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# 1. はじまり

新世紀歴158年、ネイサン・バーグウェル(Nathan Bargwell)は、

一大決心しようとしていた。というのも、22歳にもなって、禄に職にもつかず、その日暮らしをしていた彼にとって、「調査隊」となることは夢のまた夢であったはずだった。

調査隊(HoME)に入る条件は20歳以上かつ健康であること。彼はその両方を満たしていたが、昔からの怠け癖があってか、入隊したいと思っていても、なかなか重い腰を上げようとはしないのであった。


ある日、幼馴染のキャシー(Katherine Wesley)がこう言った。


「探索隊になるの夢だったじゃん?今ならもう志願できるし、乗りたかったM.A.C.S.にも乗れるよ!私はバギーやバイクで良いけど…」


更にこう続ける。


「一緒にいろんなところに行こうよ。他のメタルセルにも行ってみたいし、イーグルアイにあるコネフィックス・アーケードで買い物したい!」


そしてダメ押しに、


「M.A.C.S.弄りたいって言ってたじゃん!探索者になって稼げればいくらでも弄れるよ!」


彼女は一度言い出したら聞かない性格で、ネイトの悩みのタネのひとつでもあった。

このままキャシーが探索者に志願してしまうのは非常に危険だ。HoMEは探索者を募ってはいるが、生き残るための保証は何もしてくれない。非常に危険だ。


M.A.C.S.(Multiple Assembly Component System。マックス)といのは、互換性のあるパーツを組み立てて、ひとつの大きなビークル…タンクやクルーザー、キャリアーといったものを指すものである。

各社からパーツが発売されていて、また、HoMEからのクエスト報酬としてもパーツをもらえることもあるため、機械いじりが好きならM.A.C.S.を入手したいと思うのは当然の成り行きであった。


「やれやれ、またか…」


とネイト。キャシーのこのまくし立ての半分は、メタルセルに籠もって生涯を終えるのが嫌だからだろう。

かといって、「外」に出て危険な目と隣合わせの状態に彼女を置くわけにもいかない。

おそらく彼女はM.A.C.S.に乗らず、軽量装備で出撃するはずだ。


メタルセル(METALCELL)というのは、大昔に地球の地上文明が破綻したときのために、暴風・大雨・大津波・大寒波などの極悪条件から逃れ快適に住めるように地下に建設された都市のことを指す。

最初は…巨大バイオスフィア構想とかいう名前だったが、誰かが皮肉って「メタルセル(鋼鉄の檻)」と言ったことがきっかけに、呼び名が定着したらしい。


キャシーの言う通り、地球上には、いくつかのメタルセルが存在している。

今、俺達が住んでいるビッグフット(METALCELL Big Foot)の他にも、先程キャシーが言った、イーグルアイ(METALCELL Eagle Eye)もそうだ。どうやってそこまで行くのかは謎だが、宇宙にもあるって話だ。


ネイトもキャシーも、「外」に出たことはない。

「外」は過酷で危険で、十分な装備をしていない人間ならすぐに命を落としてしまうくらい劣悪な環境だからだ。

それに、HoMEが調査隊に加入していない人間を「外」に出すことは稀で、犯罪者の刑のひとつとしても知られているほどだ。


ともかく、調査隊に入隊しないと、「外」へ出ることもできず、M.A.C.S.に乗ることも弄ることもできない。

このまま、着の身着のままビッグフットにいても良いのだが、キャシーがそれを許すはずがない。

ただいたずらに年齢を重ねていくのも、どうかと思っていたところだ。

探索者はとても危険な仕事だ。だが夢もある。キャシーはその夢を追いかけるだろう。

でも過酷な地上に彼女一人を行かせるわけには行かない。


「よし、わかった」


ネイトはようやく決心した。


「HoMEに行って探索者登録をしてこよう」


「やった!ネイトもやっとその気になってくれたのね!」


とキャシー。

こうして二人は、ビッグフット内にある探索隊のための施設HoME(Home of Multifaceted Explorers。多彩な才能を持つ探索者達という意味)へ向かうのであった。


読んでいただき、ありがとうございます!


拙い文章ですが、一生懸命考えて書いたつもりです。

もしよろしければ、ブックマークと高評価をいただけますと嬉しいです。


みなさまからの応援が、私の何よりのモチベーション維持となります。

頑張って書きますのでよろしくお願いしますm(_ _)m

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