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# 13. 「外」での夜

ヴィシャス・ワイルドホーンを討伐した二人は、慎重にダンジョンの出口へと向かった。

入口付近は静まり返っており、周囲に怪しい気配は感じられない。

それでも、しばらくは警戒を怠らず、互いに目配せしながらゆっくりと歩を進める。


ダンジョンの外に出ると、空はすでに夕焼けを過ぎ、深い紺色に染まりつつあった。

わずかに残る赤みが地平線を彩り、まるで今日の激闘を象徴するかのように鮮烈だった。


「結構、時間が経ってたんだね……」

キャシーがポツリと呟く。


「そうだな。夢中になってたからな……」


ヴィシャス・ワイルドホーンとの戦いは、想像以上に激しかった。

それでも、二人は力を合わせ、ついに討伐に成功したのだ。


一息つく間もなく、周囲の安全を確認する。

以前もそうだったが、駆け出しの探索者にとって夜間の移動は非常に危険だ。

ビッグフットまで戻るには、何が起こるかわからない危険な荒野を進まなくてはならない。

体力を消耗した状態で夜道を進むのは無謀だろう。


「……今日はここでキャンプしよう」


「うん、無理に帰るよりその方がいいね」


「俺たちも疲れてるしな。しっかり休まないと明日の探索に響く」


「キャンプするのって、ちょっとワクワクするね!」


キャシーはそう言って笑ったが、言葉に覇気がない。

疲れているのは明らかだった。


探索者にとって「外」での活動は過酷なものである。

そのため、長時間の探索を想定し、キャンプ装備を常に携帯するのは基本中の基本だった。

テント、シュラフ、簡易調理器具など、必要最低限の装備は二人とも持参している。


「ここなら安全そうだな」


ライノベーターを副砲による接近体の自動排除モード(警戒モード)に設定し、

ダンジョンの入口付近にキャンプ地を定める。


「設営しよう」


キャシーが元気よく返事をすると、二人は手際よくテントを展開し、シュラフを広げた。

設営を終え、焚き火を起こす頃には、空はすっかり闇に包まれていた。


「さて、晩ご飯にしようか!」


キャシーの声に促され、二人は焚き火を起こす。

炎が揺らめき、あたりを温かく照らした。


持ってきたレーションを取り出し、それぞれの食事を準備する。

戦闘後の疲れた身体には、この簡単な食事ですらありがたく感じるものだ。


「今日は、スパークルスプリングスにとって、とても大切な一歩を踏み出した」


「そうだね!」


「今後もクエストを受注して、何名かの仲間をアシストグループに招き入れたいと思う」


「うんうん!」


「そして、アシストグループ総出で討伐を行っていきたい」


「やろうやろう!」


キャシーは楽しそうに相槌を打つ。

おそらく、彼女には話の半分も伝わっていないかもしれない。

それでも、今はそれで良かった。


ネームドモンスターを討伐した事実は揺るぎない。

この成功が、次の一歩へと繋がるのだから。


食事を終え、二人は焚き火の前でしばし静かに過ごした。

夜風が心地よく肌を撫でる。

疲れた身体には、炎のぬくもりが沁み渡るようだった。


「ふぁ……」


キャシーが欠伸を噛み殺す。

その瞼はすでに重くなりつつある。


「今日はよく頑張ったな」


「うん……ちょっと眠くなってきた……」


「そろそろ寝るか」


「そうだね……おやすみ……」


キャシーはシュラフにくるまり、すぐに眠りについた。


人間装備での戦闘は、M.A.C.S.乗りとは比べものにならないほどの体力を消耗する。

それを考えれば、キャシーがここまでよく動き、戦い抜いたこと自体が驚きだった。


初めての「外」での夜。

慣れない環境での睡眠は、少し心配ではある。


だが、ライノベーターは警戒モードにしてある。

ベルノイドの一匹や二匹が現れたとしても、どうにかなるだろう。


そう考えながら、ネイトも静かに目を閉じた。


夜は静かに更けていく。

読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマーク・★★★★★・リアクション・評価などをいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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