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まさかの正夢  作者: 柿田修ニ
16/16

まさかの正夢

【15/15】


42


 三郎さんは、昨年十月末に応募した文学賞に見事受賞したのだった。「回想」というタイトルで、どんな内容なのか把握していなかったが、審査員たちの評価は高いらしく、三郎さんの小説が本として早速出版されたそうだ。それに関連して、各雑誌からの取材が相次いでおり、コンビニの雑誌コーナーに行くと、三郎さんの特集記事が載っている雑誌を見かけた。


浪人時代に奮起!大学デビューと同時に作家デビュー!


 三郎さんは、「大学デビュー」「作家デビュー」という二つの称号を同時に手に入れていた。国立大学の前記試験に見事合格し、その直後に文学賞受賞の連絡が来たそうだ。三浪していたこともあって、三郎さんには話題性があった。

 文学賞を取って、その直後に書籍化されるというのはすごいことらしい。募集していた出版社の人たちが大忙しで本を作り、販売に乗り出したのだ。散歩のついでに本屋を覗いたことがあったが、三郎さんの本がすでに山積みになって売られていた。

「注目の作家!大物作家を唸らせた感動物語!」と書いてあった。

 三郎さんは一気に知名度を上げ、有名人の仲間入りをしようとしていた。三浪時代、大学の正門で警備員と口論していた、かつての三郎さんとはもう違った。三郎さんは大学の勉強をがんばりつつ、趣味の小説執筆を仕事にしていくようである。

「大学生作家」という肩書きはなかなかないため、価値ある存在になれるはずだ。普通の一般人と比べて希少性があるし、そういう人ほど社会で生きていけるだろう。趣味を仕事にし、夢へと駆け上がっていく三郎さんを羨ましく思った。僕もそんな人生を送りたい。自分の名を世に知らしめ、人々にとって価値ある存在になりたい。そんな気持ちが込み上げてきていた。

 しかし、そんな三郎さんに嫌なことをされた高橋さんは、僕のことを受け入れることができなくなってしまったのだ。僕は複雑な気持ちだった。僕は何も高橋さんに悪いことをしていないし、これからもそういうことは絶対しない。だから三郎さんを理由に別れようとすることに納得ができなかった。しかし同時に、僕が三郎さんと知り合いであることで、高橋さんを苦しめ続けていたのかもしれないと思った。悔しさと申し訳なさが頭の中で混ざり合っていて、僕は気持ちの整理ができなかった。


「私は、自分の決断が正しいのかどうか何度も考えたの。二郎くんはとても良い人で、今まで色んなことを助けてくれて、すごく大好きだった。でも、あの男の事がどうしても忘れられなくて、許せなくて、辛かったの…。誤解してほしくないんだけど、私は二郎くんを嫌いにはなってないの。これからも二郎くんのことを応援していきたいし、二郎くんのがんばりを力に、私は前に進んで行きたいの…。」

 高橋さんは泣くのを何とか堪えながら、必死に僕に思いを伝えようとしていた。そんな姿を見ていて、僕の心の中に大きな変化が起こった。それまでの複雑な気持ちが、不思議な化学反応によって分解されたような気がした。

 高橋さんは辛い思いを隠して、これまで僕と一緒にいてくれた。それなのに、僕を今でも良く思ってくれていて、これからも応援したいと言ってくれた。僕は、なんて恵まれた人間なんだろう。

 僕らは付き合っていた。三ヶ月という短い期間ではあったが、お互いが志望校合格を達成できるように励まし合ってきた。

 僕は高橋さんの為に何ができるのか考えていたけど、高橋さんも同じように、僕のためにできることを尽くしてくれた。

「絶対に合格しよう!私達ならできるよきっと!」

「お疲れ様~次も頑張ろう!周りの人には絶対負けないようにね!」

「私立合格おめでとう!国立の試験もがんばろうね!」

 LINEでのやり取りの数々を、僕は思い出していた。

 高橋さんは、僕にとってかけがえのない存在だった。そのことに改めて気づかされて、僕は感極まってしまった。上手く表現できないけど、「命の恩人」と言っても過言ではないと思う。浪人人生を好転させ、受験に立ち向かう勇気を与えてくれたのは間違いなく高橋さんだった。僕は今、生きている。確かに生きている。生きていて良かったと思えている。高橋さんは、こんな僕を地獄のどん底から救ってくれたのだ。

