘で、ここに本当に討伐対象がいるのか不安になっていた。
「索敵範囲を最大にしても反応がない。
キャシー、バイノクスのオービタルサイトからなにか見えるか?」
オービタルサイトとは、軌道上にある衛星が送ってくるデータのことで、まるで大きな地図を広げたように広範囲を見ることができる仕組みのことだ。
「うーん、見えないね!」
「そうか…。進むしか無いか」
と、一行は砂漠地帯にゆっくりと入っていくのであった。
30分後、キャシーから、
「前方に動態反応あり!だけど、反応でたり無くなったりしてるよ!」
「どういうことだ…?」
「近づいてくるよ―!距離240メートル、時速40キロで接近中!」
240メートルなら目視できるはずなのだが、砂丘の影にいるのだろうか、確認はできなかった。
「見えたー!」
砂に潜ったりジャンプしたりして近づいてきている。
動態反応に出たり無くなったりしていたのはそれが原因だろう。
「泳いでいる…のか?」
アナウンスが流れる。
【ブロンズランククエスト】
ネームドモンスター:サンドダイバー・キラーホエール(Sand diver Killer whale)
タイプ:エ・ギン異形種
討伐推奨ランク:ブロンズ
討伐賞金:14,000ヴェル
他報酬:M.A.C.S.パーツ:6輪車
「作戦開始だ。俺とエヴィによる遠隔攻撃、距離が縮まったら、キャシー、追撃を頼む」
「わかったよー!」
「了解だぜ!」
ランドクロウラーの主砲が火を吹く。
続くドラゴンフライの副砲も確実にサンドダイバーに当てていく。
しかし、これとった決定打はなく、戦闘は長引いた。
「よし、チャージアタック行くぜ!
荒ぶる弾薬の連砲!」
パパパパシュ!という強い音とともに、強烈な連撃がサンドダイバーを貫く。
「いいぞ!キャシー、追撃だ!」
「それじゃあ、いっくよー!
回転する力の軌跡!」
キャシーは、ジェットハンマーの推進力をうまく操作して円起動を描き回転してその威力を増していた。くるくると回転し、サンドダイバーへの攻撃へと転じる。
ドガッ!とサンドダイバーにスマッシュヒット。
スキルでの攻撃が当たったので、相当なダメージを負わせたはずだ。
「ピピッ…エ・ギン イギョウシュ 1タイ トウバツ シマシタ」
「よし!あと1体、付近にいるはずだ!」
ズサァァという砂の舞う音が後ろから聞こえた。もう一体のサンドダイバー・キラーホエールが現れたのだ。
「挟み撃ちにしようとしていたわけか!
俺もチャージアタックだ。
炸裂する大砲の震撃!」
強烈な主砲が、サンドダイバーに着弾する。
急所にあたったのだろうか、その一発で倒すことができたようだ。
「ピピッ…エ・ギン イギョウシュ 1タイ トウバツ シマシタ」
「倒せた…」
「やったね!」
「やったぞー!」
口々に喜びを言っていたが、そのうちスキルの呼び方のツッコミ大会となった。
「回転する力の軌跡?」
「へへん、良いでしょ!
ここに来るまでに、ずっと考えていたんだよ!ネイトのは、炸裂する大砲の…なんとか?」
「震撃、な。俺も考えていた」
「俺はずっと前から使ってる『スキル』、荒ぶる弾薬の連砲だ!
副砲の超連射で、敵を蹂躙するぜ!」
皆、スキルについては色々と考えていたようだ。
スキルに名がつくと、戦闘しているという実感が湧いてくる。
これまで淡々と射撃や打撃をしていたが、スキルによって戦術の幅が広がるのがわかった。
スキルによる攻撃は非常に強力だが、次に使用できるようになるまで少々時間がかかる。
使い所を考えなくてはならない。
「よし、ビッグフットに戻ろう」
まだ日が出ていて活動できそうだったが無理は良くない。
一行は早々に帰路についたのだった。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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