# 23. ビッグフットへ
三人は、コロニー内の施設を尋ね回り、先に滞在していたエヴィから色々と情報を教えてもらった。
民間最大のコロニーであることは知っていたが、HoMEが介入したのはごく最近であること、HoMEの施設ができたと同時にリンカーンの停留所にもなったこと、そのため多くの探索者がやってきてコロニーの人々はちょっと困っているというか対応に手間取っているらしいこと。
近くにダンジョンがあるのだろうか。
確かに探索者と思われる人間が多いし、M.A.C.S.も結構停めてあった。
「俺を雇ったシルバーランクの『ナイト・スティールズ(Knight Steels)』はここを早々に立ち去ったよ」
と、エヴィ。
やはり、メタルセルとコロニー間の摩擦は小さくはないようだ。
ダーファス・コロニーに来た一番の理由は、地上へ出て冒険したかったというのもあるが、リンカーンの登録をして今後の長距離移動を楽にしたいということだった。
地上世界はモンスターが多く、また先の山賊のような輩もいる。
モンスターはともかく、人間相手に力でねじ伏せるのは容易ではあるが、できることならあまり接したくはない。
「この先はどうするんだい?」
とエヴィ。
「一旦、ビッグフットに戻ろうと思う。コロニーは若干居心地が悪い」
「そうか!じゃあ、リンカーンでひとっ飛びだな!」
「エヴィはM.A.C.S.を持っているのか?」
「いや、持っていないよ。いつもレンタルさ。ただ、たまにパーティーやアシストグループに付いていって、修理や改造をしていたんだ」
「そうか…」
M.A.C.S.を所有していないことはちょっと残念だったが、心強いことには変わりない。
レンタルでも、M.A.C.S.が増えることは大きな戦力になるからだ。
「必要な施設にはだいたい行った。これからリンカーンでビッグフットに戻る」
リンカーン(Linkern。居住地間長距離輸送移動機構)は、オメガ・トランスポーターズという企業が運営・管理しているメタルセルや主要なコロニーを結ぶ交通手段で、ホームポジションさえ登録してしまえばどこの停留所にも行くことができる。M.A.C.S.も載せていくことができるため、長距離移動はもっぱらリンカーンを使うことが多い。
三人はM.A.C.S.とバイクをリンカーン停留場まで移動させ、到着を待っていた。カポカーとは違い、すぐに乗れるものではないのだ。
「到着時間見ればよかったな…」
とネイト。
いつも計画慎重なのに珍しい。
待つこと40分。
ようやくリンカーンが到着した。
M.A.C.S.とバイクを搬入しながら、行き先を指定する。
どうやらHoMEからの資金提供を受けているらしく、使用料金は掛からないようだ。これは助かる。
程なくしてリンカーンは動き出した。
強力なジェット・リフトファン(送風機)が搭載されており、下方向に空気を送り推進力を発生させる。その浮力を利用して空中を移動する仕組みになっている。ゴォォォというファンの音が凄まじい。
「約6時間でビッグフットに到着するらしい。仮眠を取るなり、好きにしよう」
「わかったよー!」
とキャシー。
エヴィはリンカーンの動作機構に釘付けだった。
「俺、リンカーンに乗るの初めてなんだよ。すごいなこの乗り物!」
ネイトらも初めて乗るが、それは言わずに伏せておいた。
やがて、キャシーはスースーと寝息を立てて眠り始めた。よほど疲れていたのだろう。
ネイトは、パーソナルハンドヘルドコンピューターの資料を漁っている。
みんなそれぞれの時間を過ごしていた。
日が傾き、空が暗くなり始めた頃、リンカーンはビッグフット上空に到着した。
「ポーン!まもなくメタルセル・ビッグフットに到着します。
お間違え、お忘れ物など無いようにご利用ください。ポーン!」
「そろそろ到着するぞ!」
「ふぇ…、もう着くの?」
「帰って来るの一ヶ月ぶりだ!懐かしいな!」
それぞれの思いを胸に、彼らはビッグフットに帰還した。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。
みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。
頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m




