表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わたしにもう一度恋して欲しい~婚約破棄と断罪を回避した悪役令嬢のその後の物語~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/71

その上で、私は求めます

「どう思っているか、だと? 君はどう思っている?」


 ウォードはチラッとこちらを見ただけで、肉料理を口に運んでいる。

 しかも質問に対し、質問で返すって……。

 それはこちらの質問に、答えていないことになる。

 でもそんなこと、ウォードはおかまいなしだ。


 ここで「あなたはどう思っているのですか!」と問い返したくなるのをグッと堪える。


「私はこの結婚生活は、意味がないものだと思います」


 ガチャンとお皿にナイフとフォークを置いたウォードが、ここにきて初めて感情を露わにした。


「意味がないもの、だと?」


 焼き立てのパンをお皿に置こうとしていたメイドの体が、ビクッと震える。

 ウォードにしては、剥き出しの感情だった。


「はい。お互いがそこにいないような関係です。この状態を維持し続ける意味が分かりません」


 腕組みをし、背もたれに身を預けたウォードは、碧眼の瞳を細めた。不快感露わな顔で私を見る。無反応・無表情より、感情があるだけマシかもしれないが、こんな顔を向けられるのは、普通に悲しい。前世でゲームをプレイした時、なぜ私は彼を推していたのだろう?という悲しみも湧き上がる。


「君は……もっと聡明だと思っていた。わたし達の結婚は、家同士のつながりを深めるための、実に政治的なものだ。意味がないわけがない。意味は大いにある。それくらい、言われなくても分かっていると思ったが」


 貴族社会における結婚の定番理論だ。確かに言われなくても分かるべきこと。


 例え、そうであったとしても……。


「それはあなたの言う通りです。その上で、私は求めます」


「一体、何をだ?」


 ウォードが片眉をくいっと上げる。


「離婚です」


 これにはウォードより、メイドが反応した。ウォードが食べ終えた料理の皿を下げようとして、そのお皿に載ったナイフとフォークを落としてしまったのだ。


 毛足の長い絨毯が敷かれているので、大きな音はしない。


 それでもメイドは大慌てでそれを拾い「申し訳ありません!」と謝罪し、急いで部屋から出て行く。


 一方のウォードは完全に怒りの顔つきになり、怒鳴った。


「離婚など、認めるわけがない! この国、いやこの国だけではない。この大陸にある国の多くが、しゅの教えに従い、離婚を良しとしていない。そんなこと、常識だろう!」


「ではイーロ国へ行きましょう。この国は、大陸では数少ない離婚を制度として認めています」


「な……なぜそんなことを知っている!?」


 ウォードは驚きの目で私を見るが、そこで話が途切れるようなことは、したくなかった。


「花嫁の修行の一環で、外国語を覚えました。そこで大陸には他にどんな言語があるか気になり、様々な国ついて調べたのです」


「本当に君は……学園にいた時から才女だったが……。イーロ国で離婚が認められている理由も、分かっているのだろうな?」


 この様子だとウォードも、イーロ国のことを知っているようだ。

 イーロ国は、大陸のはずれにある小国で、もしかするとこの大陸の大勢が、その名を知らない国かもしれない。それを知っているということは、ウォードもそれだけいろいろ学んだということだろう。


 そこは……やはり尊敬せざるを得ない。彼が勤勉なのは、今に始まったことではないのだから。


「イーロ国は、独自の宗教観を持っています。多数の神が存在し、物にも神が宿ると考えているのです。離婚を許す神もいれば、許さない神もいる。よってイーロ国では、離婚も認めているのです」


「その通りだ。つまりはわたし達からすると、異教徒だ。そんな異教徒の暮す国に移住し、生きて帰って来れなかったら、どうするつもりだ!?」


「そんな、まさか。ちゃんと生きて」「それに移住なんてして、商会の経営はどうする? 執務だってたまる。無理だ!」


 私の言葉に重ねるように、ウォードが否定の意見を表明した。

 でもこうなることは想定内。ひるまずに口を開く。


「では別居をしてください!」


「別居!? それこそありえない! どれだけ外聞が悪いことだか、分からないのか!?」


「ではラエル皇国の皇子の妹君、ソアール皇女。この国に滞在中の彼女の教育係をやらせてください」


「なに……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●心温まる物語●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