# 202. イースタン・リージョンへ向けて
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少しずつ面白くなっていく…と思います!(精進します)
3日後、スパークルスプリングスのメンバーはスフィアエントランスに集合した。
「よし、イースタン・リージョンへ向けて船に乗るぞ」
「船かぁ…」
エヴィの船嫌いはまだ治っていないようだ。
「ここから南に100キロほど行ったところに、海洋フェリー乗り場があるそうだ。そこで船に乗る。昼くらいに到着予定だから、昼食は船の中で摂ることになるな」
「了解だぜ!」
エレベーターで地上まで登り、30分後、ゴゴゴゴゴ…と金属の擦れる鈍い音とともに眩しい光が差し込んでくる。
そしてビークルはゆっくりと進みだした。目指すは南へ100キロ先の海洋フェリー乗り場である。
昔はこの先にも列車が通っていたらしいが、戦争の影響かレールが破壊されたまま修復されずにいたので列車は通れないのだ。幸い、その横に並走する感じで道があり、それを辿ればフェリー乗り場まで行けそうだった。
「ピピピピピッ…」
キャシーのバイノクスが異常を捉える。
「ネイト、この300メートル先に何かいるよ。人間かな?30人くらいいるよー!」
「わかった。皆警戒してくれ」
十数秒後、それらとインターセクトした。
そして、代表らしき人物から、
「済まないが、何か食べ物はあるか?植物の種でも良い。温かい毛布もあればもっと良い。トリリウムか圧縮水素はあるか?暖を取りたいんだ」
サバイバーだった。
しかもなにかもらえる前提で喋りかけてくる。
「生憎だが、俺達もギリギリでね。分け与えられるほど蓄えてはいないんだ」
「嘘だ!スキャンでわかってるんだぞ。一番後ろのM.A.C.S.の荷台に食料があるだろ、それをくれ!」
「それはお前たちに分け与えられるものじゃないんだぜ!
欲しかったら力付くで取ってみるんだな!」
こちらの3台のM.A.C.S.に怯み、舌を鳴らしてどこかへ去っていった。
「サバイバーの物乞い根性をもっと別な方向で使えば良いんだがよ!」
最もな意見である。
サバイバーは元探索者でアイアンクラスが多い。過酷な地上世界で月に一度の活動報告もできずにそのままライセンス剥奪となり、メタルセルに戻ることも、前へ進むこともできずに居る集団の総称である。
サバイバー全体の内数%は、コロニーやキャンプで仕事を見つけてなんとか食いつないでいるものも居るが、大半は大きな主要道路に陣取って物乞いをしている。
HoMEでもサバイバーの存在が問題視されており、そういうものを生み出さないためにフロンティアライセンス取得試験の難易度を上げたり、アイアンランクの簡単な収集クエストを増やしたり、再試験プログラムが実施されているそうだ。しかし、それすらも遂行できない探索者が多く、サバイバーとなって地上をさまようのが後を絶たないらしい。
聞いた話ではサバイバー同士が力を合わせて小さなコロニーを作り、そこで生活しているというのだ。地下に戻れない元探索者はそうやって生活している。
その後2時間ほど経過した後、海洋フェリーの乗り場が見えてきた。
「大きい船ー!」
キャシーが驚く。
「あれぐらい大きければ揺れも気にならない…かな」
と弱気なエヴィ。
近づくにつれてその巨大さが如実になる。人やビークルの他、資材や機材、大きな荷物などを満載するようだ。
ネイト達は海洋フェリーの格納庫にビークルを停める。しっかりと固定されて、ちょっとやそっとの揺れでは滑って動いたりしなさそうだ。
アナウンスが聞こえる。
「本日は、当海洋フェリー『ブルーウェーブ』にご乗船いただき、誠にありがとうございます。当海洋フェリーは、クライオス・リージョンからイースタン・リージョンのオロッパス・コロニーまで全工程1日で到着する予定となっております。食事、娯楽は無料となっておりますので、船の旅を存分に楽しんでください」
このアナウンスが、5分に1回、繰り返しアナウンスされていた。
その後約40分が経過しただろうか、アナウンスは止み、汽笛が鳴った。出向の合図である。
海洋フェリーはゆっくりと岸から離れてオロッパス・コロニーへ進みだした
「オレは食事してくるぜ!昼まだだったからな!」
ネイトは娯楽スペースでふと見つけた釣りゲームで遊んでいた。
竿、餌、釣り場、釣り方によって様々な魚を釣れるゲームである。
知識として知っている程度で実際の釣りはしたこと無いが、それでも楽しむことができた。
世界中と繋がっているようで人気のある釣り場は混んでいて、ランキングも開催されているようだった。
実はネイトは、寿司が大好きだった。東洋の料理で、シャリと呼ばれる一口サイズのご飯の上に、ネタと呼ばれる海産物系の具材が乗せられる。シャリは普通のご飯ではなく、酢飯と呼ばれるものでこれがネタの美味しさを引き出している。ヤマトに着いたらこの寿司をたらふく食べるつもりでいるようだ。
少し遅れてアマリアも飲食スペースに到着した。
「最近お腹がよく空くの」
エヴィと並んで食事を楽しんでいた。
アマリアは妊娠一ヶ月目を迎えた。見た目的には何も変わらないのだが、確実に新しい生命が育っている。ドクターによる定期検診でも問題は見つからず健康そのものだそうだ。
キャシーは海を見たかったため、デッキに出ていた。
時間はまだ昼過ぎであったが、月光クラゲが大量にいるのがわかる。小さな船だとこれがスクリューに絡んで故障の原因になるのだ。
夜は月光クラゲが光を放つ。それはまるで海面に投影された宇宙空間のようらしい。
ドクターはイースタン・リージョンのドミニオン・シンジケートの情報を探っていた。以前、HoME主導による掃討作戦が実施され壊滅したはずであったが、逃げた工作員や他のリージョンから渡ってきた工作員が集まってまた拠点を構えるかもしれない。奴らの拠点は世界中にあり、本拠点の情報は錯綜していて要領を得ないのだ。
それに、支部があるとわかれば一度はキャシーの命を奪ったドミニオン・シンジケートを許さないネイトがまた単身で乗り込みかねない。ユニークスキルは強力だが、体への反発が大きく乱用すると命の危険に陥るのだ。
「情報規制が掛かっているのか、あたしのアクセス権じゃ大したこと調べられないわね…」
ドミニオン・シンジケートに関する情報は以前より集めにくくなっていた。イースタン・リージョンから始まり、ゲヘナ・リージョン、ヘカテリオン・リージョン、クラウオス・リージョンとこれまで4箇所の支部を潰している。特に4箇所目はネイトのユニークスキルで文字通り粉々になっており、跡形もなくなっていた。
他にもいくつか支部が確認されているリージョンはあるが、ドミニオン・シンジケート側からの情報が流れにくくなり、それに伴って調べることも難しくなっていたのだ。
「HoMEで調べるしか無いわね…。ヤマトまでお預けね」
読んでいただき、ありがとうございます!
拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。
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