責任
あの世に行けない理由を探す
煙草が吸えない弱さを恨む
あなたは遠いひと
見る間に夕焼けに滲む
それでいい それでいいの
私がまた一人、勝手に失うだけ
踏切の前で立ち尽くす
このままずっと帰らなければ
お金とか 束縛とか
ぜんぶ意味を成さなくなるのに
私は無責任に咲く花
潔癖なままで枯れる花
自分すら守れないから
名前のつくものは持てない
明日の予定に書き留められた
「〆切」の二文字に命を託す
あなたは追ってくる
どれほど振り払おうとも
それじゃ駄目 それじゃ駄目なの
私がまた一人、傷つけてしまうから
駅のホームで足が止まる
このまま下り電車に乗れば
明日には 誰からも
信用なんてされなくなるだろう
私は無責任な猛毒
透明な、誰かを刺す棘
自分しか守りたくないから
名前のつくものは持てない