 僕は、高橋さんに何と言ってあげたらいいんだろう。別れたくないけど、高橋さんには感謝することが山ほどある。そして、高橋さんは人として素晴らしく、誇れる彼女だった。僕は高橋さんにどう向き合ったらいいんだろう。何ができるのだろう。

 高橋さんのことを、今までで一番真剣に考えていた。僕らは町田駅の改札前で向き合っていた。もう二十分くらいはそこにいるかもしれない。僕ら二人の間だけ、時間が止まっていた。


 どこからか、桜の花びらが飛んで来た。近くに桜の木はないけれど、遠くから、僕らの方にまでわざわざ飛んで来てくれた。僕は手を開いて握ると、その中に花びらはあった。

 そうだよ、俺は今を生きている。生きていることに感謝しないといけない。高橋さんには感謝をしないといけない。たとえ別れるとしても、僕らはこれまで貴重な時間を過ごすことができた。こんなに幸せなことはない。

 僕は高橋さんの顔を見た。高橋さんの目からは涙がこぼれ出していた。

 僕は前に歩いて、高橋さんの目の前に立った。顔をしっかり見て、そのまま抱きしめた。高橋さんは涙が止まらず、僕の肩で声を出して泣き始めた。

「泉、ありがとう。素直な気持ちを伝えてくれて、僕は嬉しかった。僕は、泉の気持ちを受け入れるよ。別れるのは辛いけど、僕は泉と出会えて本当に良かった。今まで本当にありがとう。」

 僕はそれ以上声が出なかった。目が潤んできて、その後涙がこぼれてきた。僕らは人目を憚らず、しばらく距離がゼロの状態をキープした。僕にとって最初で最後となる、高橋さんを「泉」と呼んだ瞬間だった。


43


 その後の記憶は、鮮明には覚えていない。家に帰って、母親に祝福されて、美味しいごはんを食べたことだけは覚えている。頭は呆然としていて、母親がせっかく嬉しそうに話しかけてくるのに素っ気なくリアクションしていたようだった。

 僕はLINEを開いた。トーク履歴を開き、コメントを入力した。

「お元気ですか?大学合格しました。おかげで『三郎』に改名しなくて大丈夫そうです!」

 そう入力すると、ベッドに横になった。やっと受験から解放され、たくさん寝たい気持ちで一杯だった。

 扉が開いて、母親が入ってきた。

「お父さんも喜んでたわよ。今度食事しようって。私も一緒に行くわ。」

「いいの?一緒だと嫌じゃない?」

「なんかよくわからないけど、昔の嫌な気持ちが消えてしまったのよ。久々に向こうから電話がきて声を聞いたとき、『あの人は変わったんだな』と思ったわ。根拠はないけど、前より優しくなったと思う。二郎のこと、すごい心配してたみたいよ。」

「そうなんだ。良かったよ、それを聞いて。」

「二郎が合格してくれたから、私も心が清々しいわ。これ、少ないけどお祝いね。好きなもの買いなさい…。」

 そう言って封筒を渡すと、母親はすぐに部屋を出て行ってしまった。嬉しさのあまり、泣きそうだったのだろうか。僕はそんな事を察しながら封筒を覗いた。諭吉が三人いることを確認した。明日は本屋に行こう。そう決めてベッドで横になった。

 次の日になって本屋に行くと、相変わらず三郎さんの本が『話題の本』として取り上げられていた。僕は本を手に取ると、裏表紙をめくった。


高田三郎

一九九六年六月十三日生まれ

三浪した後、今年春から東京首都大学に入学

浪人中に書いた本作が、『第29回つばめ新人文学賞』を受賞。直後に書籍化

今年の秋に映画化も予定されている

六月には第二作が書籍化予定


 今注目の作家として、申し分ないくらい大々的に取り上げられていた。本がたくさん売れると二版、三版と増版され、印税収入がたくさん三郎さんに入るらしい。大学の学費を自分で払うと言っていたため、その助けになればと思い、三郎さんの本を購入することにした。また、本の表紙を写メってツイッターに載せ、数少ないフォロワーに宣伝した。

「友人の高田三郎さんが本を出しました。ぜひ買ってください!」

 できることをやる。誰かの為に貢献する。その大切さを身に染みて感じていた。

 レジに行き本を渡すと、お会計は税込みで756円だった。財布を取り出し、小銭を探す。五〇〇円玉や一〇〇玉が無かったため、仕方なく千円札を出したのだが、頭は急に働き始めた。

