『機械の体に人間の心を宿した先代勇者』東 ジョー/Mr.9
【基本設定】
ダイヤモンド型の大地に人間とエルフを初めとする亜人種、竜や妖精等の魔物達が暮らしている地球とは似て非なる異世界『アルカディア大陸』。
遥か昔に『光の神ルクス・ソーリ』と『混沌の神アザリマラス』によって造り出されたとされるこの大陸は、千年に一度、『光の神』に選ばれた『勇者』と『混沌の神』に選ばれた『魔王』が出現し、大陸の支配者の地位をかけて戦い合う………というサイクルを繰り返していた。
そして一年程前………突如として大陸各地に49体の『魔王』が出現する『異変』が発生。アルカディア大陸の住民達を恐怖のどん底へと叩き込んだ。
異世界より勇者達が召喚され始めた時には、正気を失い人を襲う現地の人間や魔獣に変貌した現地生物が獲物を求めて徘徊し、『魔王』による大殺戮と大暴虐が罷り通る魔境と化してしまっていた。
※文化や世界観などの骨組みはオーソドックスな剣と魔法の中世ヨーロッパ風ファンタジーを想定。
・『現地人』
異世界アルカディア大陸に暮らす住民達。種族は人間に限定されない。
『別の世界で一度死亡し、前世の記憶を保持したまま改めてアルカディア大陸に生まれてきた転生者』や『偶発的事故により異世界から転移してしまった者』も存在しているが、勇者や魔王のような加護や権能の類は授かっておらず、所持並びに使用可能な技能と武器は今世で獲得したものに限られる。
【名前】東 ジョー/Mr.9
【所属】現地人
【種族】異世界転移者/元・人間/現・ロボット
【年齢】27+1000
【職業】警視庁捜査一課・刑事(※階級は警視正)
【性別】男
【外見】
本来の姿は、
ダブルのスーツを着こなし、眼鏡をかけた中肉中背の優男(人間態)
胸部に大きく『9』と描かれた過度な装飾や彩飾の無いシンプルなデザインのヒト型ロボット。ボディーカラーは緑色(Mr.9時)
現在は
頭部から胸部にかけての上半身部だけが残っている胸像のような姿
となっている。
【趣味】クラシック音楽のレコードを聞く事、キャンディー等の駄菓子類の購入と携帯(※『キャンディー型冷却剤』を服用する姿を怪しまれないよう、事情を知らない周囲の人に『駄菓子好きな人』だと思わせる為の偽装)
【好きなもの】市民の安全と平和、ベートーベンやモーツァルトの曲、子供に自分が持つ駄菓子を分け与える事
【嫌いなもの】悪人、機械である自分とその体、
【性格】
正義感が強く、悪を決して許さない警察官の鏡。
しかし、いささか融通が利かず頑固な性格をしている。
イメージCV:内田直哉
一人称・『私』
【能力】
『Mr.9』
ヒーローとしての能力。
ヒト型ロボットの機体に内蔵されているコンピューターに人間の人格/記憶を移植した『人の心を持つスーパーロボット』であり、本来のロボット態になると
・最高速度マッハ81の『超高速移動能力』
・最高出力1000万馬力の『驚異的パワー』
・『暗闇も見通し、サーチライト機能を有する目』と『超音波や電話通信も聞き取れる上に、外国語の自動翻訳機能も備えた耳』
・鋼鉄並みの強度とプラスチックのような軽量性を併せ持つ特殊素材『ポリマーアロイ』で作られた防御力と俊敏性が両立された機体
・両掌から放つ『500万アンペアの稲妻光線』
等の多彩な能力を発揮できる。
動力源は時代を先取りした『リチウムイオンジェネレータ』で、自身の周囲に酸素さえあれば半永久的に発電可能という、オーパーツ級の代物。
内蔵されているコンピューターの過熱を抑える為、定期的に『キャンディー型冷却剤』を摂取しなければいけない事が唯一にして最大の弱点。
『キャンディー型冷却剤』
腰部に収納されている薬剤。
特殊な冷却ガスを発生させて機械のオーバーヒートを抑制する作用があり、その名前通り『ビニールの包装紙に包まれた一口サイズのキャンディー』に偽装されている。
彼はこのキャンディー型冷却剤を1日最低4個は服用しないと体内のコンピューターがオーバーヒートで機能停止してしまい、動く事もままならなくなってしまうのだ。
彼以外のロボットやサイボーグにも使用可能だが、生身の人間にとっては『物凄く不味いキャンディー』で、食べる事は不可能な代物となっている。
【詳細】
千年前に召喚された『先代勇者』にして、昭和40年代に『アースH世界の日本』で活動していたヒーローの一人。
元々は警視庁・捜査一課に所属する刑事(※階級は警部補)だったのだが、ある時捜査中に国際犯罪シンジケートのメンバーによって瀕死の重傷を負わされてしまい、謎の科学者『沢 蔵人』博士によってその人格/記憶/精神を沢博士が開発していたヒト型ロボットのコンピューターに移植され、『人の心を持つスーパーロボット』として生まれ変わったのだ。
