# 26. 戦果
ビッグフットから移動に2時間、ダンジョンに入って更に6時間が経過しようとしていた。
皆疲れ切った感じでダンジョンの入口まで戻ってきた。
外はもう真っ暗になっていた。
「ここでテントを張ろう。M.A.C.S.は警戒モードにする」
総勢7名のテントがひとつの焚き火を囲む。
これを50倍くらいに拡大したらテント街になるのだろうかとネイトは考えていた。
コックは手際よくグレート・ワイルドボアの肉の調理を開始した。
「そのまま焼いて食べるのも美味しいんですが、薄く切ってお湯にくぐらせたり、油で揚げたりするのも、また美味しいんです」
さすが食材探しのためのアシストグループなだけはある。
彼のM.A.C.S.には調理のための様々な道具や調味料が揃えてあり、テキパキと準備を進めていった。
グレート・ワイルドボアを器用に捌き、血抜きをし、肉と皮と骨に分けていく。
肉を更に部位ごとに分けて切り分け、不要部位を取り払う。
その巨躯からは思えないほど綺麗な肉片に、皆それに見入っていた。
次に肉片を口にする形に切っていく。
ある部位は薄く切り、ある部位はブロック状に。
そしてあらかじめ熱していた調理器具にそれらを放り込む。
調味料と混ぜ、次第に料理手しての姿が現れ始める。
ジューシーな匂いがあたりを包み込み始める。
「美味しそう…」
とキャシー、
「(ゴクリ)」
とエヴィ。
皆腹を空かせていて、早く食べたい衝動を抑えていたのだった。
メタルセルで日雇いの仕事をしていたときはもちろん、地上に出ても、匂いだけでここまで食欲が湧いてくる料理は無かったからだ。
コックは、皆の分の皿とフォークを用意し配った。
「もう少しで完成ですよ」
良い匂いは極限にまで達し、その匂いでモンスターが釣られてくるのではと思ってしまうほどだ。
エヴィは目をキラキラ輝かせ、今か今かと待っている。
そして、十数分後…
「完成しましたよ。さぁ、たくさん食べてください!」
皆皿を手に取り、
「いただきます!」
一斉にかぶりついた。
「こ、これは…」
「すごく美味しいよー!」
「う、うまい!」
ネイト達は語彙力の無い感想を言いながら料理を味わった。
ロンロは言う、
「俺達は、この瞬間のために活動しているんだ。美味いものを食べたときの感動は何物にも代えがたい…。『ボーンズ』っていう名前は、普段は捨ててしまう動物の骨を煮詰めて出汁っていうのを取り出すことがある。そこから付けたんだ」
「なるほど、活動目的に合った良い名だ」
「この、薄く切ったやつ、しゃぶしゃぶっていうの?タレもあっさりしてて、美味しいよー!」
「揚げたやつもサクサクしてうまいぜ!」
「肉はまだまだありますので、たくさん食べてくださいな」
皆戦闘の疲れを忘れ、ひたすら食すのであった。
ひとしきり食べた後、皆の食欲が落ち着いたのか、今度は眠気が襲ってきた。
「今日は美味しいものを食べることができた。ありがとう」
「こちらこそ、申し出を受けてもらって助かった」
「俺達はビッグフットの繁華街で『トラットリア・ボーンズ(イタリア語で大衆食堂という意味)』というレストランを経営している。もし、繁華街に来ることがあったら寄ってくれ。ご馳走する」
「繁華街には行ったことがないので、知らなかった。是非寄らせてもらうよ」
そして、皆テントに入り、夜は更けていくのであった。
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