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# 251. ハウスへ向かって

この度はご愛読ありがとうございます。


お陰様で、16,000PVを突破することができました。

引き続き、一生懸命執筆していきますので、もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。

少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)

数週間後、WUNC-Mからエヴィに特許の申請が通ったと連絡が来た。と同時にメッソ・ビバレッジからレーション販売の契約の話も来た。「ノーチペクタ熱伝導容器」を広めるまたとないチャンスであったので、エヴィはネイトとの協議の末、契約することとした。

また、意外だったのは、ウェルナー・クリーナブルズという医療用M.A.C.S.パーツを扱っている企業からもオファーが来ていた。なんでも、戦闘の前線で重症患者に輸血をする際、血液を急いで暖める必要があるそうで、今までは重い機械を手で運んでいたそうだが、この「ノーチペクタ熱伝導容器」を応用すると軽くて携帯できてしかも安心安全な医療器具を開発できそうとのことだったのだ。これについてはドクターと協議の末、こちらも契約することにした。


最初は単に、「早く温かい食事を食べたい」から始まったレーション作成であったが、いつの間にか企業を巻き込む大きな話になっていた。


そして一ヶ月後、つまりエッダの成長が安定した頃、ドクターからのお墨付きをもらい、メンバー全員でハウスを見に行くこととなった。


「まずは、リンカーンでレノク・コロニーまで行く。そこからは海沿いを400キロほど北上したところにある『エシアオス群島』入口地区に着く。急ぎたいところではあるが、エッダの初めての長距離移動だ。小さいながらもストレスを感じるかもしれない。2泊3日程度で着くくらいのペースで行こうと思う」


スフィアエントランスに集まったスパークルスプリングスのメンバーは、うんうんとネイトの話を聞いて、納得し、それぞれビークルへと乗り込んだ。


エッダにとっては、初めての「外」だ。まだ目はあんまり見えていないと思うが、光の強弱は感じるはずだ。強い光がストレスにならなければいいが…。


30分後、エレベーターは地上についてゲートが開く。

エッダがキャッキャキャッキャと笑う。てっきり初めての環境で不安を覚えて泣くと思っていたので、意外であった。


「もしかしたらこの子の探索者の血が騒いでいるのかもね」


そうアマリアは言った。


既に呼んであったリンカーンに乗り込み、一路レノク・コロニーに向かった。

移動時間は2時間程度で、あっという間に到着する。特に補給も修理も必要ないので、その足で海沿いを北上し始めた。


「この海の下に、アクアがあるなんてねー!」


「行ったことあるのに、あんまり実感沸かないわね」


ついさっき出向したばかりの潜航艇ディープブルーの姿が見えていて、それはまるでクジラのようだった。


北上開始2時間後、日は真上に昇り昼食の時間となった。安全そうな場所を見つけて、M.A.C.S.を警戒モードにして昼食を摂る。


「レーションなんだがよ!今回から新型だぜ!待ち時間は4分だ」


「短くなったねー!」


「ああ、企業からオファーが来るくらい頑張ったぜ!」


皆一斉に紐を引く。プシューという音とともに白い湯気が隙間から溢れる。


「見た目はあまり変わらないが…?」


「外からじゃわからないぜ。内側の容器の熱伝導構造が前のと違うんだ。まぁ4分待ってから蓋を開けてみてくれ!」


アマリアは、哺乳瓶専用の容器でミルクを温めて、エッダに与えていた。

そして4分後、湯気の勢いが収まり、蓋を開けるタイミングとなった。

恐る恐る蓋を開ける。


「これは…!」


「え!これ、アイス?ホカホカのコーンスープもあるよ?」


「どうだ、驚いたか!これがオレの傑作、『ノーチペクタ熱伝導容器』だぜ!さぁ、食ってくれ!」


「美味しいね!前のはわずかに温まっていないところがあったけど、今回のは隅々まで熱が通っているねー!」


「これがたった4分で出来上がるなんてな…」


「メッソ・ビバレッジと契約したから、そのうちこれと似たようレーションが店頭に並ぶかもしれないぜ!」


「医療の方にも期待が寄せられているのよ。軽くて丈夫、携帯性にも優れた輸血装置を作れるって」


「ああ、話が来たときはびっくりしたぜ!」


「出血によるショック症状、低体温症、様々なものから守れるわ。エヴィは、ほんと良くやったわよ」


「いや、俺は早くてうまいレーションをだな…」


エヴィは照れていた。


皆それぞれレーションを食べてデザートもたしなみ、エシアオス群島へと向かい始めた。


「アマリア、エッダの状態はどうだ?」


「お腹いっぱいになったのかぐっすり寝てるわ」


「そうか」


とネイトはそっけない返事をしたが、エッダはきっと大物になると思っていた。


それから夜になり、手頃な場所でテント泊をする。

その晩はエヴィの料理が振る舞われ、身軽になったアマリアは、エッダをドクターに預けて久しぶりに踊った。ミュージカルキーボードレスシンセサイザーがアマリアの踊りに反応して即興で作曲してくれる。それを皆で見て、明日への活力とするのであった。



読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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