「このままではいけない…!」

「千円でよろしいでしょうか?」

「ちょっと待ってください!」

 僕は店員さんの言葉を遮るように声を出した。あまりにも大きな声を出してしまったため、恥ずかしくなった。

「これもお願いします。」

 僕は落ち着きを取り戻そうと言い聞かせながら、ゆっくりと小銭を差し出した。

「1006円でよろしいですか?」

「はい、それでお願いします。」

 店員さんは確認しつつ、レジのボタンを操作した。次の瞬間、店員さんは笑顔になった。

「250円のお返しです!」

「ありがとうございます。」

「それにしても、お客様すごいですね。」

「何がですか?」

「1000円ではなく、とっさに小銭から6円を取り出せるお客様はなかなかいませんよ。」

「あ、そういうことですか。1000円で払うと、おつりが244円になってしまって、小銭が増えてしまうんです。渡す側ももらう側も大変ですからね。」

「確かにそうですね!それを一瞬で考えられるなんてすごいです…!」

 店員さんはすごく嬉しそうだった。その笑顔に僕は思わずドキドキしてしまった。

 1006という数字は、小学校六年間で習う漢字の数と同じだった。しかし今はどうでも良かった。僕は半年以上前に見た夢を思い出していた。あの夏の暑い日に見た夢である。


 夢の中で食べたラーメン屋で、僕は褒められた。レジをやっていたのは高橋さんだったのだ。どこかで見覚えがあると思いつつも、あの時は誰だかわからなかった。しかし店員さんに褒められるというシチュエーションが現実化されたとき、あの店員さんの顔がはっきりと、高橋さんになった。同窓会で知り合う前に、実は夢の中で出会っていたのだ。僕と高橋さんが出会ったのは偶然ではなく、必然だったのかもしれない。僕は嬉しい気持ちになった。

 本屋を出ると、携帯が振動した。見知らぬ番号からの電話だった。

「もしもし。」

「松枝さんの携帯でお間違いないでしょうか?」

「そうですけど、どちら様ですか?」

「ご紹介遅れました。私、週刊文章の丸尾と申します。先日応募されました、『高く羽ばたく新人文学賞』についての連絡のため、電話致しました。」

「はい。何でしょう…?」

「この度ですね、あなたがお書きになりました『マエニススメ』という小説が文学賞に選ばれました。おめでとうございます!」

「そうなんですか!?ありがとうございます!」

「本当におめでとうございます。近日中に弊社の方にお越しいただき話を伺いたいと考えております。後日また、詳細を伝えさせていただきますので、よろしくお願いいたします。」

「わかりました。連絡ありがとうございました。失礼いたします。」

 電話を切った。僕は、三郎さんと同じく文学賞受賞が決まった。受賞できたことが信じられず、意識がどこかに飛んでいきそうだった。これから自分はどうなっていくのだろう。不安がありつつも、僕は大きな一歩を踏み出そうとしていた。


 この半年間、色んな夢を見てきた。その多くが、まさか正夢になるとは思ってもいなかった。

 そして、自分と向き合うきっかけとなったタイムマシンにも乗った。僕の今までの経験は小説となり、本になる。多くの人に勇気を与える出発点となるだろう。僕も小説を書いていこう。大学の勉強を頑張りつつ、小説家の道を進んでいこう。やりたいことが見つかった。もう迷う必要はない。


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 僕はふと、タイムマシンに乗っていたときのことを思い出した。今までのことを思い出していたけれど、何か違和感があった。それが何なのかが、ついにわかった。三郎さんが出てこなかったのだ。

 二浪という苦しい時期に影響を受けた人物として、三郎さんがいた。タイムマシンでの回想シーンで、なぜか三郎さんは出てこなかったのである。引っかかっていたのはこのことだったのだ。

 しかし今、自分なりにわかったことがある。三郎さんは回想シーンに出てこない。それは、今後も三郎さんと長く関わっていくからではないだろうか。三郎さんから遅れはしたものの、僕も文学賞を受賞し、作家の道に足を踏み入れようとしていた。僕も三郎さんと同じ道を進んでいくのかもしれない。未来を見通せるタイムマシンがもしあるのなら、間違いなく三郎さんは僕の前に現れるだろう。

