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ハレは始まりの合図  作者: まっきよ
4/9

ハレ妹ハレ涙の夜

駅で味わった悲しみを胸に僕は家に帰ってきた。


そのおかげで一歩強くなれた気がした。


よーし、時代はポジティブシンキング。


ポジティブで不思議と表情もよくなってくるねールンルン。


さて、家の前に着いた僕はドアノブに手をかけ、鍵がかかっていたことに舌打ちをして、そのままリビングのソファーに座ろうとしたが、なんと我が妹がいるではないか。


しかも、妹はあろうかとか全身をピンと張ってソファーを占領せんかといわんばかりの仰向けでスーウィーチというゲーム機を両手に持っていた。


おい待て、お前家族の共有スペースに個人のゲーム音楽を持ち入るだけでは飽き足らず、ソファーを占領するとはいつもの俺。


そして、熱くなって俺口調になる俺。家では陰キャ大体そうだって。


女々しくて、教室ではハッスルできまへんの。


ちょっと待て、それは俺のカセットだろ高音ネギのボカロ音楽ゲームだろ?俺が進めてたんだよ。


フルコンでスコア塗り替えたらそれは凄いけどマジでやめてください。


1週間塞ぎ込んで記憶塗り替えてやるわ。


あれだよな、こういうカセットを勝手に使われてたっていう悲しい争いは両親は基本知らんぷりなのよね。


目線では諦めろといってくる癖に。


まぁ、取り敢えず妹に言っておくべきことは1つだ、




「おい、麗夢。お前俺の高音ネギやるなよ。俺のだ


ぞ。許可ぐらい取れって言ってるだろ?」




すると、上から妹目線である麗夢は、




「そんなの知らないっ!あたしがやりたいからやってるだけなの〜。悲壮感出してるクソ兄に言われたくない。」




うおっ、俺ってば悲壮感出てたのか。


どうやらポジティブは人によりけりらしい。


そしてカセットは某ガキ大将のモノであると。


そして、ガキ大将の正体は妹であると。


なんども思うが、お淑やかな妹に育って欲しかったと何度思ったことかと今思ってる。


高音ネギの進捗度はどうやらガチプレイではない様子。


暇を埋めるために本当に何曲かやったって感じで…フルコン手前でした。危ねぇ。


そんなことを考えていると、さっきの指摘で気分を悪くしたのか、カセットを抜いて返してきた。


そして、湊の前をさっと抜ける際に、意識してないと聞こえないような声で、




「カセ…しかった。あ…がと…。」




それを何だと思ったのか港は、


アイツ、一瞬だけ弱々しかったぞ。


ブリキの掠れ声みたいで。あの曲声出ないわー。学校関係で何かあったか?俺はあったぞ。思い出して怒りが。






一悶着あったとはいえ無事に妹からカセットを奪還した湊だったが、ふと、メッセージアプリのリーンに一件の通知が来た。


心当たりのない湊だが、どうせクラスリーンの通知切りを忘れていたのがつきだと思っていた。


ところが、湊は表示されたアイコン名を見るとどんどん不機嫌になっていった。


朝の妹など真っ青なレベルである。


なんとそこには、桜庭という簡素な苗字だけのアイコンがあったのだ。


そして湊はこう考えている。なんでこいつがと。


まぁ、クラスの誰かから貰ったのは想像に難くない。

大体、誰にもらったかも見当はついてる。


おそらく、委員長だろうなぁ。


確かに、あの人なら友達100人出来てるからな。


俺も持ってるし。で、その後だ。


わざわざこんなことをやってきたってことは入れざるを得ない状況なのかやはり。


でも、アイツ登録するとあいつの直視以外に既読というゴーゴンの魔眼があるわけだ。逃げられんな。


もし断ったら断ったで委員長からの株が大暴落かもしれない。


あいつだったらやりかねない。


上手な嘘泣き仕草込みで。


取り敢えず、入れるかぁ。


ポチッ。あ、もう既読きたわ。


仕方ない、ここは無難に挨拶を。




「こんばんは。よろしく。」




さて、どうかな。お、きたきたってやっぱりアイツSだわ、やだわもう泣く。




「よろしくされる覚えはないけれど、今日は面白かったわ。学校で会えるのが楽しみね。それだけ。」




一方的なヒットアンドアウェイ。あいつのあだ名は「はぐれS」にしよう。そうしよう。


ついでにソシャゲ開こう。


あー、俺の嫁が。


えっ?「あなたを待ち続けておりました。」だと。


ぐすんっ、お前正室格上げだわ。











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