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第三話


「グワァァァ」


 大鼠のような魔物をフーリィが倒す。これで4匹目だフーリィは火纏いも上手になってきており大鼠は見事に焼け焦げている。


【火狐のレベルが上がりました】


名前『フーリィ』

種族『火狐』

召喚者『レンタ』

レベル『2(0/35)』

スキル『火纏い〈強化(小)〉』

HP『25/25』《5上昇》

MP『30/30』《10上昇》

攻撃力『20』《5上昇》

防御力『20』《5上昇》


 成長率に差が出ているな。フーリィは攻撃特化の前中衛型のように感じる。


『ぐぅ〜』


 腹が大きく鳴る。


「そういえば転生してきてから全く何も食べてなかったな」


 目の前に綺麗に焼けた大鼠がいる。涎が垂れて来て我慢がならない。


「ええい、ままよ!」


 腕力強化を駆使し大鼠の毛と皮を剥ぎ、肉を露出させる。脂が滴り照りが出ている様はバーベキューの鶏肉のよう。さあ、食べるかと意を決して掴んだ瞬間


「きゅっ」ガプッ


 フーリィがフライングで齧り付く。


「え、召喚獣ってご飯必要なの?」


 困惑するがフーリィは嬉しそうに咀嚼し小躍りしている。とても美味しいようだ。


 改めて齧り付く。


「うんまぁああーーー」


 あまりの美味さに思わず大声を上げる。なんだこれ、とても凶暴な大鼠とは思えないくらいボリューミーな肉質に後味スッキリな脂でたくさん食べることができそうだ。


「とりあえず残りの3体も皮を剥いでおくか」


 とても映像では見せられないようなグロ映像だが気にせず腕力強化で引き裂いていく。



 異世界に順応しすぎだろ、俺。





「そういえばレベル上がってMP増えたんだったな」


 ステータスを眺めながら呟く。土人形Lv.1(必要MP600)であれば召喚できそうだ。


「いでよ土人形!」


名前『』

種族『土人形』

召喚者『レンタ』

レベル『1(0/30)』

スキル『捕獲固定』

HP『40/40』

MP『5/5』

攻撃力『25』

防御力『30』


 190cmほどの体長に四肢は割と細め、体幹は人間よりは少し太いといった風貌。


「名前は・・・バンダルにしようかな!」


 無言で頷く。土人形っぽいな。


「スキルの捕獲固定ってなんのことだろ」


 スキル名を注視すると説明が浮かび上がる。


【捕獲固定】・・・対象一体を捕獲し四肢を利用し動けないようにする。


 これは、フーリィの火纏いとのコンビネーション上手く使えば凶悪になりそうだな。


 魔物バーベキューを目論むレンタであった。





「もうMPすっからかんだな」


 歩きながらステータスを確認する。どうやら俺の召喚獣は優秀なようであまり指示をしなくても魔物を捕まえては殴り、噛み付いては燃やし、の繰り返しでひたすら敵を倒している。


 しかし突然、轟音を立てて大きな影が森の奥から現れた。


「ウガアアア!!!」


 頭角をもち赤黒い肌をした筋骨隆々の魔物がずしん、ずしんとこちらに向かって歩いてきている。3mもの大きな体格に鋭い牙が2本、目は射殺さんとする勢いでこちらを睨んで唸りを上げた。


「こいつは強そうだな。バンダル、捕獲固定できるか!?」


 無言で頷くバンダルは果敢にも角のある魔物に飛びかかっていった。掴み掛かろうとするも、バックステップで躱される。魔物から繰り出される攻撃は一打一打に風圧を伴い、なかなか近くに寄ることができない。逆に相手の方がリーチが長く、いつ攻撃が直撃してもおかしくない状況にあった。しかしバンダルは果敢にも相手の懐に入ろうと身をかがめ突撃する。


「ガアァアア!!!」


 バンダルが隙をついたと思われた。だがしかし魔物は軽やかに斜め後ろにスライドし、土人形に痛恨の一撃を食らわせ、頭部から右胸部まで粉砕した。バンダルのステータスはHP『2/40』まで減っていた。


「マズイな、フーリィ!火纏いで牽制してくれ!攻撃には当たらないように気をつけてくれよ!」


 任せとけ、と言わんばかりにフーリィは鳴いて飛び込んでいった。魔物は煩わしそうに腕を振る。振るった腕が大木に当たり薙ぎ倒して行く。


「きゅ、きゅきゅ!・・・きゅ!?」


 痺れを切らした魔物が地面を殴り、石礫を引き起こした。それにフーリィは当たり、身体ごと吹き飛ばされる。HP『5/25』となり、瀕死に近い。


 その石礫はこちらにもものすごい速度で飛んできた。


「まずい、当たる・・・」


 そう感じた刹那、目の前に影ができ、ぐしゃっという音がした。


「バンダル!!!!」


 瀕死だったバンダルがなんとかレンタの前に戻り身を挺して守ったのだった。


【バンダルが死亡しました】


 無情にも脳内に声は鳴り響く。


 自分に特別な力が得られたのではという全能感にいつの間にか浸ってしまっていたのか。味方が死ぬなんて現実味がなかった。それはこの命の奪り合いの世界ではなんと傲慢な思考なのだろうか。ただひたすらに無力感に苛まれ、足が震える。自分の油断が招いたことに対する後悔からは逃れられない。だがそれよりもこの魔物に対しての沸々とした気持ちが込み上げる。


「すまん、バンダル」


 そう呟き角の魔物に飛び込んでいく。魔物は獲物が向かってきた、と口元に笑みを浮かべながら右腕を上から下へ叩き下ろす。

 その刹那、グガッ、と重たい音がした。


「ガ、ガアアアーーー!!!」


 角の魔物の右腕はレンタの左手によって握りつぶされていた。





「脳筋召喚士なめんじゃねえぞ」





 ドゴッと音がした瞬間、魔物の胴体には大きな風穴が空いていた。





【キングオーガを討伐しました。称号が付与されます】

【キングオーガを討伐しました。限定スキルが付与されます】

【レンタのレベルが上がりました】

【レンタのレベルが上がりました】

【レンタのレベルが上がりました】


名前『レンタ』

年齢『25歳』

職業『召喚士Lv.1』

称号『鬼王殺し』

レベル『5』

スキル『腕力強化(大)』『魔力増幅(特大)』『魔力成長』『威圧』

HP『140/140』《30上昇》

MP『300/1700(500+1200)』《300上昇》

攻撃力『590(90+500)』《30上昇》

防御力『90』《30上昇》



【フーリィのレベルが上がりました】


名前『フーリィ』

種族『火狐』

召喚者『レンタ』

レベル『3(5/40)』

スキル『火纏い〈強化(小)〉』『狐火【陽炎】』

HP『30/30』《5上昇》

MP『40/40』《10上昇》

攻撃力『25』《5上昇》

防御力『25』《5上昇》


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