「おまえさんは本当に面白いやつやな!。」

「自分で道を切り開いていかなきゃあかん!」

「おまえさんも小説は書ける!」

 三郎さんからの言葉がなければ、今の僕はいなかった。やっぱり三郎さんは僕にとって、尊敬の対象だった。

 高橋さんと別れるきっかけになったのは間違いなく三郎さんが原因だったけど、そんな事はあまり気にならなかった。僕は僕なりに進んでいくしかない。先の見えない未来に向かって、走り続けるしかない。僕はぼくの道を進もう。僕の時代を作ろう。強い意志を胸に、僕は歩き出す。


 電車を降りて、家に向かった。横断歩道を目指して歩いていると、向こうからたくさんの人が歩いてきた。どうやら直前まで青信号で、通行人が渡り切ったようだった。信号を直接見ていないけれど、信号が赤になっていることを事前に予想することができた。

 途中で小雨が降ってきた。天気予報を見ていなかったため、雨が降るとは思っていなかった。僕は鞄の中から急いで折り畳み傘を取り出した。折角買った本が濡れたら大変だ。

歩いているうちに、雨はどんどん強くなってきた。同時に、辺りは暗くなった。僕は歩くペースを速くして、急いで家を目指した。濡れないよう、鞄は前に抱えた。

 幸い、雨はすぐに弱まってきた。周りでは傘を閉じる人もおり、さっきまでの大雨が嘘のようだった。しかし鞄の中の本を濡らしたくなかったため、僕は傘を差したまま歩いた。

家の前に着いた。家の電気は着いていなかった。今日は一日家にいると母親は言っていたはずだった。


 その時だった。僕は瞬間的に傘を閉じた。それを、偶然鞄に入っていたビニール袋に入れ、すぐに鞄の中に閉まった。僕は震えが止まらなかった。

「これは正夢だ…!」

 家の扉は開いている。開けたら、今までの良い出来事が全て水の泡になってしまう…!

 これまでの夢の内容は、良い事が起こった後に、必ず悪い事が起こっていた。僕は今日、店員さんに褒められ、文学賞受賞の通知を受けた。良い事ばかりだった。これ以上ないくらい良い出来事が続いていたのだ。電気の着いていない家を見て、悪い予感しかしなかった。

 僕は家から走り出した。行く宛はない。とりあえず家から離れたかった。正夢になってほしくなかったからだ。家に入ったら、何かが起こるかもしれない。それがただただ怖かった。心配性の性格が、僕の走るスピードを加速させた。

 気がつくと、僕は近くを流れる境川沿いを走っていた。南に向かって走っているため、このまま行けばいずれは江ノ島にたどり着くことができる。僕の孤独なマラソンは始まった。

 桜ヶ丘から江ノ島までは、約二十キロあるらしい。箱根駅伝で、大学生が走る距離とほぼ同じである。僕は陸上選手ではないため、走り切れるかわからない。しかし、今は走るしかないと思った。一陸上選手として、僕は江ノ島を目指す。箱根駅伝の三区のランナーに遭遇できたらいいなと思った。


「さあ、松枝が襷を取りました!残り一キロを切りました。十九キロの通過がなんと、五十四分二十八秒!五十四分二十八秒です!区間記録更新はもう間違いないでしょう!大記録が生まれそうです!相模原監督は、『さあ、ラストスパートだ!大記録が出るぞ!お前の時代が来る!最後まで走り抜けろ!腕を前へ振れ!あともう少し!もう少し!』と気合十分です!お前の時代が来る。まさにその通りになりそうです!新しい時代が始まろうとしています。さあ、湘南の江ノ島に、ニューヒーローの誕生です!その名は松枝二郎だ!」


(終わり)

【あとがき】


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


内容はいかがだったでしょうか?


拙い文章で読みにくい箇所もあったかと思います。僕自身も読み返してみて、わかりにくいと思った部分が結構ありました。


今回は、新人文学賞に提出した原稿を一部加筆修正しました。少しは読みやすくなるように注意したつもりです。




さて、物語の内容をざっと振り返りたいと思います。


主人公の松枝二郎は、大学受験が上手くいかず二浪生活を送っていた。勉強にあまり身が入らず、ファミレスの中で悪夢を見てしまうところから、物語はスタートする。


かつての浪人仲間の大学デビューに嫉妬しつつ、大学生活の堕落ぶりに驚いた二郎は、本当に大学進学をすべきかどうかに疑問を持ち始める。


そんな矢先、オープンキャンパスで衝撃的な出会いをする。三浪している高田三郎のパワーある言動、考えは説得力があり、それらに二郎は影響を受けるようになる。


高校の同窓会では、二浪をネタにしたスピーチで注目の的となり、兼ねてより気になっていた坂本愛理や人気者の高橋泉と話をすることができた。二人は共に進学していたが、大学を受け直すと決意していた。