それ以来、普段は警視庁捜査一課の刑事として過ごしつつ、一度『人間がやったとは思えない怪事件』が起きれば、機械の体を持つ超人『Mr.9』として怪事件や怪人に対処するようになり、数々の活躍で日本と人々の平和を陰ながら守り続け、その功績から階級も『警視正』へと昇進した。
それらの功績や実力等を認められ、約1000年前に『堅固』の勇者としてアルカディア大陸に召喚された。
そして、当時の七大罪の『魔王』達との最終決戦の際に『魔王』を打ち倒す事には成功した、ものの………頭部から胸部にかけての上半身部以外の全身が修復不可能なレベルで破壊されてしまったのだ。
全ての『魔王』達が倒された後、大破した機体は当時の光神教会によって回収され、そのまま『自らを犠牲に魔王を打ち倒した異界の勇者の遺体』として胸像のような姿で光神教会の神殿内に安置された………のだが、実は体内のコンピューター部はかろうじて無傷だったかつ、意識もはっきりとしていたので『厳密な意味』では『まだ生きていた』のだ。
しかし、『ロボット』『コンピューター』といった科学的な品物や概念に関する知識を持たない『ファンタジー世界の住民』であるアルカディア大陸の人々にそれを確認する術は無く、その上、機体を破壊された際に体内の発声装置が故障してしまった為に、自分から声を出す事もできなかったのだ。
身動ぎ一つできず、声をあげる事もできず、オマケに『機械』である為に眠る事も頭がおかしくなる事も考える事を止める事もできず………1000年もの間、神殿内の聖遺物保管庫に死蔵され続けた。
そして………
新たな『魔王』出現による『異変』が発生。
次いで、彼の後輩とも言える新たな『異界の勇者』達が続々と召喚され始めたある日、彼が収蔵されていた神殿の聖遺物保管庫に『知恵』の勇者の一人・桐野 和也が偶然来訪し、和也の持つ『加護』・『能力確認』によってその来歴、そして………『まだ生きていて意識もある』事が発覚。
和也がVRゲームで学んでいたメカニック技術を駆使して、なんとか発声装置の修理には成功。他者とのコミュニケーションが再度可能となった。
『不完全』とは言え自分を修理してくれた和也に感謝し、また、和也が新たに召喚された『異界の勇者』だと知ると、まともに自分で動けない状態でありながら『微力ながらも新しい『勇者』達の手助けをしたい』と考え、和也の仲間となった。
普段は赤ん坊か姥捨山の老人よろしく『和也の背中に紐で背負われた状態』にあり、『戦闘』そのものはできないものの『戦闘中の和也にアドバイスをし、死角からの不意打ちを教える』といったサポートを行っている。
和也が『自分と同じく『勇者』の一人でありながら、下手をすると『魔王』より酷い被害を出している羽田 友矢を嫌っている事』や『元の世界ではゲームに夢中になって実生活をおろそかにしているらしい事』に対して、度々小言や苦言を口にしており、和也からは『家の父さんみたいだ………』と呆れられている。
【備考】
その機体には開発者である沢博士が発明した独自技術が大量に使用されており、『加護』や『権能』を抜きにした『アルカディア大陸及び大半の平行世界の地球の在来技術』では『再現』はおろか『修復』すら、困難となっている。
しかし一方で、機体の基礎構造そのものはアストライアやドン・ゲトリーバ等の『68世紀のアースT世界で作られたアンドロイド』と共通点が多いのも特徴の一つ。
アースH世界では『ある日忽然と姿を消してしまい、現在まで消息も生死も不明状態』となっており、ほとんど『都市伝説の存在』と化している他、アースR等の一部の平行世界の地球では『昭和40年代に大人気だったアニメヒーローだが、原作者が逮捕されて打ち切りになってしまった悲劇のヒーロー』として認知されている。
実は『勇者が魔王を倒した際に叶えて貰える願い』をまだ叶えてもらっておらず、『願いの権利』自体も放棄していない。
その為、その気になれば『自分の機体の完全修復』も『元の世界に帰る事』も『生身の人間に戻る事』もできるのだが………
『自分は『勇者』や『ヒーロー』である前に『警察官』であり、市民の幸福と安全を守るべき警察官が、自分の個人的な欲望や望みを優先するのは間違っている』
という考えから
『どうせなら、和也を初めとする新たな『勇者』達やこの世界の人々の役に立つ願いを叶えたい』
として、願いを未だに保留し続けている。
ちなみに、閃光スパークこと東 コウキとは父方の伯父と甥に当たる親戚同士なのだが、お互いに『ファンタジーな異世界に転移してしまった事』『同じ時代のアルカディア大陸に居る事』には欠片も気づいていない。
感想よろしくお願いいたします。




