第一話
はじめまして。処女作となります。
至らない点は多々あると思いますが、よろしくお願いします。
「ほっほっほ、呼び出してすまんのう」
意識を失い、気付いた時には目の前に白髭の老人がいた。周りを見回すが辺り一面真っ白でなにもない。
「ここはな、転生待機所というところじゃな」
「転生待機所?あれ、さっきまで道を歩いていたんだが」
「お主は酒に酔ってふらついてトラックに轢かれたところで死んでしまったんじゃ」
そんなばかな、そう思ったが自分のいる場所は明らかに現世のものではないと感じる雰囲気である。
「ふむ、ってことはここは死後の世界ということ?天国?」
本来ならそうなる、だが、と白髭の老人は言う。
「お主はどうやらこの世に未練が無さそうでな、ちょっとこっちに連れてきてみたんじゃよ」
たしかに現世に思い残すことはない。両親は早くに亡くなっているし、家族も親戚もいない。
「まあそうは言っても死んだのは割とショックですよ。応援してたアイドルもいたのに。もうあの深夜番組見れないじゃないですか!」
「まず最初に出てくるのがそれなら問題ないじゃろう。転生先に興味はあるかな?」
異世界ものか、割とありだな、なんて思いながら無言で頷く。
「お主がこれから転生する世界には現世のような科学技術はないが、その代わりに魔法が存在する。色々とあるかもしれんが好きなように生きてくれい」
なにそれ、なんのために転生すんの、と思わず言いそうになったがそれで気が変わっても困る。とりあえず応じておこう。
「まあとは言ってもなにも持たせず転生はさせまい、なにかほしいものはあるか?」
「これと言って無いですが、強いて言うなら人や動物と仲良くしたい。あとは異世界でも生き抜いていける程度の能力はください」
承知した、と頷き黙々と虚空へ指を動かしている老人。
「困らないようにはしてやろう。それでは時間じゃ。転生先ではまずステータスオープンと唱えるがよい」
「あ、もう転生な
言いかけた時にはもう視界は白に覆われていた。