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わたしにもう一度恋して欲しい~婚約破棄と断罪を回避した悪役令嬢のその後の物語~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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同じ景色を見ている

 チャーチャが鍵を開け、扉を開けると……。

 それはもう、海辺のリゾート感に溢れている!


 まず天井までの高さの窓からは、リアベラ海が一望できた。

 そして海を楽しめるように、窓際にソファセットが置かれている。

 ソファは白、絨毯は紺色、壁は白。

 手前にあるテーブルセットはマホガニー材でできた立派なもので、背もたれの透かし彫りも美しい。チェストやサイドボートなどの調度品もとても上品。


 続いて寝室へ向かうと、そこもまた素敵な空間!


 窓からは勿論、リアベラ海が見えている。ベッドはシングルサイズが二つ、綺麗に整えられていた。シーツやタオルケットは白。ベッドスローと枕はターコイズブルーで、クッションは紺色とベージュ。壁は白で、絨毯はターコイズブルー。


 ここが海辺の街であると実感できるカラーコーデだ。


 既に荷解きは、同行したメイドにより終わっている。ウォークインクローゼットの中には、屋敷の時と同じように、ズラリとドレスや靴、帽子、鞄が並べられていた。ウォードの衣装は端にこぢんまりとまとまっている様子に、思わず微笑ましくなる。


 どんな世界であろうと、衣装の数は女性が多い。


「若奥様、ご覧ください。バルコニーに、デッキチェアがございますよ」


 隣のリビングルームのバルコニーには、アイアン製の丸テーブルと椅子が、置かれていた。ところが寝室のバルコニーには、デッキチェアが置かれており、ここに寝そべり、夜空を眺め、海を見られるようになっていた。


「気持ちが良さそうね」


 そう言いながら、窓を開け、デッキチェアの背もたれの位置を調整し、海が見えるようにした。そして実際に横たわってみると……。


 眩しい程の海が、まさに遠くに見えている。そして風を感じ、本当に南国リゾートに来た気分だった。


 しばらくデッキチェアで寛いでいたが、昼食のために、着替えとなる。


 その着替えを終えたところでウォードが部屋に来て、そのまま昼食を、一階のダイニングルームで摂った。海辺の街なので、海の幸尽くしの昼食を楽しんだ。


 その後は、ウォードと共に、マリン・サーチ社へ向かうことに。


 マリン・サーチ社、それはバロス兄弟の海賊船を引き揚げてくれた、ダニエル・デ・ラ・クルーズの会社だ。そこでダニエルに挨拶をし、発見された金銀財宝を見せてもらうことになっていた。


 勿論、とんでもないお宝だったので、その多くが銀行の金庫に預けているという。よってマリン・サーチ社から銀行へ移動することになっていた。


 マリン・サーチ社への移動は、フェートンではなく、通常の馬車だった。さすがにこの時間の陽射しは厳しい。日焼けしたいならまだしも、この世界は前世の貴族社会同様、美白文化だった。よって貴族の令嬢は、特に日焼けを気にしている。ということもあり、ちゃんと屋根のあるいつもの馬車に乗り込み、出発だった。


 この馬車で、一つ大きな変化がある。


 それは、私の隣にウォードが座っているのだ。


 そもそも馬車において、進行方向に背を向けて座るのは、体に負担をかける。前世でも、乗り物の進行方向に背を向けて座ると、酔いやすいと聞いたことがあった。


 だからウォードの体の負担を考え、隣に座ることを提案した。

 わざわざ耳の奥の器官が揺れで不安定になり、酔いが起こりやすくなるからとまで説明して。


「……隣に座ると、同じ景色を眺められる。対面で座っていると、シャルロンは未来を見て、わたしは過去を見るんだ。この馬車が通り過ぎた道を、わたしは見ることになる。シャルロンは馬車が向かう先を、未来を見る。でもこうやって横並びで座れば……。未来を見るんだ、一緒に。左右の窓で見える景色は違うかもしれないが、同じ方向を見ている。これは……とても嬉しい」


 そんな風に考えたことはなかった。でもウォードの言う通りだ。

 共に未来を見ることができる。

 ウォードと私が夫婦として、そうやって未来を見ることができたら……。


「事故に遭い、記憶喪失になる。それを聞いた多くの人が『大変な目に遭いましたね』と同情してくれた。でもわたしは……むしろ事故に遭えてよかったと思っている。もし事故に遭わず、記憶喪失にならなかったら……。自分の愚かさに気が付けなかった。シャルロンの苦しみを見逃したままだ」


「! そんな! 事故に遭ってよかった、だなんて。あの事故で記憶喪失だけで済んだのは奇跡です。ワイリーは、今もまだギブスをつけているんですよ!」


「そうだな。ごめん。それは言い過ぎた。ただ、分かって欲しい。本当に以前の自分に、わたしは落胆している。もう昔のようなわたしには、戻らないから」


 真摯な瞳をこちらへ向けるウォードに、嘘や偽りは感じられない。心からの言葉だと分かる。いつか記憶を取り戻すかもしれない――そう、不安になるのはやめよう。


 今の素直な気持ちで、彼に応えよう。

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