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からっぽ

作者: 泡沫


苦手な物を食べる時、飲み込んでしまえば辛くはない。そう思ってから、辛い時に飲み込む癖ができた。


ごくり。

空気を読む。人の表情を伺って、自分の意見をねじ伏せる。

ごくり。

ヘラヘラ笑って、自分をも欺く。針のような視線から逃れながら。

ごくり。

あの子みたいにならないように、『皆』に合わせる。

ごくり。

涙を飲み込む。泣かない泣かない。でも抑えられない。なんでどうして。



『皆』って誰のことだろう。

でもそんなことはもうどうでもいい。いや、どうでもよくなってしまった。皆の一員であればそれでいい。




「ーーーさんって自分がないよね。いつも無表情でさ」

「わかる〜、怖くね?てか、気持ち悪いよね」



ごくり。今日も私は一人ぼっち。あの子と同じ。ごくり、ごくり、ごくり。何故だろう、何回飲み込んでも、心が軽くなることはない。ごくり。今日も伽藍堂の瞳で宙を見つめる。もう涙さえも出てこないや。

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