# 22. メカニック
ほぼ全てのメタルセルと主要なコロニーは、リンカーン(Linkern。接続するという意味)という居住地間長距離輸送移動機構がある。一度は現地に赴いてホームポジションを登録する必要があるが、登録さえしてしまえばリンカーンを使って移動が可能になる。
M.A.C.S.も載せて移動ができるため、移動コストの大幅な削減が見込める。「現地に赴いて」という部分がネックになっていて、使用するのは探索者がほとんどである。
今回、ネイトとキャシーはビッグフットから約一週間を掛けてダーファス・コロニーに到着した。この苦労がわずか数時間に減る。しかも、ウトウトしていても寝ていても安全かつ自動で移動することが可能になるのだ。
帰りはリンカーンを使えばあっという間にビッグフットだ。
HoMEでの用事も終わり、コロニー内をアテもなくふらついていたときだ。
男性の声で呼び止められた。
「ちょっと!あんたたち!」
なんだろう?
コロニーには知り合いはいないはずだ。無視して進もうとしたところ、
「ま、待ってくれ~。ちょっと話があるんだよ~」
「話し?」
「そうだ、話だよ。あんたら自分たちでM.A.C.S.持ってるよな?」
なんで知っているんだと、キャシーと目を合わせる。
男は続ける。
「俺はエヴェン・ダリス(Even Dhallis)ってんだ。エヴィって呼んでくれ。これでもメカニックさ。
毎日ゲートを見てるんだが、こう、なんというか、これだっというのがなくてね…。
それでさっき、ゲートキーパーに不審がられただろう?そこでピーンと来ちゃったんだよね。
あんたら、M.A.C.S.の修理や改造はどうしている?」
エヴェン・ダリスと名乗るこの男は、どうやらメカニックらしい。
「修理は修理屋に頼んで、改造は考えてはいるがまだしていないな」
足元を見られたくはないので、資金不足で改造できないことは伏せておいた。
「そうそう、そうだろうな!
単刀直入に言うぜ?
あんたら、メカニック欲しくないか?M.A.C.S.の修理・強化・改造は俺に任せろ!」
メカニックか…。
いずれ仲間にしたいとは思っていた。M.A.C.S.の改造にはとても多くのヴェルが必要になる。
仲間にメカニックがいれば、素材を用意してドッグ使用料さえ払えばずっと安上がりになる。
しかも、修理も任せられるため、例えば任務中にM.A.C.S.が故障してしまった場合、一旦戻るか、戻れない場合はレスキューを呼ぶしかない。それもヴェルが掛かってしまう。メカニックがいればそれもその場で修理してくれるため、任務の途中放棄を選択する必要がなくなる。
そしてメカニックは、操縦は下手ではあるがほぼ確実にドライビングライセンスも持っている。
つまりM.A.C.S.を複数台稼働させることができるわけだ。強力な戦力になる。
「ちょっと待ってくれ」
とネイト。
キャシーと小声で話し始めた。
(どうする?メカニックは正直欲しい。キャシーさえ良ければ何だが…)
(スパークルスプリングスのリーダーはネイトだよ!ネイトの決定に従うよ!)
(そうか、メカニックが入ると何かと助かるから、この際だから入ってもらおうと思う)
(うん、わかったよ!)
ネイトはわざとらしく咳払いをしてこう言った。
「いくつか質問させてくれ。まずは、ドライビングライセンスは持っているか?」
「もちろん、持ってるぜ!」
「ダーファス・コロニーにはどうやって?」
「もともと、ビッグフット生まれだったんだよ。シルバーランクのパーティーに付いてきてここのコロニーに滞在している感じだ。もうパーティーから外れたよ!」
「今のランクは?」
「ブロンズ、ブロンズ―(マイナス)だ!」
「ランクアップはどうやって?」
「その場雇いで実績を上げてきた。モグリじゃないぞ。正真正銘のブロンズランクのメカニックだ」
「アシストグループには入っているか?」
「入っているが、俺しかいない。破棄してあんたらのアシストグループに入っても良い」
もう心づもりはできているが、しばらく考える振りをして…、
「わかった、俺達のアシストグループ、『スパークルスプリングス』の加入を認めよう」
「やったぜ!そうこなくちゃな!よろしくだ!」
「こちらこそよろしく頼む」
「エヴィ、よろしくね!」
アシストグループ登録のため、ライセンスカードを出してもらい、パーソナルハンドヘルドコンピューターでスキャンした。
「アシストグループ登録人数、3名、と」
「リーダーさん、よろしく頼むよー!」
「紹介が遅れたな。俺はネイサン・バーグウェル。ネイトでいい」
「私は、キャスリン・ウェスレイ。キャシーでいいよ!」
「ネイトにキャシーだな。覚えたよ!」
こうしてアシストグループにメカニックが加わり、総人数が3名になった。
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拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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