【魔王グラトニー(暴食)】五十嵐 輝彦
【基本設定】
ダイヤモンド型の大地に人間とエルフを初めとする亜人種、竜や妖精等の魔物達が暮らしている地球とは似て非なる異世界『アルカディア大陸』。
遥か昔に『光の神ルクス・ソーリ』と『混沌の神アザリマラス』によって造り出されたとされるこの大陸は、千年に一度、『光の神』に選ばれた『勇者』と『混沌の神』に選ばれた『魔王』が出現し、大陸の支配者の地位をかけて戦い合う………というサイクルを繰り返していた。
そして一年程前………突如として大陸各地に49体の『魔王』が出現する『異変』が発生。アルカディア大陸の住民達を恐怖のどん底へと叩き込んだ。
異世界より勇者達が召喚され始めた時には、正気を失い人を襲う現地の人間や魔獣に変貌した現地生物が獲物を求めて徘徊し、『魔王』による大殺戮と大暴虐が罷り通る魔境と化してしまっていた。
※文化や世界観などの骨組みはオーソドックスな剣と魔法の中世ヨーロッパ風ファンタジーを想定。
・『魔王』
一年前の『異変』と同時に現れた人類の敵対者。
・魔王『プライド』(傲慢)
・魔王『ラスト』(色欲)
・魔王『スロウス』(怠惰)
・魔王『グリード』(強欲)
・魔王『エンヴィー』(嫉妬)
・魔王『グラトニー』(暴食)
・魔王『ラース』(憤怒)
上記の7×7=49体が存在し、それぞれ『七つの大罪』に即した『権能(※勇者にとっての加護に相当するチート能力)』を行使する。
魔王は『混沌の神』と称される超越存在の使徒であり、目的は必要となる『贄』の確保。
魔王たちはそれぞれ無数の魔物や配下たちを率いて、たった一年足らずでアルカディア大陸全土を地獄に変えてしまった。
本編開始時には大陸住民の殆どが犠牲になっており、それを阻止する勢力である勇者の抹殺を全員が命じられている。
魔王たちの過去や原点は、『勇者のように別世界から召喚もしくは転生された者』、『混沌の神に目をつけられた現地の存在』『そもそも人じゃない者』等々……まさに多種多様。
共通して体のどこかに『魔王』の証にして『混沌の神』のシンボルでもある『魔王紋|(サタン・スティグマ。『Ω』の中心部の空白に十字架が描かれているようなマーク)』が刻まれ、権能発動時に赤紫に輝く。
(『傲慢』=顎、『色欲』=胸元、『怠惰』=尻、『強欲』=左頬、『嫉妬』=右頬、『暴食』=腹部のへその真上付近、『憤怒』=背中)
【名前】五十嵐 輝彦
【所属】魔王グラトニー(暴食)
【種族】人間
【性別】男
【出身世界】アースR:平行世界の地球の一つ。超常的またはオカルト的もしくは空想科学的な存在や生物や技術が実在しない『読者の皆さんが住んでいる地球』に一番近い世界
【外見】
ボロボロの衣服にロングコートとニット帽を着用し、瓶底の丸眼鏡をかけた細身の中年男性。
スキンヘッドで無精髭を生やしている。
【職業】ホームレス
【年齢】68
【趣味】捨てられた漫画雑誌を拾って読むこと、月に一回銭湯で風呂に入る事
【好きなもの】コンビニ弁当、消費期限切れで捨てられたまだ傷んでいない食べ物、炊き出しのボランティアで貰う温かい毛布、ネズミとゴキブリ
【嫌いなもの】若者によるホームレス狩り、堕落し続ける社会、堕落した社会を正そうと自ら立ち上がらない人々、雨風に打たれる事
【性格】
人当たりが良く、礼儀正しい紳士。
誰に対しても丁寧口調で喋り、ホームレスでありながら身だしなみには気を使うタイプ。
一方で『自分と関係の無い人間』が目の前で死にそうになっていても、顔色一つ変えずに観察するようなややサイコパス気質がある人物。
自分を初めとするホームレスを『社会の底を這い回る存在』と認識し、同じく『人間社会の底を這い回る存在』であるネズミとゴキブリに親近感を抱いている。
イメージCV:大塚芳忠
一人称・『僕』
二人称・『君、あなた』
【権能&能力】
『昔とった杵柄』
20代の時、過激派グループのメンバーとして活動していた際に身につけた技能類。
爆弾の製作、銃器の扱い、英語・ロシア語・中国語・フランス語等の複数ヶ国語の流暢な会話、等々……。
年齢の関係もあって腕力やスタミナは無きに等しいが、レスリングにおける間接技や合気道の心得があり、20代当時にロシア人の友人から教わったナイフを用いた軍隊格闘技を使って白兵戦を行う事も可能。
『ハーメルンの口笛吹き』
魔王としての権能。
口笛を吹く事で、小型モンスター『ラットコーチ』『ラットスパイダー』『ハイエナガラス』の大群を操れる。
