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1話:名前の無いネットの旅人たち。

なんとか。

「それで、V事務所からクビにされたと。」

「「はい。」」

「まぁ、そうなると私も一緒。」


は?なんて言った。凪。マジで言っちゃってます??それはそれで大問題すぎないか?


「って、話したいんだけど…えっと、この、幸ちゃんの向かいに座っている方は?」

「「今頃っ!?」」


 うん、少し間抜けだよ。つか、何で分からないで話に割って入れたんだか?


「えっと、坂倉慶介です。元々スリーヘブンズというところでVtuberをしていました。」

「え?なら、私も一緒。私は星宮凪ほしみやなぎ。幸ちゃんと一緒で元アストラルにいました。」

「そうなのか。よろしくね。」

「…よろしく。それと、幸ちゃん。」

「は、はい。」

「何で、あの事務所にあんな爆弾魔みたいなのがいるの?」

「国井のことか?」


 凪は首を縦に振って全力で肯定しながら、悪意のある言葉ほかの客がいるのをガン無視してぶちまけているのはどうなんだか。ただ、怒りの刃が俺に向いているのが恐怖でしかないんだけど。

 つか、一回退散したほうがいいかもな。俺は坂倉さんと凪を読んでひとまず店を出ることにした。

 ちなみに余談だが、国井とは輝煌院のことだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 場所はカラオケになった。まぁ、悪意ある言葉をねぶちまけるには一番とは言えないけどぶちまける場所としては最適でしょ。


「それで、凪は何でアストラルからクビになったんだ?」

「それは、輝煌院に迫られたときに思いっきり陰部蹴り上げたら、何か、変に被害を誇張したせいでクビにされた。」

「ありゃ。あいつ、ヤバいな。」

「ヤバいね。もう、こっちの事務所とおんなじ感じだ。」

「「「はぁ~。」」」


 何だろう、あまりにもうちら周辺の事務所の人気でお山の大将みたいなやつらは人を蹴落としてまでのし上がりたいんか?

 ここなんて、V界隈からすれば中の上か上の下の中でも底辺の底辺。坂倉さんのとこに関しては現在四強へ入らんとする勢いの事務所なのにね。

 そんな時だった、坂倉さんのスマホから電子音が流れ出し、「ちょっと失礼。」と言って退室していった。


「「……」」

「ねぇ、幸ちゃん。」

「ん?どしたよ。」

「幸ちゃんが、もし良かったらなんだけど……また、チーム組まない?」

「ほう。それはどうして?」

「いや、なんとなくだけど。」

「なんとなくかい。」

「…」


 いや、何で返答がないんだよ。もう少し、思慮深く発言してほしいよ。凪は何考えてるか分かんないとこがあるからなぁ~。しょうがないんだけど。

 そこから、沈黙が続くので少しくらいと思っていたら、凪が歌い始めていた。

 その時のあいつはとても綺麗だった。可愛さと不思議さをいつも醸し出す雰囲気は、歌声を出すタイミングでその纏ったベールは音色と共に変色を始める。

 ネットの砂漠を歩く少女は今、宿木を探す。


 その少年は、いま砂漠を歩く少女に見惚れている。


 今離れている青年は自分の憧れを追いかけ続けている。


 そして、まだ見せない少女は眩しすぎる世界に自分を証明するために旗を振る。


 そんな4人が集まりそれぞれの目標は違うけど前へ進みハッピーエンドを迎えていく。凪が歌っている歌のMVになっていた。


「綺麗だな…」

「ふぇっ!?」

ガァァァアアァッァァァァぁァアン!!!

「「ギャアア嗚呼嗚呼!!!」」

「ちょっとちょっと!!どうしたの…ってか、なんじゃこれ!?」


 凪がマイクを落としたことによってとんでもないマイクの爆発音が響き渡った。ちなみにこの後、俺は家に帰った後、彼女に背負い投げされた後無慈悲にも腕十字固めに遭った。何故?


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「そういや、坂倉さん。さっき誰からの電話だったんですか?」

「あぁ、そうだね。簡単に話すと俺たちと同じ境遇の後輩かな?」


 さまようネットの旅人のピースはあと一人。



次回、チームメンバーが全員揃います。

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