# 208. ベルダの悩み
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少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
ベルダは悩んでいた。
というのも、エヴィやリコ、そしてアマリアがサブクラスを取得していたからだ。
自分はナイフにより超接近戦闘しかできないし、球体触覚も戦闘用だ。
自分から戦闘を取ったら何が残るのだろうかと考えた。
そこで、HoMEに行って、何か適正がないか調べてみることにした。
ひとりカポカーに乗り、HoMEへと赴く。
思えばひとりでカポカーに乗るのなんて初めてかもしれない。
10分後、カポカーはHoMEに到着した。
中に入り、係の者に内容を伝える。
「サブクラスを取得するための適性検査をしたい」
「承知しました。シミュレーター室で適性検査を行うので、そこへ行ってください」
「わかった」
ベルダは急ぎ、シミュレータ室へと向かった。
そして、空いているシミュレーターに乗り、適性検査を開始する。
調査内容は丸太を切ってみたり、銃を分解してまた組み立てたり、絵を描いてみたり、何やら念じてみたりなど多岐にわたった。
1時間ほどが好きたくらいだろうか、適性検査がようやく終わり、シミュレーターから出てきた。
更に10分後、係の者が出てきて結果を言いに来た。
「ベルダ・ベスさん、適性検査の結果、一番合っているクラスは…『サイキック』になります」
「サイキック?」
「はい。大まかに5つのサイキック能力があり、10段階評価でベルダ酸の場合ですと…、サイコキネシス4、テレポーテーション8、クレヤボヤンス(遠隔透視)6、プレコグニション(予知夢)9、ヒュプノシス(自己催眠)4、タイムワープ1、となります。この結果はサイキックの中でもなかなかの逸材と言えます」
「そうか…!なら、サブクラスをサイキックにしたい。試験を受けるのだろう?」
「先程の適性検査で試験はパスできますので、すぐにサブクラスにすることができますよ」
「そうは、それはありがたい。早速頼む」
「承知ました」
係の者はキーパッドコンソールを操作して、ベルダのサブクラスをサイキックに変更した。
「終わりましたよ。これが新しいライセンスカードです」
そこには、「サブクラス:サイキック」と書かれていた。
「ありがとう。しかし、サイキックなんて使ったことがない、訓練方法もわからない。どうしたら良いんだ?」
「素質はありますので、あとはそれを引き出すだけです。『サイキック訓練プログラム』に参加してください。早ければ1週間ほどで開花します」
「わかった。参加しよう」
「本日のプログラムは終わったので、明日朝起こしください」
「了解だ」
実はベルダは正夢をよく見るほうだった。夢で見たネイト達が実際に現れたので、アシストグループに入らせて欲しいと懇願したところ、これも夢のとおりに入ることができた。
キャシーが死亡してネイトが単身ドミニオン・シンジケートに乗り込んだことも実は夢で見ていた。その他にはアマリアの妊娠などもそうだった。ただ、あまりにも荒唐無稽だったので言わずに黙っていただけだった。
「やけに正夢が多いと思ったら、そういうことだったのか…」
ベルダは納得した。
そのことをドクターに相談した。
「なるほど、サイキックね…。すごく稀な能力よ。1,000万人にひとりいるかどうかくらい。その能力は医療でも買われていて、特にクレヤボヤンスによる患部の透視はとても役立つわ。診察のときにベルダに手伝ってもらうことになるかもしれないわね」
その後ドクターとも離してわかったことだが、ベルダの戦闘活動時間…現在は9分だが、それはヒュプノシスによる自己暗示によって時間制限する代わりに最大の能力を発揮するというものだった。脳にあった異物はそれを強化・制限するものだったとドクターは言っていた。
言われてみれば、これまでの行動にもなるほどと腑に落ちることが沢山ある。
次の日から、ベルダは朝早くからHoMEへ行ってサイキックの特訓をした。
今までなんとなくとか無意識に使っていたものを、意識的に使う特訓だ。
最初はゆっくりで構わない。徐々にスピードを上げていけば良い。そのうち息を吐くように使えるようになるらしい。サイコキネシスなど、例えば自分に向かって中を乱射してきても「避けるまでもない」そうだ。念じるだけで弾の速度をゼロにしてその場に落とすらしい。
特訓は1日3時間までと決められている。
結構体力を消費し、頭も使うので長時間の使用は危ないからだ。
それからベルダは毎日HoMEに通い、サイキックとしての能力を徐々に開花させていった。得手不得手はあるものの、得意な領力は目覚ましい結果を導き出していた。
やがてベルダは、このサイキックの能力を実践に取り入れたいと考え、シミュレーター室での仮想戦闘も始めた。これまでのフェイズシフトにテレポーテーションを加えさらなる移動の短縮化を行った。物理的な移動がなくなるため、攻撃を受けにくくなった。更に球体触覚による全方位の察知能力も加えて、接近戦はかなりの強さを誇ることになったはずだ。
実際、仮想戦闘レベルをプラチナランクレベルである50に設定し実践してみたが、7割ほどの敵を倒すことができた。
「これなら行ける…」
とベルダは確信した。
少しクラっとして、空腹感を覚えたので、今日の訓練を辞めて食事をするため繁華街へと出た。
そこで適当な店に入り、料理を注文する。
偶然なのかベルダの能力なのかわからないが、この店はエヴィの師匠であるベベダの、更に師匠である人物の店だった。
ベルダは適当に料理を注文して、配膳されるまでの間、今度どうしていくかを考えた。
訓練プログラムは続けるとして、仮想ではなく実践で何かしらの成果を得たい。一人でクエストを受注することも可能だが、せっかくなのでアシストグループで行こうと考えた。
すぐにネイトへ連絡した。
「ネイト、私用で申し訳ないんだが、私のサイキックの能力がどれだけ通用するかを知りたい。何かクエストを受けてくれないか?」
「わかった。考えておこう」
「よろしく頼む」
ベルダはほっと胸を撫で下ろし、出された料理を食べるのであった。
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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