そこから、二郎と愛理、泉、それからチャラ男(中尾)の予備校生活が始まった。センター模試や飲み会などを通し、二郎と泉はお互い好意を持つようになる。二人の距離はどんどん縮まっていく。


その後の展開は、ここでは詳しく述べないでおく。夢のこと。難関大模試のこと。恋のこと。受験結果のこと。二郎は多くのことを経験し、成長していったのであった。




さて、この物語と著者の関係について述べておきます。


私は浪人生活を送ったことがありません。ただ、浪人していた友達から話を聞いたことがあった。特に、モチベーションを保つのに苦労したという。今回は、自分が浪人生だったらどうなっていたかを、想像しながら書いてみました。


主人公の性格についてだが、これは結構重なる部分がある。心配性であったり、個性があったり、妄想したり…。


それもそうだろう、著者が物語を書きやすいように主人公を設定しているからである。自分とは違うタイプの人間を描くのは難しい。今回は初めての長文小説ということで、自分の経験談などを積極的に取り入れることにした。


そんな経緯もあって書き上げた今回の小説。自分なりには書き切ったと思う。強いて言うなら、坂本さんやチャラ尾くんの進路についても言及しておけば良かったかもしれない。彼らの今後については、読者の想像にお任せすることにする。




さて、今回の小説のテーマは「正夢」でした。皆さんは、夢が正夢になったことはありますか?


僕は何度かあります。記憶は定かではないけれど、現実で体験してみて、これは以前体験したことがあると感じたことがあるのです(本当は体験したことがないのに)。


怖い夢、楽しい夢、様々なものがある。怖い夢は速やかに忘れたいものだが、楽しい夢であれば、現実でも実現してほしいと思う。


「正夢」が本当にあるのかどうかは、正直よくわからない。ただ、嬉しい出来事が起こったとき、それは「正夢であった」と信じても良いと思う。というか、信じたもんがちではないか。


人生、色々なことがある。自分の思い通りになるように、各々の出来事に対して自分なりの解釈をしてしまう。


しかし、それは必ずしも悪いことではない。そうすることで精神が安定するのであれば良いと思う。「自分は幸せだ」と信じ込むことで、実際に幸せになれる可能性は上がるだろう。


この物語を通して、人間が見る夢に対してどう解釈すべきなのかを考える良いきっかけになれば嬉しい。


最後に、読者の皆さんにお願いがあります。


この小説を読んだ感想を書いていただきたいです。ページの下の方に感想記入欄があります。皆さんがどんな気持ちで読んでいたのかを知りたいため、ぜひともお願いしたいです。書いていただけたら、筆者は泣いて喜びます笑。


また、この小説を他の方にも紹介、あるいは拡散していただけると嬉しいです。


最後に、この作品で登場し、私が作詞作曲した「今、この瞬間を精一杯生きる」という曲の歌詞をすべて公開したいと思います。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。


柿田修二



【今、この瞬間を精一杯生きる】


作詞作曲:柿田修ニ




道に迷ってさまよい歩き

ただ時だけ過ぎていく


どうしたらいいかわからなくて

泣きたいときもあるよね


生きてる意味を考えても

答えが出ないなら


考えるのはやめよう

気持ちが晴れるように


今、この瞬間を精一杯生きればいい 

ただそれだけ


今、この瞬間が幸せと思えれば

ただそれでいい


あなたはあなただから

自信を持って歩けばいい




相手に思い伝えたいのに

言葉がすぐ出てこない


声をかけたいのに恥ずかしくて

せつない気持ちになるよね


なぜこんなにも情けないんだと

自分を責めるなら


考えるのはやめよう

また明日踏み出すため


今、この瞬間を精一杯生きればいい

ただそれだけ


今、この瞬間が明るい未来への

スタート地点さ


あなたはあなただから

自分のペースで歩けばいい


もし進む道間違えても 

迷わず進んで行こう


遠回りしたってきっと

いつかは戻るから


進もう!


今、この瞬間を精一杯生きればいい

ただそれだけ


今、この瞬間が幸せと思えれば

ただそれでいい


あなたはあなただから

自信を持って歩けばいい


自信を持って歩けばいい

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