一度に数千から数万のラットコーチとハイエナガラスを操る事ができ、数千万を超える小型モンスターの大群で一つの大都市を蹂躙することも可能。
[権能によって使役できるモンスター達]
『ラットコーチ』
ネズミとゴキブリを合体させたような小型モンスター。
『6本の脚とゴキブリのような羽と触覚を持つどぶねずみ』といった姿をしており、ネズミの繁殖力とゴキブリの生命力、そして人間と同じ物を食べてどのような環境でも生存可能な適応力を有している。
鳴き声は『ゴッチュ~』。
ナマズネコと並ぶ雑魚モンスターの一角で、かつナマズネコの大好物という魔物達の生態系において一番下に位置する存在。
彼の配下となったラットコーチ達は人間を初めとする自分達よりも体の大きい生き物を大群で餌食にし、食えば食う程に個体数を増やしていく。
『ラットスパイダー』
蜘蛛の8本脚を持つネズミのモンスター。
尻尾の先端から糸を出す。
通常はダンジョンや無人の廃屋等に住み着くが、権能によって彼の配下となったラットスパイダー達は街中や旅街道にも巨大な蜘蛛の巣を張って、人間やエルフといった亜人種、更には竜といった大型の魔物すらも餌食にしてしまう。
天敵はナマズネコ。
『ハイエナガラス』
ハイエナの頭・脚・尻尾、カラスの体・翼を持つ小型モンスター。
地球の一般的なカラスと同じく、人間の住む街中にも普通に生息している。
生物の死骸や人間の出す生ゴミ等を常食とし、時にはラットコーチやナマズネコ等の自分と同サイズの魔物を狩る事がある。
権能によって彼の配下となったハイエナガラス達は、人間やエルフを初めとする亜人種にも襲い掛かり、竜やワイバーンすら餌食にしてしまうのだ。
また、複数匹のハイエナガラスにロープや縄を持たせて飛行させれば、マンガ『ゲゲゲの鬼太郎』に登場するカラスヘリコプターのような移動手段として利用が可能。
【詳細】
東京都新宿区の片隅に暮らすホームレスの男性。
昭和40年代、過激派グループ『黒き曙』のメンバーとして企業社屋爆破や大臣誘拐&暗殺等を行っていた元・学生運動家で、10数年に渡る刑務所暮らしから出所後に財産も自宅も失い、家族にも見離され………遂にはホームレスに身をやつすこととなった。
毎日毎日………コンビニのゴミ箱を漁って食料を確保し、高架下や公園の隅に段ボールで作った家で寝起きし、唯一の楽しみは『捨てられた漫画雑誌を読むこと』と『月に一度の銭湯』のみ。
そんな生活を数年間続けていく内に、同じ地域に住むホームレス達から『仲間』として受け入れられ、かつては邪魔者扱いしていたネズミやゴキブリに対しても『自分と同じように人間社会の底を這い回る存在』として親近感を抱くようになり、いつしか革命を目指して戦ってきた日々よりも心安らぐようになっていった………だが、そんな毎日の中でも『自分が革命を起こそうとしていた時代』よりも豊かで便利になりながらも『格差と差別』は無くならず『争いの火種が尽きる事がない混迷とした現代社会』と、『混迷とした社会を正そうとかつての自分のように立ち上がろうとしない人々』に憤りを感じていた。
そんなある日、『混沌の神』からかつての革命活動における手腕と実績を買われて『暴食の魔王』としてアルカディア大陸に召喚されたのだ。
当初は『魔王としてファンタジーな異世界に召喚される』という青少年向けのマンガやアニメのような状況に困惑するも、『地球とは違う世界ならば、かつての自分が成し得なかった貧富の格差も争いも存在しない理想社会の構築が可能かもしれない』と考え、与えられた権能を嬉々として使いながらラットコーチ、ラットスパイダー、ハイエナガラスの大群を操って大陸各地の村や街を襲撃。人々を次々に魔物達の餌食にしていったのだ。
長年に渡るホームレス生活により、『貧富の差も差別も無く、無益な争いも起こらない平和な社会とは、石器時代のような100人単位の少数村落での狩猟採集生活である』というポル・ポトのような結論を出し、『魔王』となってからは各地の街や村から拉致した10代以下の子供達にホームレス生活を強制しつつ、自分の配下であるラットコーチによって無人となった街で、ラットコーチ達とハイエナガラス達を布団と毛布代わりに使い、ラットコーチ達とラットスパイダー達が運んできた食料を食べてのびのびと暮らしている。
【備考】
元々ナマズネコはラットコーチとラットスパイダーの天敵なので、ズーナマン・キャッティウスとはお互いを毛嫌いしている。
感想よろしくお願いいたします。




